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2007/07/04
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カテゴリ:映像
TV映画「任侠外伝 玄海灘」唐十郎監督

76年ATG。
粗筋はgooより。
はるか朝鮮半島の黒い島影がのぞめる玄海灘。一匹狼を自認する近藤とその舎弟分の田口は、東京に本拠を持つ沢木組の代貸・沢木の指令を受けて密航して来た韓国の女達を中央に売りさばく仕事を請け負った。沢木がこの儲けの多い仕事を組員でもない近藤に任せているのには、理由があった。--25年前、朝鮮戦争のさなかの昭和26年、当時学生だった沢木と近藤は、横浜で死体処理のアルバイトをしていたのだが、ふとしたきっかけで、朝鮮へ行く事になり、アメリカの軍属として釜山で働く事になった。そして二人は、アメリカ軍属という特権で、米国兵や韓国兵の認識票を手に入れ、暴虐の限りをつくした。そんなある日、沢木が女を締め殺し、死んだ女を近藤が犯した。怨みをこめた表情を残して横たわる女が、ぞっとする程美しかった。以来、近藤の脳裏にはその姿が焼きつき、女を抱く気になれなくなった。そして自分の部屋に認識票を飾り、それを眺めながら毎日が過ぎていった。沢木と近藤は、そんな暗い秘密で結ばれていたのだった--。仕事は順調に進んでいた。沢木組の組員たちは、密航して来たた女を廃工場に集め乱交パーティを始めた。その中に李孝順という美しい女がいた。田口は彼女がヤクザに襲われると何故か助けた。その行為は、自分が不能の為の腹いせなのか田口自身わからなかったが、以来、二人は急速に接近した。ある日、李孝順が田口をアパートに訪れ、田口が部屋を留守にした時、近藤が戻って来た。近藤は李孝順が数年前の女と瓜二つなのに驚き、彼女に襲いかかった。一方、李孝順とともに密抗して来て、なにかと彼女につきまとう金田という男がいた。金田は近藤に復讐するためにやって来たのだ。金田は25年前のあの女の愛人で、李孝順こそが、あの時の近藤の子供なのだ。女は仮死状態から一日後に息をふきかえし、十カ月後に鬼の子を産んだのだった。……二度月の蜜航の仕事が海上保安庁に発見され、失敗した。重傷を負って浜に逃げた近藤の前に、金田が立ち塞がり、彼に全てを話した。青ざめる近簾……。一方、田口は今度の失敗で沢木の信用をすっかり落とした近藤を救おうと沢木の重要書類を奪うが、逆にますます沢木と近藤のヒビを広げる結果となった。やがて、浜辺で沢木と近藤が決闘し、共に倒れた。これを崖の上から見ていた金田は、二人の死を見届けてから、自ら崖の上より飛び降りた。その頃、田口から重要書類を預っていたために沢木の手下に殺され、ドブ川に浮かんでいた李孝順の屍を抱きしめながら、田口が慟哭していた……。

玄海灘に巣喰う一匹狼のヤクザを主人公に、ヤクザ同士の抗争と屈折した性との葛藤を描く。脚本は「哥」の石堂淑朗、脚本・監督はこれが第一回監督作品の唐十郎、撮影は瀬川浩がそれぞれ担当。(ヨーロッパサイズ)

出演は安藤昇、宍戸錠、李礼仙、根津甚八、小松方正ら。
自分でも向いてないと感じたのか、唐十郎が映画を監督したのはこの一作限りのはず。
唐も他の劇作家と同じ轍を踏んで、映画でありながら自身の舞台をただ映像化しているだけに終わっている。
安藤に次ぐ主要キャラが根津甚八でヒロインが李礼仙と来ると、まるっきり状況劇場そのまま。

李礼仙が演じるのは「李孝順という美しい女」の役なのだが、どう見ても美しくない。抽象的な美女でありさえすれば成立する舞台だからこそ、李礼仙はヒロインとして通用するのであって、具体的な美女であることを要求される映画では、さすがに無理がある。

それはともかく、実社会で悪行の限りを尽くした本物のヤクザである安藤昇を、このような形で起用するのはいただけない。
大衆が「仁義なき戦い」での菅原文太をカッコいいと思うのと、この安藤昇をカッコいいと思うのは、根本的に異なる行為だ。





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Last updated  2007/07/04 11:09:16 PM
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