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テーマ:フラメンコ徒然日記(964)
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今日から待ちに待った休暇である。相も変わらずヘレスに一週間フラメンコの集中コースを受けに行く。
あれだけ待ち望んだ休みだったはずなのに、休暇前日のおとといまで、夏休み開始までのカウントダウンを楽しむどころかここ3週間ほど連日10時まで残業が続いていて、くだらない仕事のせいでレギュラーのクラスに行く事さえままならない状態。先週は「あ、頭の中の太い方の血管が切れるぞ」と自覚した瞬間が数回あった程だ。 昨日の土曜日もパッキングどころか仕事の事がぐるぐる頭を巡り、何をする気にもなれずぐったり寝込む有様。ああ、情けない。こんな私であってはいけない。が、うっかり気を許すと、「もしかしたらスペインなんか行かないで一週間家で休んでた方がいいかも」なんてネガティブな思いに囚われてしまう。 今朝も、悲壮な義務感に後押しをされ、早起きして大慌てで旅行の準備を始める。 空港に向かって車をとばし始めてやっと人心地がつく。「一週間、踊る事と、食べる事と、買い物以外はしないぞ」という固い決意の元ヘレス行きの飛行機を待っていると、ダブリン時代の(フラメンコの)クラスメート、ジョイスが向こうからやって来るのが見えた。 ジョイスとはここ数年来の知り合いだが、こうしてゆっくり話すのは久し振り。聞くと彼女も、昨日はパフォーマンスでウォータ-フォードに行き深夜に帰宅したと思ったら、飼っている16歳の犬が朝の5時から粗相をしてしまい、出発直前まで布団の洗濯が大変だったとか。そうよねえ、自分の生活がある限り、楽々ホリデーに出かけられる人はむしろ少ないのかもしれない。 ジョイスは今でもダブリン在住だが、ロンドンの劇場にフラメンコのショーを見に来たりイースターの集中コースに参加したりと、彼女とロンドンで顔を合わせる機会は多い。 私が住んでいた頃のダブリンでは、セビリア出身のエスペランサ先生とアメリカ人のアナ先生の二人がそれぞれフラメンコのクラスをやっていて、狭くて小さいながらもフラメンコはそれなりに盛んだったのだが、アナ先生が2年前にアメリカに帰国。エスペランサ先生も3年の予定でカナダに旅立っていったらしく、今ダブリンでフラメンコを教えているのはジョイスただ一人。ロンドンで顔を合わせる度に「自分ひとりでやっていくのは寂しい」、「自分に教えてくれるレベルの人がいない」、「新しい教材を探すのが難しい」と、やはり競合する先生もいない中、一人で生徒達を背負っていくのはかなり大変なようだ。 気に入ったダンサーがロンドンに来た際には必ずはるばるダブリンから見に来ているし、今回のようにスペインで講習があれば受けに行く。また、教授活動のスキルを得る為にビギナークラスの見学も欠かさない等、いやはや教えるというのもお金がかかるもののようである。 歩くより先に踊り始めていたという、あらゆるダンスをこなすジョイスが惜しげもなく語ってくれる体作りの話などを聞いているうちに、飛行機はあっという間にヘレスに到着。あまり新鮮さはないが、ここでしか吸収できない事にたくさん触れていきたい。 去年は日中46度という中東並みの猛暑で大層な覚悟をして出て来たが、聞くと今年は36-7度程度で推移しているらしい。これなら生きて行けそうだ。明日からのクラスについて行けるか若干不安であるが、やっとリラックスしてきた。よし、頑張ろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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