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カテゴリ:成長株投資
自分は、中小型株のファンドマネージャーのレオスの藤野氏を敬愛しているのですが(「トップファンドマネージャーの負けない株の黄金則」はベンチャーの投資をする上での考え方として参考になります)、他の中小型のファンドマネージャーが本を出していることに最近気づきました。
太田忠氏です。 以前はジャーディン・フレミング証券で中小型担当アナリストをして、アナリストランキングがトップだったんですが、2003年よりJPモルガン・アセット・マネジメントでファンドマネージャーをしています。 その方が、日経文庫で「とっておき中小型投資のすすめ」をだしています。 自分が特に面白いと思ったのは、「第3章 成長力を見極める」です。 ここでは、中小型株に分類される企業の業績をパターン化していますが、そのパターン化が個人的には興味深いものでした。それぞれのパターンについて具体的な銘柄の名前を挙げて説明しています。 (1)純粋成長株 (業界自体が大きく成長していて、その業界の成長を上回って成長している企業) (2)抜け駆け型成長株 (業界自体は伸びていないか衰退しているが、強烈な差別化をして伸びている企業) (3)景気循環型企業 (景気回復時の業績変化率が通常の成長株の変化率よりも大きい企業) (4)敗者復活型企業 (市場で期待を集めて失敗したが、目を見張る回復振りをしめしている企業) (5)夢の要素をもつ、業績予想不能型企業 (ネットなどの新たなビジネスを次々立ち上げている企業(注;文庫本の元になった本はITバブルのさなか、2000年1月に発行された)) それぞれのパターンを見ると、皆さんが知っている銘柄がどこに当てはまるのか、思い浮かぶだろうと思います。 このパターン化のあとに、事業性を定性的に判断するために、「何が差別化となっているのか」について記述されていますが、その差別化をしていると判断する規準としては当たり前のことが記述されていると思いますが、具体的な例に裏づけされていて大変興味深いです。とくに、「事業そのものの不利・有利」についての記述は、株式投資という観点だけではなく、処世という観点からも興味深いと思います。 それ以外の章でも、「思い込みは排除せよ」とか「投資家にとっては、銘柄の明日以降を見ていくことが重要だ」などのメッセージは含蓄深いものがあるかと思います。 藤野氏の書籍もそうですが、こちらの太田氏の本も、株式投資をこよなく愛している思いが伝わってきて、個人投資家として素直に共感できるものがあります。 PS:明日から週末にかけて国内旅行を楽しんでくるので、その間ブログはお休みします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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