マツモトヨーコの海豚亭通信

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• 中野散歩、ころもがえ

  整体に行った帰り、中野で途中下車してちょっと寄り道した。中野といえば、もともと漫画家がたくさん住んでいたこともあって、まんだらけのようなマンガ書店やフィギュアの店など、オタク度の高い街。もちろん中野サンプラザ（サンプラザ中野ではない）も有名なランドマークだが、なんといってもオタクの聖地のような中野ブロードウェイと駅からまっすぐブロードウェイにむかって続く参道のようなサンモールというアーケードが中心である。はじめて中野に行った時、あまりにオタクっぽかったので、興味が持てず、近隣ながら、ほとんど足を踏み入れたことがなかった。でもごはん食べるところが多そうなので、降りてみた。サンモールと並行してつづく細い通りは食べ物屋だらけ。やたらとラーメン屋と中華屋が多い。有名なラーメン青葉もある。関西人の私からすると、こんなにラーメン屋ばっかり作ってどうするねん、と思うが、それぞれに特色がちがっていて、それぞれのごひいきさんがいるのだろう。ひさしぶりにブロードウェイの中にはいってみたが、タイのバンコックを思い出した。バンコックの中心街に、小さい同じような店がひしめいている土産物屋コンプレックスみたいなビルがあるのだが、こっちも安物ふうな靴が店内でなだれをおこしそうになってる店や、キャバクラ嬢の着ていそうなチープな服屋など、品揃えが東南アジアぽいのだ。そういえば中野や東中野は外人（主に東南アジア系）の在住率も高い。探検しがいがありそうである。ところで今日はころもがえ。政府の肝煎り「クールビズ」運動で、ノーネクタイ、ノー上着のススメがはじまったけど、小泉総理のかっこ、なんかなあ～、沖縄のかりゆしウェアだっていうけど、あまりにもくだけすぎてない？縁側でくつろいでるかんじのかっこだなーあれは。額面通りネクタイと上着は取るんならなんでもオッケーというのではなく、あくまでセンスよくやってほしい。いくらなんでもそこらのリタイアしたおやじとはちがうんだから。

  2005/06/01

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• 灯を選ぶ

  きのう照明器具を買いに行った。フロアスタンドを探しにである。私は電化製品を見るのも買うのも好きだが、とくに照明器具に関しては、ずっと見てても飽きないくらい好きである。照明器具というより、ろうそくなども含めて「灯り」が好きだ。夜、電車などに乗っていると、高架になった高いところから、住宅にそれぞれ灯りがついているのが見える。あの灯りのひとつひとつの下にそれぞれの暮らしがあるとおもうと、（そのそれぞれが幸せかどうかは別として）あったかいものに見える。「灯 」は「火」といっしょで、生命が存在する目印のようなものかもしれない。ところでそういうポエティックな話でなくとも、インテリアの重要な要素としても照明器具は大切にしたい。去年今のうちに引っ越して来たときも、他のなによりも照明に予算をさいた。（といってもそんなにたいした額ではないが）私は蛍光灯のしらじらしい光が大嫌いだ。２０歳のときから今に至るまで、蛍光灯は一度だけ、仕事場の照明にしかたなく使っていた以外は、全部白熱灯を使用してきた。日本人は部屋が暗いのがきらいな人が多い。外国のホテルなどの間接照明は、暗すぎると感じる人も多いとおもう。蛍光灯は、明るく、経費的にも節約できるので、利用している人が多い。最近では白熱灯色の蛍光灯もあるので、そっちを使っている家も多いかもしれない。でも経験的に思うが、蛍光灯は明るいけど、とにかくなにもかも白日の元に照らしてしまうので、壁の汚れやら、しみみたいなものまで容赦なく見せてしまう。これが白熱灯だと、そういう汚れみたいなものは、うまーく沈んでくれるので、アラが目立たないのである。それが証拠に、何年も住んだ借家なんかで、借りている間はずっと白熱灯で過ごしてきたものの、引っ越しを前にして、元からついていた蛍光灯の照明器具なんかにもどして見ると、ひゃあ～こんなに汚かったのか～！！とおもうくらい現実を目のあたりにしてしまう。だからこそ、蛍光灯はたとえば女性の顔のしみも、壁同様、はっきりと見せてくれるのだ。白熱灯はそのあたり、うまくかくしてくれて、しかもムードが出る。どんなにインテリアに労力やお金をかけても、照明ひとつで台なしになる場合も逆になる場合もある。引っ越してきたときは、メインの照明だけで手いっぱいだった。リビングのテーブルの上には、ルイス・ポールセンのウェアハウスていう名前のペンダントライトを３灯長めに吊るしてある。昨日は迷いに迷って、結局フロスのフィリップ・スタルクデザインのフロアスタンドにした。昔のスタンドみたいな傘がついているのだけど、デザインはモダンみたいなやつである。とんがりすぎないデザインなので、他の照明器具とも相性がよさそうである。うちにやってくるののが楽しみだ。

  2005/05/30

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• 覆面パトカー

  今日、駅へいく途中、住宅街をゆっくり走る覆面パトカーを見た。白い普通のセダンだが、天井に例の赤色灯をくっつけている。中には男性がひとりだけが乗っていた。最近１、２度赤色灯をつけた覆面パトカーが近所をゆっくり走っているのを見た。たぶん同じ車だとおもうのだが、なんか変。覆面パトカーというと、ドラマの見過ぎかもしれないが、ふつうの車に見えてたのが、急に犯人を追跡したり、現場に急行したりするために、例の赤色灯をぱかっと天井に磁石でつけて、サイレンもならして猛スピードで駆け抜けて行くもんじゃないのかな？つまり緊急配備の際に出動するもんだと信じているのだが、ここのところうちの近所で見るやつは、えらくのんびりしている。でも赤色灯はついていて、くるくる回っているのだ。パトロールするだけの任務もあるのかな。ところで、たしかイタリアのローマだったとおもうが、ご当地の覆面パトカー急発進の場面に遭遇したことがある。やっぱり普通のセダンで、日本なら磁石式の赤色灯をぱかっと助手席とかから手を伸ばして天井に装着するところなのだが、 なんと◯印のついたプラカードを助手席から外にかかげて急発進！テレビ番組なんかで、◯×二択のクイズなんかにタレントが答えるために持っているような棒のついたまさにプラカードである。なんとなくマヌケなかんじであった。警察といえば実は、大学卒業してすぐのころ、消化器詐欺に遭って、警察まで被害届を出しに行ったことがある。今の私では考えられないが、間が悪くてまんまとダマされてしまったのだった。派出所ではなく、警察署に行ったのははじめてだったので、いろいろもの珍しくきょろきょろしてしまった。刑事さんたちは、やっぱり目つきが悪く、ぶかぶかの背広にくたびれた開襟シャツなどを着ていて、ドラマなんかで見るベテラン刑事のイメージそのもの。奥の取調室では、だれかが取り調べられていたが、常習なのか、慣れたかんじの物言いをしていて、おまけに刑事さんに「昼はどうすんだ、カツドンでも食うか」と言われていて、ドラマそのものやん！！と変な感動をおぼえたもんであった。

  2005/05/27

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• アイデアの素はどこにでもあるウソとホントの話

  「散歩の達人」という東京ローカル情報誌がある。この雑誌毎月、東京とその周辺の街や地域にフォーカスしたマニアックな雑誌で、目のつけどころもユニークで他の情報誌とは違っていておもしろい。６月号は「鎌倉、江の電」特集。その巻頭記事に、鎌倉の大仏さんが出ているのだ大仏さんのあのパンチパーマのようなヘアスタイル、たしか螺髪というんであったが、なんとあれこそが「タコヤキ」の誕生に関係あるらしいのだ。その誕生秘話とは．．．ある大阪出身の元ヤクザは、露天で粉もの商売をしていたが、行き詰まっていた。そのとき、たまたま鎌倉大仏をお参りし、大仏の中に入る胎内めぐりをしたところ、中から見る大仏さんの頭は、あのパンチ状のぶつぶつが裏返って、丸く窪んでいた。それを見た彼は、あんな窪みをつこたら、おもろい食べもんができるんちゃうか？！とひらめいたというのだ。そして彼は苦労の末、故郷明石のたこを使ってタコヤキを完成させた．．．とういうのは真っ赤なウソ！！これは「眉つば散歩パズル」という、インチキなコラムなのだが、実は私もそうとは知らず、本文だけ読んで、へえーっそやったんかー！！なんてダマされていた。というのは、以前にテレビで、同じような話をやってたからなのだ。ある工場の主任さんがいた。その工場では、生のイカを加工する作業をしていた。その頃この作業を完全に機械化する過程にあったのだが、なかなか完成しない。生のイカは、べろべろしていて、皮をむくのがうまくいかないのだ。悩んでいた主任さん、あるときスペインはバルセロナを旅行した。有名なガウディのサグラダファミリア教会を訪れ、その建物を見た彼は、ピーンときた。サグラダファミリアの、天をつくような尖塔を見て、イカの皮むきをうまくやる方法を思いついたのである。尖塔のように突き出た２本の棒を中にさしいれて、イカの胴をぴんと内側から張ることを考えたのだ。こうすると、べろべろのイカがしゃきーんと伸びて、皮むきがスムースにいくのである。ほお～アイデアマンちゅうのは、何からでも発想するんやなあーと感心した思い出があるので、すっかり大仏タコヤキにだまされてしまったのであった。ちなみにイカの皮むき器とガウディの話はホントです。

  2005/05/21

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• 外メシ

  今日の東京は、やや風が強かったものの、湿度が低いさわやかな五月晴れであった。うちのマンションの前は、小さい公園なのだが、武蔵野のおもかげというんでしょうか、昔からの雑木林をそのまま公園にしたような風情で、なかなかよいのである。近所の幼稚園のこどもたちが先生に連れられて、遊びに来ていることもあるが、サラリーマンやタクシーの運転手さんがよく休憩しているのも見る。常連でよく来ているのは、太極拳をするおじさんと、津軽三味線を練習する若い男の人である。あまりに目の前なので、わざわざ行くということはほとんどないのだが、今日はあまりに気持ちのいい天気で、家の中にいるのがもったいないくらいなので、お昼ごはんは、弁当にして、公園で食べることにした。ほんとはあんまりくつろいでるような時間はないのだが、なんだかいっつもせかせかせかせかしているのもいやだなーとおもい、お昼ごはんをインドのアルミ製の三段重ねの弁当箱（金具でぱちんと留めるやつ）につめて、水筒にほうじ茶をつめて持ってでかけた。公園にはベンチもあるので、そこでハトにかこまれつつお昼のお弁当を食べた。デザートは、初物のアメリカンチェリーと、きのう和菓子職人の友達が持って来てくれた栗まんじゅう。外で食べるごはん。なんでもないものでもおいしく感じる。今年の夏は、猛暑になるのか冷夏になるのかわからないけど、今のようないい季節はできるだけ外で過ごしたいものである。

  2005/05/16

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• 夢の中で

  きのうLEONの編集長の話題を書いたら、そのせいか今朝の明け方、私がなぜかLEONの編集会議に出て、必死で編集長に特集の説明をしている夢を見てしまった。なぜか最近必死になってる夢をよく見る。たとえば夢の中で、私は知り合いから仕事場として、ボロい家を借りているのだが、家賃を払うのをすっかり忘れていて、よく考えるとかなりたまっている。それにはたと気がついて、どうしよどうしよーと頭をかかえていたり、どこかで学生に指導しているのだが、その学生がちっとも理解しようとしないので、必死になってわからそうとしている、などなど。特に今、締めきりが迫っているとか、せっぱつまってることがあるという状況でもなく、思い当たるふしもないのだが、深層心理になにかあるのだろうか？私が必死になっている夢を見るいちばんポピュラーなパターンとしては、クルーズの仕事が近づいているときに、船や飛行機に乗り遅れそうになるというものである。船に乗る時間が近づいているのに、ふと気付くと、なんにも荷造りできていないとか、飛行機で外国に行って、そこの港から船に乗ることになっているのに、その飛行機に乗り遅れそうになっているとかで、ものすごく焦る夢である。毎回決まって見るので、よっぽど緊張しているのかもしれない。昔、夢日記をつけていたこともある。起きてすぐ思い出してまくらもとに置いたノートにメモする。起きて顔でも洗ったりすると、すでに忘れていることも多いので、なにしろすぐ書くようにしていた。なんでこんなストーリーになるの？　と思うくらい奇想天外でおもしろいし、私の場合は、現実では見られないとか、シラフの想像力では考え付かないというようなビジョンを見ることもけっこうあって、そういうものを作品にしたりしたこともあった。夢はおもしろいが、あまり必死になってるのは、寝ながらも疲れるので、もうけっこうだけど。

  2005/05/09

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• 緑のある生活

  新緑の季節である。たぶん一年中でいちばんいい時期だ。暑くもなく寒くもなく、さわやかで、木々の新緑も目にあざやかだ。こういう季節の日曜日は、家でじっとしているのがもったいない。自転車で井の頭公園あたりまで走って行った。あっちこっちでいろんなタイプの若いミュージシャンたちが、公園内で路上ライブをして観客を集めている。お弁当を食べている人や、絵を描いている人など、のんびりして平和なムードである。ところでうちのマンションの狭いベランダでは、ガーデニングもままならないので、ほとんどあきらめているのだが、手すりにかける方式の鉢置きを買ったので、観葉植物などの、あまり手のかからない小さい鉢でも買ってこようとおもっている。私は、船に乗ったりして長期で留守したりすることもあるのだが、そういうときに、あまりたくさん植物を育てていると困る。植物もペットと一緒で、ほったらかしはかわいそうだし、枯らしてしまうと悲しい。以前、そういうのにうってつけの便利なものを見つけた。＆Ａというインテリアショ?のアフタヌーンティー系列の、ガーデニンググッズを扱うお店で売っていたのだが、長期間水やりできないときに、鉢うえの植物の根元に緑色のジェル状のモノを置いておくと、１ヶ月くらい水やりしないでも鉢の水分が保たれるというすごいものなのである。ほんとに重宝してたんだが、＆Ａじたいが、もうなくなったのか、ガーデニンググッズを扱わなくなったかみたいで、他にもありそうな東急ハンズみたいなところへいっても類似品はあるのだが、同じものが見つからない。ネットで調べてみても、陶器のいれものの先が細くなってて、水がすこしずつ落ちるというようなしかけのものがほとんどで、あれだとそんなに長期はやっぱり無理。まずいことに商品名を忘れてしまったんで、調べようがないのだ。外国製だったような気がする。カップヌードルのようなかたちのプラスチックの容器に入っていたとおもう。中身は透明な緑色のジェル。それを小分けにして使う。誰か知りませんか？

  2005/05/01

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• にっぽん丸航海記２

  さて、３月２２日夕横浜港出港、東京湾を出るとかなり揺れ始めた。 夜中ずうっと大揺れで、船体を波が打つ音がドッカーンドッカーンと鳴り続けていて、 眠れたもんではない。 まる２日間大揺れで、２日目に予定されていた避難訓練は翌日に延期となった。 いろんな海域を旅したが、いちばん揺れるのが日本の近海なのである。 海流が複雑にぶつかりあっているせいらしいが、たとえば１００日間世界一周なんか に初めて乗ったとして、初日にいきなり大揺れしたりしたら、先がおもいやられるに ちがいない。 あまりに揺れると、ベッドのうえで転がったりして安眠できないが、ちょっとの揺れ だと、ゆりかごに乗せられているようで、かえって眠くなる。 どっちにしろ揺れない平穏な海が快適であるにはちがいない。 硫黄島あたりでザトウクジラの群れに遭遇する。 クジラやイルカが出ると、船長や航海士が船内放送で知らせてくれるので、あわてて デッキに出てもそのときにはすでに見えなくなっていることも多いが、今回はザトウ クジラがジャンプするのを目撃できた。 出港して翌々日から私の教室が始まる。 朝９時から１時間半なのだが、朝は苦手なので、つらいな～とおもってたところ、 あるお客さんが、社交ダンス教室と私の教室とどちらにも出たいのに、時間がかぶっ てるので替えてくれとクレームつけてくれたおかげで、午後からに替わった。 ラッキー。このお客さん北九州から来たＹさんは、その後私の教室皆勤であった。 ずっと航海する日には教室が開かれる。 ２６日早朝にはサイパン入港。 去年もクルーズで来て、そのとき地元の人におしえてもらったうまい焼肉屋（むーみ ん村、DFSの裏）に、落語家、マジシャンらと行き、もりもり食べた。 お客さんとちがって、乗組員食堂のいわばまかない料理を毎日食べてる私たちは、焼 きながら食べるというのがことのほかおいしく感じる。 その日の夕方にはもうサイパン出港。 多くの人が「バンザイ」を叫びながら、そこから海に飛び込んだといわれる「バンザ イクリフ」をまわって行く。汽笛にあわせてしばし黙とうする。 今航は、硫黄島にはじまりサイパンやラバウルなど戦跡を通過するので、年輩のお客 さんにとってはただただ陽気な南の島というだけのコースではない。 ある日、海の上で慰霊祭がおこなわれた。 不思議なことに、準備中にマイクテストをしたところまったく問題なかったのに、慰 霊祭が始まったとたん、マイクがおかしくなったのだ。 終わったとたん、何ごともなかったかのように正常に戻ったという。 船の中ではいろいろ不思議ばなしも多く、霊感の強いエンターテイナーなどは、慰霊 祭があると身体に不調が出るらしいから、なんか関係あるんかも？ 次の寄港地ニューカレドニアのヌーメアまで丸６日間ずっと航海である。 ２８日夜、赤道通過。 赤道を何時何分に通過するか、という応募方式のクイズをする。 いちばん近かったお客さんには賞品が贈られる。 赤道付近は、赤道無風帯といって、おだやかなことが多いのに、今回は揺れた。 出航してから揺れている日のほうが多い。 さてこの先は？ つづく

  2005/04/11

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• 船が出るぞ～

  九州でも大地震。ほんとに日本列島どこでも大きな地震は起こりうるということを 身を持って感じさせられるようなこの１年である。 ますます東海地震がいつ来るのか恐ろしくなる。 ところで私は明日からにっぽん丸オセアニアエクセレントクルーズというやつに乗船 する予定。 にっぽん丸は本日神戸港を出港していて、明日の午後横浜入港、そこで乗り込んで、 南へむけて出航だ。 クルーズ自体は、南太平洋を、サイパン、ニューカレドニアに寄りつつ、ニュージー ランド、タスマニア、オーストラリアを周遊して、最後にパラオに寄って４３日間か けて日本に戻ってくるというコース。 私は、ニュージーランドのウェリントンで下船して（ここまで１８日間）、帰りは飛 行機で帰って来る。 もちろん仕事で行くんだけど、内容は、一日中海の上を走る航海日にお客さん相手の 水彩画や版画の教室をするという講師の仕事である。 教室はまったくの自由参加で、自前の道具も不要（すべてこちらで用意して行く）な ので、まったく経験のない方も多く、できるだけ短時間で、ちょっとがんばれば誰に でもできるようなメニューを考えてある。 たとえば、白いＴシャツに染料絵の具で、絵を描いて、オリジナルのＴシャツを作っ たり、ゴム版を彫って、スタンプパッドで色をつけて刷って、ハガキを作るとか、そ ういうものである。 すべてサンプルになるようなものを準備してあるので、オリジナリティに自信のない 人も、とにかくやればできるという教室である。 うまくできあがって自作のＴシャツを自慢げに、船内で着て歩いているお客さんを見 るのは講師としてもうれしい。 ウェリントンまでは、ほとんどが航海日なんで、あまり遊んでるヒマはないかもしれ ない。 でもなんといっても花粉症としばしのお別れなのがうれしい。 海の上からはメールの送信もできるんだけど、インマルサット（衛星回線）を利用す るので、つなぎ料がめちゃ高い。 その他いろいろな都合により、今回はパソコンは持って行かないことにしたので、残 念ながら日記は、また帰ってからということに。 ４月９日以降に船旅の事後報告ってことで、行って来ます。 クルーズ、にっぽん丸に興味ある方は、にっぽん丸のサイトに行ってみて下さい。 現在進行中のクルーズのリポートや、ブリッジカメラ（操舵室についてるカメラ）の 写真なども毎日アップされてます。 http://www.mopas.co.jp/

  2005/03/21

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• 海賊現る

  マラッカ海峡で、日本のタグボートが海賊に襲われて、日本人船長、機関長、フィリピン人３等機関士の３人が拉致されたというニュースが昨日の夜から報道されている。拉致ってことは、人間だけ身代金目的で連れて行ったってことか。前は、高価な鋼材などの積み荷目的で、船ごと奪取というケースが多かったと思うが。海賊なんて、ピーターパンのなかの世界で、しましまのシャツに、おきまりの眼帯、頭にはバンダナ（ひょっこりひょうたん島、＜古～＞にもそういう典型的な海賊が出てた）ていいうイメージがあって、過去のもの、または空想の世界の話みたいにおもうけど、まだまだ現役である。私は船乗りではないけど、年に一度は客船にっぽん丸に、絵画教室講師として乗船するので、この話題はあまり他人事ではない。何度かアジア方面へのクルーズで、マラッカ海峡は通過しているけど、やっぱり最重要警戒地域みたいだ。客船は、一般に船足が速いし、貨物船とくらべて人間がたっくさん乗ってるせいか、あまり標的にはならないというけれど、拉致目的ならわからない。毎回、この海峡付近を通過するさいは、「戸締まりをきっちりします」とか言ってるけど、船の戸締まりとゆうてもなあ。せいぜいデッキに出る扉を夜間は施錠して、いつもよりナイトウオッチを厳重にしてるくらいなんだろうか。そういや厳重警戒中の夜中に、なんとなく船室の窓から外を見てたら、外のデッキを巡回中のフィリピンクルーと目が合って、海賊！！と勘違いして、ギョッとしたというスタッフもいた。とはいえ、クルーズ中は、そういう心配はクルーにお任せしっぱなしで、余興で、まるで典型的な海賊に扮して、しましまシャツにバンダナ姿で踊ったりもしている私である。しかしともあれ今回の被害者の３人の方が、なんとか無事に早く解放されることを祈っている。

  2005/03/15

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• 今日のいろいろ

  朝、新聞開いてびっくり。きのう日記に書いた例の珍妙なセンスの予備校が、全面広告を出してるではないか！！東京の中央線沿線にいくつかある予備校なので、たぶん関東圏以外ではこの広告は出てないとおもうが、「ヤマトタケル」も「合格してくれおパトラ」も「縄文太郎」もちゃんと出ていた。実は「縄文太郎」こそが、この予備校のメインキャラクターらしい。朝は遅く起きたので、ブランチってことで、ホットケーキを焼いて食べた。しかも夜は、エスニック系の味を欲してたので、チヂミと、ライスヌードルとやさいを炒めナンプラーなどで味付けしたのを作って食べた。おもいっきり粉もの食の一日であった。こないだのカミラ＆チャールズの結婚のニュースは、ブログ上だけではなく、とくに負け犬系の人々の関心をよんでいる。ダイアナ側に立ってみると、こないだ私が書いたように、『私はいったいなんだったの！？』と言いたくなるようなひどい話だとおもうし、なんで、あんなカスカスしたやぼったいおばはんのどこがええの！？（ダイアナよりも）、ということになるんだけど、一方のカミラ側に立ってみると、ダイアナの若さと美貌よりもカミラの人格をとった！チャールズは、見た目に惑わされなかったってことになる。こういうことは立場変われば１８０度評価も変わるので、やっぱりどっちが悪いとかという問題ではないってことか。

  2005/02/13

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• もの持ちのいい私

  きのう長年使ってきた洋皿が割れた。かわいげがないくらい丈夫で、何してもわれなさそうなだったし、とくに何かに当てたふしもないのに、洗いおけにつけておいたら知らない間に割れていた。なんの変哲もないブルーの線がまわりについてる皿で、大学１年のころ、はじめて一人暮らしをする時に、家の近所のダイエーで買ったものである。なんと四半世紀ものあいだ、生活をともにした道具である。私の持ち物の中には、私のうちで骨董品になったような古い道具類がまだまだある。やっぱり２５、６年前に買った３合炊きの電気炊飯器なんかは、すばらしくレトロで、「昭和の家電」なんていう展覧会でもあれば出品させてほしいようなものである。でもまだバリバリ現役で、毎日のようにごはんを炊いている。ほんとは、あまりおいしく炊けてないような気がするのだが、ここまでなってくると、愛着がありすぎて、壊れでもしないかぎり捨てられない。それよりさらに古い子供時代のものもまだある。にせもののディズニーっぽい子供用のマグカップや、ブーフーウーのアルミの弁当箱。ポッコちゃんというなぞの動物？キャラクターのスプーンも、毎日ヨーグルトを食べるために使っている。もっとも古いものは、小学校に入学するときに、買ってもらった「クマゴロー」（いちおうそういうキャラクターがあった）のセルロイドのふでばこ。さすがに割れて、ぼろぼろになってるが、やっぱり捨てられない。新しいものでも、執着もなく、けっこうあっさり捨てたりするのに、なぜかどこかしら愛着を感じて捨てられないものもある。値段は関係ない。すぐ捨てるようなものは買わないで、一生を共にするような道具にかこまれて暮らしたいものだ。

  2005/02/02

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• タイムスリップグリコ

  先日、北海道みやげということで、タイムスリップグリコ思い出のマガジンシリーズをもらった。全国に先駆けての北海道での発売ということらしい。私がもらったのからは、ミニチュアの１９７２年７月号の平凡が出てきた。その時代ならば、私なんかはいちばんよくこの平凡とか明星とか見ていた年頃である。大きさは手のひらにのるサイズ。最初、適当にそれらしくしただけなのかと思っていたら、ほとんどそっくりそのままの縮刷版である。ところどころ、タイムスリップグリコの広告ページがあるのは、たぶん当時の企業の関係で、再現できなかったのだろうが、ペン習字の通信教育（ありましたな～）や、十仁病院整形外科、若者の読む雑誌らしく、身長を伸ばす方法や、にきびの薬の広告なども、実際にあったものがそのまま再現されている。表紙は、今や見るかげもない天地真理とジュリーこと沢田研二。グラビアには、真理ちゃんとともに大人気だった南沙織や小柳ルミ子。（余談ですが、今日久々に、テレビに小柳ルミ子が出ていたが、妙につっぱらかった顔になっていた。さては、お直しか？）ゴールデンハーフや、なぜかプールサイドであぐらをかくダニエルビダル（フレンチポップスの女の子で、歯磨きのCMにでていた）。札幌オリンピックのフィギュアスケートの「妖精」ジャネットリンもでていた。読み物ページでは、いまや宇多田ママとしてのほうが有名な藤圭子と、その当時のだんなの前川清がツーショットだし、吉田拓朗はマスコミ嫌いの変わり種とか書かれているし、元国会議員で青春の巨匠、森田健作も大フィーチャーされている。そして、平凡といえばお決まりのふろく、ソングブックまでちゃ～んとついてるのだ！表紙には、その森田健作元国会議員が上半身はだかでがんばってます。ものすごくなつかしかったのが、このソングブックのうら表紙は、そういやよく目にしていたナスシソイエペスの写真入りの、ギターの通信教育の広告であった。きっと見覚えある人も多いはずである。ものすごくなつかしいこの思い出マガジンなんだけど、悲しいかなあまりに小さくて、文字が読めない！！これをいちばんなつかしく思えるおっさん、おばはんは、かなりの率で、老眼にやられているにちがいない（かく言う私も）ので、いいのが出てきても読めないはがゆさで、悔しいおもいをするのである。つくづく年はとりたないのう。

  2004/12/22

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• 電話でわかること

  年末の間に、長野の松本へ小旅行に行こうとおもう。松本には、センスのいい作家ものの器やクラフトの店がたくさんあるので、それを見に行きがてらのちょっとした遠足だ。年末なので、休業や、営業時間の変更などあるかもしれないので、行ってみたい店いくつかに電話で問い合わせてみた。それらのお店のいずれもが、とても親切で感じのいい対応だった。実は、この一月まえくらいに出た雑誌を見ての問い合わせだったので、きっと他にもいつもより多くの問い合わせがあったことは、想像にかたくないのだが、とてもていねいで、愛想がいいのだ。東京のお店で問い合わせた時などによくある、バイトさんだとおもうのだが、ていねいではあるが、ぜんぜんココロのこもってない、マニュアル的対応とはまったくちがう、感じのよさである。あるお店では、あまりに親しみやすいかんじだったので、ほんとは観光協会に聞こうとおもっていた気温や、雪がどのくらい降ってるのかなども、質問したら、それに関しても、ていねいに答えてくれた。また別のお店も、休業日を聞いたら、「店のところに住んでいますので、閉まっていても、よんでもらえば出ます。」と、ほのぼのしたお答えであった。たったそれだけのことなんだけど、顔の見えないまったく初めての相手とのやりとりでも、見えるものは多い。松本の何軒かのお店の人との電話のやりとりだけで、松本の街のいいかんじみたいなことがすでにわかったような気がして、最近、なんとなく殺伐とした日々を送っていた私は、気分よくなったのであった。

  2004/12/20

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• よくは知らんけどちょっとサッカー関係の話

  こないだ日本代表とドイツ代表のサッカーの試合やっていた。試合はちゃんと見なかったのだが、試合前の国歌独唱、堀内孝雄、どうしたんやっ！？歌い始めを聴いて、えっ、そんな高いキーで歌えんの？　と心配になったのだが、案の定、とちゅうで、のど切れそうなかんじでやけくそ状態で歌っていた。「君が代」って、だんだんあがっていくからなーもう途中でぶったぎれたり、勝手にアレンジ入れたり、酔っぱらいが歌ってるようなことになっていしまい、さんざんであった。プロでもああいう場で、国歌を歌うというのは緊張もするんだろうし、たまには失敗もあるやろし、気の毒ではあるが、ちょっとびっくり。日本代表とは別の話で、最近話題になってたのが、ザスパ草津というチーム。たしかやっとＪ２昇格が決まったかなんか、そんな下のほうのチームなのだが、こないだ横浜マリノスに勝った、というので地元は大喜びというニュースだ。もともとＪリーグでプレーしてたベテラン選手もいるようだけど、大半が、地元、草津温泉のホテルや旅館で働きながら練習しているらしい。ってことは、知らんかったのだが、ザスパのスパって温泉のスパなのか？まあ、そういったチームなので、以前からもよく話題にはされていたが、今回も、主力選手が働く旅館の女将さんに、インタビューに行ったりもしていて、「ほんとにもう息子か弟ががんばっているみたいで、うれしいです」などと、涙ぐんでたりして、文字どおり、地元に根付いたチームだなあとおもった。中央線の駅にも、草津温泉とザスパの選手たちのポスターが貼ってあって、温泉草津をアピールしている。女子サッカーなんかもよく似た状況のようだが、そりゃー選手としては、サッカー一本に集中して、それで食べて行きたいだろうし、それが理想だけど、職場の同僚がヒーローなんていう草サッカー的なのもええなあとおもったしだいである。

  2004/12/18

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• あるある

  日曜日の夜は、８時から「ジャンクスポーツ」を見るので、そのままのチャンネルにしていると、自動的に「あるある」を見てしまう。これが、毎度、えっほんまに！？っと、つい見入ってしまうことをやっている。毎回毎回、「小顔になる方法」だとか、「下半身太りに効く」だとか、聞き流せないような情報を、ええとこついて、というか、人の弱味をついたような特集ばっかりするので、ついつい見ることになるのだ。今回は、「老化防止の決定版！性ホルモン強化でシミシワ＆肥満更年期も改善」、とくりゃあ見んわけにいかんでしょーが。男性女性それぞれの性ホルモンが減退すると、実年齢よりも老けて見えるだけでなく、疲れやすくなったり太ったり、とありとあらゆるイヤなことがおきてくるらしい。「性ホルモン貧乏度チェック」では、私も思い当たることが複数あって、どうやら性ホルモン貧乏疑惑が濃厚になった。最近、ちょっと手抜きすると、すぐお肌が荒れる、とか太るとなかなかヤセない、とか、すぐ眠くなるとか、めんどくさくおもうことが多くなるみたいなこととか...そうだったのか、ホルモンのせいか。対処法として、おおざっぱに言うと、ココロがうきうきするようなことや、熱中できるようなことをすると、それだけで、性ホルモンの分泌が増えるそうだ。これは、なーんだそんなことでいいの？　と思えるけど、食べ物やサプリメントでなんとか、というのとはちがうので、人によっては案外むつかしいかもしれない。この「あるある」は、お昼のみのもんたの番組同様、影響力がすごくあるようで、ずっと前に、ダイエットには、ウエストをひねる運動がいいとやったら、翌日のスポーツジムのボクササイズの参加者がぐっと増えたとか、インストラクターが言っていた。こういうのを毎週見て、その解消法をいちいち実践してると、あちこち気になる部分のある私なんかは忙しくてたまらん。それで結局、へえーそうすればええんか～と感心するだけで終わってしまうのがオチなのである。だいたいそういうふうに努力を放棄してしまうとこからして、性ホルモン減退徴候なのかもしれん。

  2004/12/12

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• キラキラの連鎖

  毎週土曜日は、国立にある版画の工房で、リトグラフを制作している。１２月に入ってから、国立の大学通りのいちょう並木に電飾がされている。制作が終わって、帰る頃にはすっかり日も暮れて、ライトアップが美しい。最近は、普通の家庭でも、窓や庭をライトアップして飾っているところも多い。クリスマスは、本来宗教行事だけど、暗闇にちかちかと灯りがついているのは、ほのかに暖かい雰囲気で、いいものである。東京の郊外のどこかの住宅地で、普通の人のうちなのに、ライトアップにいのちをかけてて、それがちょっとした名物になっていて、見学にくる人たちの車で渋滞になってしまうというところがあるらしい。一軒の家がやりだしたら、うちも、うちも、というかんじで、そのご近所がこぞってやりだしたので、そのエリアがキラキラしているらしい。そこまで大規模なのは見たことないが、ちょっとした路地の何軒かがそれぞれにちょっとしたライトアップをしていて、キラキラしているというのはときどき見る。どうもそういうことをどこかがやりだすと、他のうちも刺激されてやりたくなるらしい。たいていがかたまってるのである。花を育てて、玄関先を飾る、というのも連鎖するみたいで、郊外の住宅地などで、一区画のどこか一軒が、熱心なガーデナーだと、その向いやお隣も、っていう例が多い。きっと花の苗を分けてもらったり、そのことを通じてご近所どおしのコミュニケーションがとれているんだろうとおもう。逆パターンで負の連鎖もあって、たとえばごみの捨て方を守らない住民がいると、それに便乗する輩が必ずいる。廃車の不法投棄などという大規模なルール違反をするものがいると、まるで、そこにはなんでも捨てていいものとされてるみたいに、よそから捨てに来たりする。単なる日常的なごみ捨てのルール違反でも、顔が見えないから、こっそり捨てるんだろうとおもうが、ご近所のコミュニティがしっかりしていれば、そんなこともなかなかできないとおもう。連鎖するのはいいことだけにしてほしい。

  2004/12/11

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• 惰眠を貪る

  子供でもないのに、私はよく眠る。このごろは９時間くらい寝ている。いい年して、と自分でもイヤになるのだが、どうも朝ちゃんと起きるのがいまだに苦手だ。今日なんか、正午ごろまで寝てしまった。金曜の午前中は、ヤクルトおばちゃんがジョアを持ってきてくれるんだけど、そのおばちゃんの呼び鈴も無視して寝ていた。かといって夜型というわけでもない。夜は、１時くらいまでにはふとんに入っている。それから３０分か１時間くらい本を読むのが日課なんだけど、遅くても２時には寝ている。フリーランスなので、どうしても朝ちゃんと起きなければならない、というわけでもないのだが、世間は、ふつうに機能しているから、午前中がつぶれると、銀行やら郵便局の用事などをすまそうとおもうと、非常にあわただしいことになる。ダイエットにもよくない。だから前の晩は、あしたこそちゃんと起きて、てきぱきと仕事を片付けよう！　と心に決め、日記にまで決意を書いたりしているのに、朝になると、ほんとに人格がまったく変わってしまうというのか、理性のかけらもなく、あたたかいふとんの魔力にとりつかれて、２度寝、３度寝などして、あっというまに１０時、１１時になっていくのだ。しかし、あの一度起きて、また夢のつづきを見ているような、半覚半睡みたいな状況って、至福の時といってもいいくらい気持ちいい。そういうときに、やけにリアルな夢など見てしまうから、よけいに起きられなくなるんだとおもう。でも時は師走！　年末進行状態で、そんなことしてられない。なんかシャキっと起きるコツみたいなもん、ないでしょうか？

  2004/12/10

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• 高田馬場事件簿

  今日は、整体をしてもらうため、高田馬場へ行った。腰痛持ちの私は、１、２週間に一度、高田馬場まで通っている。その度に思い出すのである。大学生のころの話である。すんごくきたない話なので、ご了承を。ある年の大学祭のときであった。同級生でタカダ君という人がいた。（これからの話に関連するので、実名である）大学祭のある夜、屋台で、しこたま飲んだタカダ君。彼はおなかが弱く、ふだんからよくこわしている。その時も飲み過ぎで、おなかの調子が悪かったらしい。しかしへべれけになってほとんどつぶれていたタカダ君は、構内に停めてあった自分の車のなかで休んでいた。と、おなかが急にキュルキュルいいだして、ヤバイ状況。しかし足元もふらついてるし、離れたトイレへ行くのもおっくう。そこでなんと彼は、自分の車からおしりだけを外へ出して、ウンコしちゃったのである！そして、安心して、また車のなかで、寝入ってしまった。酔いつぶれてどっかへ消えてしまったタカダ君を、友人たちが心配して捜しまわった。車の中で寝込んでいる彼を見つけて、声をかけたが、タカダ君は、爆睡状態で、返事もない。みんなは、急性アルコール中毒になってないか、ますます心配になって、ウンコが落ちてることにも気付かず、車のまわりを「タカダ～、タカダ～大丈夫か～」とぐるぐる回ったもんだから、車のまわりに臭いウンコの輪ができてしまったのである。これを私たちは、「タカダノババ（注　関西弁でウンコのことをババといいます）事件」とよんで、語り種にしているのである。大変ビローな話で失礼しました！

  2004/12/08

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• ホットチョコレート

  今日、夕方の情報番組で、ホットチョコレートが紹介されていた。銀座のピエール　マルコリーニという高級チョコレートショップの、ホットチョコレート（１０００円もするらしい）が、おいしいと言っていた。ちょっと前に展覧会したときに、ここのチョコレートをいただいたのだが、とってもおいしかったので、名前はよくおぼえていた。ホットチョコレートといえば、去年、ロシアのサンクトペテルブルグで、初めて飲んで、あまりのおいしさに感動した。他の食べ物がことごとくまずかったので、ことさらに印象的だった。日本でもホットチョコレートがカフェのメニューにある場合もあるが、たいていの場合は、チョコレートシロップを溶かしただけのような、どっちかっていうとココアよりも薄いような、中途半端な飲み物であることが多い。でも本物は、ほんとにチョコレートを湯せんにして、溶かしたような濃厚な飲み物である。カロリーは高そうである。あまり大量に飲むと、鼻血が出るか、もしくは後でにきびが出そうである。ベルギーやオランダは、さすがチョコレートの本場だけあって、ホテルの朝食も、必ず、コーヒー、　ティー or チョコレート？と聞いてくれるし（この場合はココア）、スプレッドもバターやジャムの他に必ずチョコスプレッドがついてくる。子供が飲むような缶入りのチョコメルなんていう名前のドリンクもある。チョコレートが大好物の私にとってはうれしい。日本では、本物のホットチョコレートには、なかなかお目にかかれないけど、最近ときどきコンビニなどで目にする、ハーシーのココアはなかなか濃いめでおすすめです！

  2004/12/06

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• 声のトーン

  私は声がかなり低い。こないだからの風邪で、のどをやられて、ますますひく～い声しか出なかったのだが、なぜか私の女友達は、風邪をひいてないときでも、皆一様に大変声が低い。昔、英会話を習ってたときの、若いイギリス人の男の先生が、テレビに出てくるアナウンサーやタレントを見て、「日本人の女の人は、どうしてこんなに高い声で話すの？」と不思議がっていた。おまけに、２０歳を越えた女性が、高い位置でポニーテールに結んでいるのも変に思うと言っていた。ヨーロッパ人の女性は、ちょっとでもオトナに見られたいから、声もできるだけ落として喋ったり、ある程度の年齢に達すると、ポニーテールは子供っぽいからしない、ということらしい。日本人は、基本的に若く見られたいと思っているから、無意識的に高めの声を出してしまったりするんだろうか。願望が、声の高低を決めるということもあるかもしれないが、どうも私の体験からいうと、関西人の女は声が低く、逆に男は声が高い。非常に乱暴なサンプリングなんだけど、全体的にそういうかんじなのだ。東京はどうかというと、関西の逆のような気がする。顔は関係なく声が男前の男性は、東京のほうが多いような気がする。東京は別として、やっぱり関西の女の人は、血中おっさん度が高く、男の人はおばはん度が高いという特色に関係しているような気がする。私の親しい女友達で、声が低い人々も私を含めて、やっぱり血中おっさん度が高い。さっきテレビで「オレオレ詐欺」で、最近、女の人が、「お母さん、大変なことになっちゃった。」と泣きながら電話してくる、その声を娘の声かどうか聞き分けられるかどうか、という実験をやってた。うちはたぶん大丈夫。よっぽど低音の人用意せんと。

  2004/12/05

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• フィギュアスケート

  夜、見たいテレビ番組がないので、衛星放送でフィギュアスケートのグランプリ大会を見た。フィギュアスケートというスポーツを見ていて、昔からいつも違和感を感じるのは、そのコスチュームである。まだ女子はいいんだけど、男子のは、なんか遅れてきたグループサウンズみたいで変だ。グループサウンズっていったって、若い人々にはぴんとこないとおもうけど、ようするに、ミリタリー調（といってもUSアーミーとかそんなカーキ色っぽい世界ではなく、イギリスのバッキンガム宮殿の衛兵みたいなかんじ）を、もっとスイートにしたかんじの、なんか王子ふうなんである。ミリタリー調でない場合も、やたらそでにふくらみがあったり、ひらひらしたものがついていたり、滑った時に、風になびいて、効果的に見えるようにデザインしてあるのだろうということは、だいたい想像がつくんだけど。スケーター本人も、とくに白人系の人たちは、ちょっと世間のトレンドとはちがったニュアンスのロン毛だったりして、やっぱし王子ふうイメージを保っているようにも見える。実際に、かなりな男前で、王子といってもよさそうな選手もいたりするので、他のスポーツとはずいぶん違った世界のようだ。そして、そういう選手をめざとく見つけて、おっかけている女の人たちもけっこういる。そんな居並ぶ王子たちの中で、日本人選手はというと、だいたいまゆ毛を細くしてるんである。日本人だけ王子ではなくて、ヤンキーふうである。王子ふうのコスチュームに、細まゆ！　まったく似合わんことこのうえない。即刻やめたほうがええとおもうのである。

  2004/12/04

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• 上野

  今日は久々に上野へ行った。国立西洋美術館でマティス展を見た。平日でもこういう大きな展覧会はお客さんがいっぱいで、見にくくてしょうがない。でもやっぱりマティスはいいな。なんといっても明るい。まったくマイナーな空気がない。油絵もいいが、ペンや鉛筆による素描も軽やかでいい。その後、東京芸大の美術館で、版画展を見た。古今東西の大版画展である。各美術系大学の版画科が連係して大学版画学会というのがあるのだが、今年は学会主催の版画関係の展覧会や、シンポジウムがあちこちで開催されていて、その一環の展覧会のようである。私も、大学では版画を専攻していたので、先輩や恩師の方々も関わっている大イベントである。東京芸大といえば、北野武が大学院の教授になるんだってねー。黒沢清監督もだそうだ。私学みたいな人事だなとおどろいたけど、最近は国公立大学も「経営」を考えないとだめってことなんだろうか。美術館を出ると、もう夕方になってたが、まだ動物園があいていたので、入った。上野動物園に入るのは、幼稚園のころ以来のはず。入り口の切符きりの人は、聞きもしないのに、パンダはすぐそこです、とおしえてくれた。そう、もちろんいちばん見たいのはパンダである。なんせナマでパンダを見たのは中国の広州で一回だけだ。（遠くのほうから）遅い時間だったので、お客も少なく、オスのリンリンと、最近メキシコから嫁入りしたというシュアンシュアンをゆっくり見ることができ、満足して家路についたのであった。

  2004/12/03

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• 木曜の夜は

  今回の風邪はほんとにしつこかった。からだはそうしんどくもないのだが、とにかく声が出なくなってしまったのには困った。きのうあたりから、ようやく少し出るようになったけど、まだまだ高砂親方のような声しか出ない。電話してきた人がびっくりしている。ところで、木曜日の夜は忙しい。テレビドラマ見るのに。なんといっても９時からは、松本清張ドラマの「黒革の手帖」である。以前にも何度かドラマ化されているけど、それを見て、なんて松本清張はおもしろいんだ！と初めて知って、原作を読んだのをきっかけに、松本清張ワールドにはまっていったものであった。今回の主演の米倉涼子は、あまり好きでもないのだが、この元子役は、なかなかはまってるとおもう。修羅場が何回もあって、立ち回りもあるので、体育会系っぽいガタイのよさが、迫力を与えてるかんじ。そして１０時からは「大奥」前回のシリーズは、お局のいじわるぶりが中途半端で、てぬるい印象だったが、松下局は、なかなかやってくれる。回を重ねるごとに、いやらしさが出てきて、ええぞええぞ！！　みたいなかんじで楽しませてもらっている。トレンディドラマは、もうええから、ストーリーのしっかりしたストレス発散になるようなドラマ、もっとやってほしいもんである。たとえば、山崎豊子の「華麗なる一族」とか「女系家族」とか、松本清張でいうと、悪女シリーズで「けものみち」なんかどーでしょう？

  2004/12/02

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• おばちゃんの服えらび　その２

  街を歩くときは、ついおばちゃんの服をチェックしてしまう、という私の習慣から、おばちゃんたちのひそかなトレンドというのが見えてくることがある。数年前のことであった。街を歩くと、必ず目にするおばちゃんジャケットというのがあった。ほんとに毎日のように、（もちろん着る人はちがうのに）おなじデザインのジャケットを目撃するのである。それは、近所に買いものにいくときに、セーターの上からはおるようなタイプのスポーティなジャケットだった。ジップアップタイプだが、ジャンパーのように、短くない。お尻がちゃんとかくれる長さである。何度かフリーマーケットに出店してみてわかったのだが、おばちゃんたちにとって、この、お尻がちゃんとかくれるか、どうかは大きなポイントなのである。とくにウエストから下に自信が持てなくなっているおばちゃんたちにとっては、お尻がかくれることは必須の条件なのだ。ベースは濃紺とか、深緑のような濃い色なのだが、最大の特徴は、全体にランダムに配された、大きくてカラフルな「ハトメ」である。　ハトメの丸い部分は赤、黄、緑といったカラフルなプラスティックで、２つでひと組になっていて、たしか間にひもが通してあった。特別おしゃれだとも思わない、そのジャケットを着た人をひとシーズンに、何人も見たのであった。またうちの母は、これとはまた違うタイプのおばちゃんジャケットを買って気に入ってよく着ていたのだが、これまたおばちゃんのうちで、よく売れたようで、あまりにも同じのを着てる人が多いので、イヤや、とぼやいていた。お尻がちゃんとかくれるということの他にも、おばちゃんたちに、「いや～これええわ～」と言わしめる要素がそろっていたのであろう。でも決して「マダム」とか「家庭画報」とか「メイプル」や「クロワッサン」に載る服ではないのである。でも大ヒットなんである。あれだけ街でみかけるんだもんな。ひそかではあるが、大売れしたであろう蔭のヒット商品なのである。

  2004/12/01

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• 夕方のニュース

  私は家で仕事をしているので、基本的に一日中家にいる。仕事しながらテレビ見ていることもあるくらい、テレビは好きだ。夕方も各局５時ごろから始まるニュースもたいてい見ているのだが、あのまじめなニュースの間にはさまれる、芸能ニュースとか、情報コーナー、あれ、なんとかならんもんかとおもう。はっきり言っていらないとおもう。新しいとこでいうと、二時間ドラマの帝王、船越英一郎が、風呂場でくしゃみしてぎっくり腰になったなんていうニュース、別に知らんでもええのである。そういうことはワイドショーにまかせといたらいいんじゃないのか。まあ最近はヨン様の話題もトップニュース扱いだから、よくわからんけどね。それと、情報コーナーというのは、だいたいが激安情報とかまる得情報とか、不動産のわけアリ物件情報だったりするのだが、毎日毎日、おんなじようなテーマでやっていて食傷ぎみである。たいていが、女性のリポーターが、かん高い声で、激安寿司とか、一流シェフによるランチがめちゃ安で、奥様方がご満足な様子とかを伝えている。昔は夕方のニュースはだいたい６時からだったとおもうが、それがいつからか５時から７時までの２時間枠になった。でものびたぶんだけ、そこにどうでもいい「情報」をつめこんでるだけのような気がするのは私だけだろうか？

  2004/11/30

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• おばちゃんの服選び

  私は絵の背景に、いろんな模様を描きこむことが多い。ある時は壁紙のように、また背景だけではなく、テーブルクロスや、椅子の座などに、けっこう細かい柄を描きこむ。それが私の作品の特徴とおもっている人も多い。特に理由はなく描いているのだが、たしかにテキスタイルには大変興味を持っている。自分で模様を考え出すこともあるが、実際にあるものを参考にすることも多い。その場合、あまりにモダンでスタイリッシュなものよりも、どっちかっていうと、古くさかったり、ドンくさかったりするくらいのほうが、絵にしたときに味わいが出るから不思議である。そんなわけだから、街へ出ると、女性の服の模様などじっくり観察することもしばしばである。とくにおばちゃんの服の模様ってのは、じっくり観察してみると、とんでもないセンスによって作られたものであることがわかって、非常に興味深い。昔電車の中で、座っている私の目の前に立ったおばちゃん（といってもそんなに年はいってなかったようにおもう）のブラウスは、なんと「セイウチ」柄であった！！セイウチだよ！　あのトドとかの仲間の、すごい長いキバがついてる。オス１頭に対してメスが集まってハーレム作るっちゅう、精力絶倫の代名詞みたいに言われる海のケモノだよ。報告によると、マンモス柄も発見されている。マンモスもセイウチに勝るとも劣らないセレクトだ。こういう柄の服を身につけているおばちゃんらが、必ずしも超個性的っていうわけでもなく、逆にどっちかというと、ごく普通の市民であるところが私には不思議なのである。なぜにこのセイウチ柄、あるいはマンモス柄を、チョイスしたのかってところがである。買う前にじっくり模様を見ましたか？奥さん？　と尋ねてみたい。いったいこれらのどこらへんが、「ええわ～」「気にいったわ～」と思わしめたのかインタビューしてみたいとおもうのだ。また、着る人がいれば、もちろん作った人もいるわけで、これらを作るにあたってのプレゼンテーションは、どんなふうなもんだったのか、探偵ナイトスクープにでも調査してほしいくらいである。おばちゃん服ではないのだが、つい最近、やっぱり電車で目の前に座った小学２年生くらいの無邪気な男の子。Ｔシャツの胸に書かれていたのは、" STREET GANG TRIED MY BEST "＝（オイラは）街のチンピラ、やるとたぁやったぜ　みたいな意味だろうか？ぶっそうなガキである。

  2004/11/29

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• 無言の一日

  きのうの焼肉はよかったのだが、風邪のせいでのどががらがらだったにもかかわらず、けっこういっぱい喋り続けたのが災いしたのか、朝からまともに声が出ない。もともとのどが弱いので、今までにもこういうことはあったが、今回はかなり重症。カスカスである。乾燥でお肌もカスカス。心もカスカスか～？今日は、マンションの管理組合の定期総会だったのだが、無言でうなずくのみに終始。役員の改選があり、抽選だったので、もし当たっても、いろいろと言い訳もできず、やっぱり無言で承認するしかないのか、とびくびくしていたのだが、幸い当たらず、ほっとする。午後は黙ってそうじをし、食料品の買い出しに行き、夕方から初台のオペラシティのアートギャラリーへ、ヴォルフガング　ティルマンスの展覧会を見に行った。「白い巨塔」のタイトルバックにも使われていた野又穫の展覧会も併催していた。お茶でも飲んで休憩したいな、とおもったが、注文もまともにできない状態だったので、さっさと帰る。電話もできないし、声が使えないというのは、ほんとに不便。困ったもんである。

  2004/11/28

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• 焼肉

  病み上がりではあるが、焼肉を食べに行った。近所に住んでいるともだち夫婦と、「かっぽーの会」というのをやっている。かっぽーというのは割烹のことである。最初は、近所の割烹料理屋みたいなところを一軒ずつ試していこうという主旨だったのだが、割烹料理にかぎらず、２、３ヶ月に一回は、いろんな店に食べに行く。会といっても、基本的に私とこの夫婦３人だけで、たまに一人増えるくらいである。本日は、焼肉であった。小さな一軒家の韓国料理屋さんで、肉も柔らかく、たれはやや甘口で、ひさしぶりの焼肉でたらふく食べてしまった。ところで、東京の人は何かというと、焼肉、焼肉！で、関西人よりも焼肉屋に行く頻度が高いようなイメージがある。この場合の「肉」は、もちろん牛肉なのであるが、単に「肉」というときは豚肉もふくんでいるのだ。牛肉は高いとか、近畿地方とちがっておいしい牛肉の産地が近くにない、とか理由はさだかではないが、東京ではカレーなんかも豚肉でやるのがオーソドックスらしい。私たち関西人が、単に「肉」というときは、すなわち「牛肉」を意味する。たとえば「肉うどん」といったら、牛肉が入ってないといけない。「豚」はあくまで「豚肉」なのである。牛肉こそ肉の王道ってとこなのだろうか。東京へきて間もないころ、まだこの違いをちゃんと理解できていなくて、定食屋で、「肉野菜炒め定食」をたのんだところ、豚肉と野菜の炒めものだったので、なんのことわりもなく、肉といいつつ豚を使うとは！！と、腹が立ったのであった。羊頭かかげて狗肉を売る、じゃあないけど、牛を信じてたのんだ関西人はものすごく裏切られた気分になるのであった。なんかしらんけど、ありがたみがちがうんである、牛は。

  2004/11/27

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• 風邪対策

  珍しく風邪をひいた。先日から、鼻がぐずぐずして不快だったのだが、それはアレルギー性の鼻炎で、それを診てもらいにいった耳鼻科で、風邪をもらってきたみたいだ。２日ほど、だるいし珍しく食欲がないし、熱っぽいのに計ると熱はない、という状況が続いていたのだが、昨晩やっぱり微熱が出た。家には風邪薬がなかったので、たまたま漢方薬局でもらったブレンドハーブティを飲んで寝たら、利尿効果があるのか、夜中に５回くらいトイレに起きた。おでこに熱さましのシート（あれは便利ですな）を貼ってしっかりふとんをかけて寝たら、今日はだいぶましになっていた。こういうときは、たいしたことなくても自分を甘やかしたい気分になるので、昼間っから寝たり、アイスクリーム食べたりして、だらだらと過ごした。土曜日は友だちと焼肉食べにいく予定なので、それまでには体力回復しとかないとなー。バリ島でなんどか飲んで気に入ったしょうが茶（紅茶にしょうがのスライスとはちみつをいれたもの）などを飲んだりしているが、医者にいかなくてもいいくらいだけど、なんとか自力でなおしたいってときの知恵、あったらおしえてください！

  2004/11/25

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• 両国みやげ

  今日は、両国へ行った。両国には昔から仕事をさせてもらっている相手の事務所がある。 両国にはご存じ国技館があるので、相撲部屋もいっぱいある。しかしちょうど今は九州場所だからか、お相撲さんは歩いていなかった。江戸時代から続くという、とり鍋屋で、親子重をごちそうになり、おみやげに「あんこあられ」をいただいた。このあんこあられ、JR両国駅の近くにある、国技堂というお菓子屋さんのオリジナルで、ここでしか買えないのだが、私の大好物で、「あんこあられ好きなんですよ～」と言っていたら、社長がおみやげにくれたのである。あられはひとくちサイズの塩味で、樋のような形状で、樋状の溝にあんこが流してある。あんこは固まっていて、よくあるチーズおかきのチーズがあんこになってると想像してもらうとわかりやすい。これが甘いのとからいののミスマッチで、やめられなくなるおいしさなのである。それとなぜか北欧の革製のはえたたきをもらった。あんこあられ他を手に、帰りは蔵前まで歩いて帰った。このあたりは、江戸らしさの残る下町のはずなのだが、えてして最近の下町は、建物もビルにとってかわって、緑も少ないし、都会の様相を呈していて、風情を感じるのはなかなかむつかしいのが残念といえば残念だ。

  2004/11/24

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• おでんねた

  関西に住んでいた頃、よくたこ梅というおでん屋へ行った。カウンターに座るやいなや、おばちゃんにまず、「たこど～お？」と聞かれるのである。このたこは、甘辛煮で、おでんとはまた別なのだが、店の名物のようになっていて、おでんが来る前の、前菜的な一品なのである。私は、あくまでおでんが目当てなので、ほとんどたのんだことはなかったが。おでんねたでいちばん好きなのが、なんといっても「たまご」まず最初にたまごをたのみ、そろそろ終了というときにも「たまご」でシメるのが常なのだが、たまに遅い時間に行ったりすると、シメのころにはたまごが売り切れになってることがあり、そんなときは、なんとなく仕事をやりのこしたような、不完全燃焼的な、後ろ髪引かれる思いでおでん屋を後にするのである。ずいぶん昔、何人かで食べ物の話で盛り上がっていたときに、「世界一好きな食べ物ってなに？」という話題になった。そこにいたのは、ほとんどが女性の美術作家や美大の同級生だったりしたのだが、みんななんの迷いもなく、「う～ん、バッテラ（バッテラは大阪風の言い方だとおもう。鯖寿司のこと。）やな、やっぱし」とか、「川魚の塩焼き！！」などというふうに、おっさんじみた渋めの答えが圧倒的だったのだが、そこにひとりキラキラした違和感を放つ美少女が黙って座っていたので、「あっ、○○さんは何？」と聞いたところ、ちょっと小首をかしげて一拍おいたのち、「ゼリー」と、かわいくつぶやいたのであった。う～ん、そういうふうに答えなくてはならんのだなー女の子は！　と納得させられたのであった。

  2004/11/23

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• 季節感が崩壊

  ここしばらくあまりに鼻やのどの調子が悪く、不快なので、おもいきって耳鼻科へ行った。診てもらったところ、結局アレルギー性鼻炎だったのだが、今、この時期にしてはあったかいせいなのか、もうスギ花粉が飛び始めているらしい。私の症状は、花粉症が出始めるまえの前段階ということであった。毎年、春は２月から５月いっぱいくらいまで、ローションティッシュが放せないような状態になるので、来年もまたおもいやられるのである。花粉症になったのは１０年前東京に引っ越してきてからだ。毎年重症になっていくような気がする。あったかいのは楽でいいけど、花粉にやられるのもなあ～しかし一方では、季節感を楽しむべく、旬のものを食べたり、その季節らしいものを料理したりしたい。先日はおでんを作った。関西ではおでんのことを、関東だき（かんとだき、と発音）という。それだけ関西の食べものからすると、味が濃いめのものってことなんだろう。関西のおでんには入ってなくて、東京のには入ってるものに「ちくわぶ」というものがある。私はこのちくわぶというものを東京にくるまで見たことがなかった。ほんとは普通のちくわなのだが、江戸っ子的なべらんめえ調で、勢いづいて言うと「ぶ」がついてしまうのだろう、と勝手に解釈していた。なんとなく「こちとら」とか、ああいったイメージの、単なる接尾語だと思っていた。そしたらまったくちがう、ふというどんのような、もちのようなものだったので、驚いた。東京で初めて食べてみたが、期待したほどの感動はなかった。そしてこの季節のお菓子というと、焼きりんごである。国光などの酸味の強い小ぶりのりんごが出始めると、必ず作る。焼きりんごは、私にとっては「母の味」である。わりとハイカラな料理が得意な母が、昔からよく作ってくれたものである。作り方はいたって簡単。りんごをよく洗ったのち、芯の部分をぐりっとくりぬく。（底まで抜いて貫通させないこと）それをオーブントースターなどで１０分くらい焼くと、汁が出てくるので、それを捨てて、その穴に、バター少々と、グラニュー糖、シナモンを適宜入れ、また５分かそこら焼いたらできあがり。さましてから、好みで練乳かけて食べるとおいしい。台風がたくさん来たり、異常に暑かったり寒かったり、このごろ季節のほうがめちゃくちゃなので、人間みずから季節感を意識していかないと、いろんなことやりそびれたり、食べそびれたり、着そびれたりしてしまいそうだ。

  2004/11/22

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• お笑い番組

  最近またお笑いブームみたいである。お笑いといっても漫才だけでなく、ほんとにシロートに毛がはえたくらいの一発屋みたいなのも多くて玉石混淆の感がある。個人的には、中川家とかフットボールアワーなどの正統派（？）の しゃべくり漫才が好きだ。なんといっても、いとしこいしやダイマルラケットの漫才で育った世代ですからね。余談だが、子供ごころにも、ダイマル（デパートの名前と認識していた）とラケットという名前は全然「対」になってへんやん、と不思議だったのだが。そのもうちょっと後は、Wけんじとか、巨人阪神なども人気があった。関西に住んでいる小学生は、土曜日の午後、学校から帰ると、チキンラーメンを食べながら、テレビで吉本新喜劇を見るのが標準的な週末の過ごし方だったのではないだろうか。その当時は岡八郎とか花紀京が「スター」で、子供も学校で彼らのギャグ（お尻に持ってった手を鼻に当てて「くっさ～」とか）をふつうに使っていたものであった。吉本新喜劇に対して、天才藤山寛美の松竹新喜劇がある。吉本にくらべると、松竹は子供がそのおもしろさを理解するには、やや深く、ちょっとおとなむけなかんじであった。でも今も、本来の関西というか大阪のおもしろさというのは、松竹的な笑いかな、とおもっている。ほんとのコテコテっていうのは、松竹系で生き残っているのではないか。うちの親戚で、商売やってるおっちゃんなんかもまさにそのタイプである。どっちにせよ、日常的にお笑い環境にさらされているので、関西の小学生のお笑いにかんする基礎体力は全国的に高い。ゆえに関西の子供のなかでの人気者は、絶対に「オモロイ」やつなのである。勉強ができるとか、男前とかスポーツがすごいというより、なんせオモロイやつがクラスの人気者である。中川家の弟のほうなんか、きっとそのタイプだったのでは、というのが容易に想像できる。ああいうちょっと肥満児系だったりするのだが、いつも人を笑かすことばかり考えているやつが、かならずクラスにひとりはいたものである。女子についても例外ではなく、関西人は黙っておれば、相当な美人でも、自分をおとしめたりするから、あなどれない。だから関西圏以外のところから、引っ越してきたりした人にとっては、なかなか過酷な環境かもしれない。

  2004/11/21

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• 粉もの考

  こないだ東京のたこやきだけはゆるせん！　と糾弾したのだったが、ほんとにこの１０年間で、ましなたこやきは食べたことがない。京風とか銘打ってても、どこをとって京風というのか経営者をつかまえて問いつめてみたい。私は京都には１６年住んでたが、たこやきに京都スタイルなんてなかったぞ。ときどき見かけるのは、いちど焼いたものを、そのまま揚げ油でじわじわ揚げるという姑息な手段をとっている店である。これなどは、中はやわらかく、外はかりっと、という理想のたこやきをつくるべくひねりあげられた手段なのかもしれないが、ずるいよ。あくまで「焼き」いっぽんでいってほしいもんである。ずいぶん前に世田谷のほうに、これなら関西の「並み」クラスだな、と及第点をあげられる店があったのだが、つぶれてしまった。本格的関西風だと実はだめなのかもしれない。ところで、たこやきに関するなつかしいエピソードを思い出した。小学生の頃（兵庫県に住んでいた）、クラスの何人かの男子が、そのうちの一人の家の庭に、いわゆる「基地」を建設していた。ところがあるとき、そのうちの二人ほどが、たりない材料を買いにでかけたものの、お釣がえらく少なかったらしく、なにかおかしい、と他のメンバーが言い出して、帰りの学級会にかけられたのであった。訴えでた男子が言うには、「○○君らは、お釣でたこやきを勝手に買って食べたんです！！」しかし容疑をかけられた男子らは「そんなことしてない」と否定するのみ。先生が裁判官よろしく、「じゃあどうして○○君らがたこやき食べたってわかったん？」と尋ねたところ、「そ、それは、歯に青ノリがついてたからです！！」おお！！動かぬ証拠ではないか！！結局、○○君らは容疑を認め、みんなの前であやまったのであった。

  2004/11/19

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• やっぱりうどんは大阪やで　その２

  東京に引っ越してしばらくは、意地でも東京のだしのまっ黒なうどんは食べるまいと心に決めていたのだが、年月がたってくると、東京の味にもだんだんと慣れてきて、やっぱりめん類が食べたい時もあるので、ときどき食べるようになってきた。もちろん満足しているわけではないのだが、そのことを関西人のともだちに話したら、「魂売ったな！！」とまで言われてしまった。それくらいうどんは関西人の心の友みたいな存在なのである。笑福亭鶴瓶氏の発言らしいが、うどん＝おばはん、そば＝おっさん、というたとえがある。なんとなく太めで白くて柔らかいという形状だけではなく、全体的なキリっとしてないようなイメージが、おばはんを想像させるという、一種のメタファーなのだが、そば＝おっさんというのとあわせても、なかなかうまい言い方だなと感心する。続けていうなら、ラーメン＝にいちゃん、スパゲティ＝ねえちゃん、というのも成立するかもしれない。関西人が圧倒的にそばよりもうどん好きなのも、関西人のメンタリティが、女性的（おばはん）であることに根ざしたものであって、たまたまというわけではないのかもしれない。

  2004/11/18

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• ジェイク　シマブクロ

  先日、ハワイの日系ウクレレミュージシャン、ジェイク　シマブクロのCDを買った。ウクレレというと、陽気でのんびりした気分を想像しがちだが、この人の超絶技工的ウクレレは、そういうイメージを見事にこわすものである。一般的なハワイのウクレレ音楽というより、ロックのイメージである。音楽の内容はさておき、ジェイク　シマブクロといえば、数年前、ハワイのオアフ島沖で、四国の水産高校の練習船えひめ丸が、アメリカ海軍の潜水艦が浮上してきたことによって沈没させられたという信じられないような事件があったが、その事故で亡くなった練習生たちの家族の前で、鎮魂のウクレレ演奏をした、というニュースで初めて知った。たぶんこのことがきっかけで、広く知られるようになったのではないかとおもう。あの事故は、私にはあまり他人事にはおもえなかったので、よくおぼえている。実は私は、商船三井客船のにっぽん丸という客船にときどき乗船する。お客さんとしてではなく、航海日（海の上でずっと走っている日）に、船内でヒマを持て余しているお客さん相手に、水彩や版画などを指導する教室の講師という仕事をしているのである。それが「旅する絵描き」たるゆえんなのであるが。あの時も、ちょうど南太平洋クルーズで、最後の寄港地としてハワイのホノルルに入ったのだが、それがえひめ丸の事故の直後だった。そういう事故がおきたので、日本にいる家族やともだちも心配していたようだった。本来は、プランとして、ホノルル入港時に、ヘリから船にむかってたくさんのはなびらをまく、という歓迎セレモニーを考えていたらしいが、事故にかんがみて、とりやめになった。そこでまたジェイクなのだが、どんな曲を家族のまえで演奏したのか知らないが、そういうときはやはり音楽というのはいろんな意味で胸に迫るものがある。音楽というものは直接肉体に響くものであるが、絵というか美術というのは、もうちょっと知的で理性的なものなので、ぐっとくるのにちょっと間がある。...というふうなことをCD聴きながら思い出していたのである。

  2004/11/17

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• やっぱりうどんは大阪やで

  亡き親友の回顧展のあいだ、大阪に滞在した。私はもともと関西人で、実家も大阪にあるのだが、現在は東京に在住。大阪を離れてはや１０年になる。先日、心斎橋でお昼になったので、うどんを食べようとおもい、たしかこのへんに「にし家」というおいしいうどん屋があったはず、とうろうろしたのだが、どこの筋だったか思い出せない。こういうときは、ハローダイヤルよろしく、大阪在住の妹に即電話だ。妹も即答できなかったが、すぐインターネットで調べてくれて、場所が判明。さっそく入って「玉丼セット」を注文。やっぱしうどんは大阪やな～だしがちゃうもんな～東京で「関西風うどん」なんぞと称しておるところは、ろくなところがない。ただただ薄味なら「関西風」だと解釈しておる。ただ薄いのではない。ちゃんとだしをとっているから、たくさん調味料を加えなくともうまいのである。それに玉丼も、ちゃんと味付けした玉子がかかったうえから、さらに生の玉子がぽとりと落としてあって、半熟状態がよい。ごはん全体にちゃんとからんでいる。東京で玉丼頼むと、ふっとい拍子木切りのかまぼこ（ひどいときにはカニかま）などが無神経なかんじで入っており、腹が立つ。それに、こういった小うどんと小丼のセットとか、普通サイズの丼ものに小サイズのうどん、あるいはその逆などといった気のきいたセットも大阪では当たり前。東京ではこういうセットがあまりない。その他、粉ものなどについても書き出すととまらないが、東京のたこ焼きはゆるせん！とだけ言っておこう。

  2004/11/14

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  亡き友人、田仲容子の回顧展のため大阪へ

  １１月１４日から大阪のThe 14th. Moonで、亡き友人、田仲容子の回顧展がある。私も主催者のひとりなので、展示準備のため大阪へ。 田仲容子は、才能豊かな美術作家であったが、８年前に旅行先のグアテマラで、交通事故死した。友人でもあった嶽本野ばら氏が、彼女の作品をモチーフに、「カルプス・アルピス 」という本を昨年の秋に出版したので、そこではじめて彼女の作品にふれた人もいるかもしれない。■11月14日(日)-11月20日(土) ■期間中無休 ■13:00-19:00 最終日13:00～17:00

  2004/11/12

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