カテゴリ:心理学。
愛する人がへとへとな時、自分もへとへとになる。
見た目には「わたしに任せておいてっ!」と パワーアップするかのように見えるかも知れないが、本当はへとへとだ。 と言う訳で、わたしは自分がちょっとへとへとな時は、一人で踏ん張って乗り切ってしまう。 そして、もう駄目、しんどいよ、という時には手の付けられないぐらいの甘えん坊になる。 国際結婚、というカテゴリーを作ってみた。 それに、本当に沿う話になるかは、書きながらも定かでは無いが、 わたしは結婚と言えば国際結婚しかしたことが無いので、 わたしにとっては個人的には結婚生活=国際結婚であって、 何処で線を引いたらいいのか判らない。 もともと、他所のご夫婦と比べたりするのも興味が無いので、余計孤立しているかもしれない、が 大して気に病んでいる訳でも無い。根が図太いので有ろう。 わたしのダンナのブルルどんは最近本当にお疲れである。 改めて書く必要も無いかも知れないが、 彼は、全米二番手の大手DIYチェーンにマネージャーとして勤めている。 アメリカに詳しい方には、「青い方」と言えば判るだろう。 マネージャーと言っても一つのお店には沢山居て、その中でもストアマネージャーでは無い。 毎日、赤いベストに「いらっしゃいませ。私は日本語を話します」という黄色いワッペンを付けて、 張り切って働いている。もう、かれこれ10ヶ月になる。 他の販売業と違い、寒い地方のああいうお店はクリスマスでなく夏が書き入れ時である。 何故なら、冬の間はペンキは凍ってしまって塗れないし、雪で配達は困難かつ遅いし、 床やキッチンの改造も家に出入りの多いので寒い時はしたくないし、窓やドアの付け替えなどは言語道断である。 冬の間は、クリスマス用品や、除雪機、除雪用のお塩、などが売れるようだ。 (考えるだけで寒くなる!) さて、DIYのお店と言うと、物が高く積み上げられて、クレーンなんかの事故で死者が出たりが話題になり、 わたしも心配していたのだが、 「青い方」の会社では死者はゼロだという。(ほっ) それでも、肉体労働で、足はパンパンで、あちこち生傷は絶えず、服にペンキをつけて帰って来る。 そんなブルルをとても誇らしく、愛しく思う。 「お店」に勤める者の宿命で、スケジュールは過酷だ。 しかも時給制でないマネージメントは時間外にも良いようにコキを使われるらしい。 それでもブルルが冗談を言っても根本的に文句を言わないのは、 勿論15ヶ月仕事を探してやっと見つかった職だから。 毎日仕事に行けるだけでありがたい、と、心底思っている従業員も珍しいだろう。 朝番は4時から17時、遅番は0時から11時半まで。もっと長い日も有る。 彼がへとへとな時にしてあげる事は、もっとないかな?といつも考えるのだが、 好きな物を作ってあげたり、家の中にアロマキャンドルを焚いたり、 夜おビールやアイスクリームに走っても目をつむってあげる。 肩や背中や頭をもんであげる。 気が済むまで黙って話を聴く。アドバイスは訊かれた時だけ。 これは、わたしが働いていた時にただ、聞いて欲しいのにああすればいい、こうすればいい、と言う彼とよく口論になったから。 いつもは少しずつ分けてする家のお掃除やシーツの洗濯をいっぺんにする。 そうすれば、わたしまでへとへとが感染っても、少なくとも気持ちよく過ごせる。 君の一日はどうだった?といつも訊く彼。 わたしはどんな鳥を見たとか、楽天のどこどこの誰々ちゃんがね、という話をする。 もっと他に、何か出きる事は無いかな? そう訊いてみたくても、それも可哀相な位へとへとで帰ってくる彼。 軍隊や、警察から、英会話講師まで、色々な職歴を持つブルル。 大学を出てからの肉体労働は初めてで、今までの仕事とは環境も、周りの人たちも雲泥の差が有る。 Retailは、社会の掃き溜めのような所が有る、と前にも言った事が有ると思う。 大学生のバイトから、何人もの父親の違う子供を一人で育てているシングルマザー、 景気の悪いミシガンの自動車・家具産業から流れてきた人、 年取ったレズビアン・・・。本当に色々だ。 そして、みんな、喋る、喋る。 セクハラ事件をでっち上げた女子社員や、不倫騒動で首が危なくなった人、 その辺のリアリティー・TVよりも過激な話を毎日お土産にブルルは帰ってくる。 ブルル達マネージャーの仕事内容の半分は、そういったトンでもない従業員をコントロールすることである。 話を聞いていて、「そんな人がなんでクビにならないの?」と言いたくなるが、 それはストア・マネージャーの判断なので、ブルルに言っても仕方が無い。 それにしても、アメリカ人の勤務態度の最悪な一面をもろに見せられて、 日本でも5年ほどオフィスで働いた事の有るブルルは今更懐かしいようだ。 日本で遅刻が続いたらクビ、なんて例えばそういう当然の事が出来ない人が、掃き溜めの販売業に集まる。 若しクビになっても、全米にお店は数限りなく有るのでへっちゃらである。 やっと、わたしが文句を言っていた意味が解った?と言うと、 解ったよ~、本当に今までは軽く見ていてごめん!って。 よろしいよろしい。 それにしても、やる気のないアメリカ人達。 それに彼が同化する事は決して無い。 しかし、それを見ても彼が何も思わなくなるのが先か、 景気が回復して元の業界に戻る事を考えるのが先か、わたしには解らない。 ブルルの好きなようにしたらいいと思う。 来年にはボーナスが出るのでそれを待って、 また何処かへ引っ越すのならそれでもいいし、 収入が減るのなら、家族が出来るまでわたしがまた働いたっていい。 今夜も遅い彼を待ちながら、そんな事を思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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