「…うん。…何か…。先、越されたかなって…。」
優維香、「まっ。確かに。おかあさん。性格的に、自分で決めたと思ったら、自分で突き進むって性格だから~~。逆に、私があぁだの、こぅだの言っても。」首を左右に。「決めたから。…に、なっちゃうんだよね~~。」隆英、歩きながら、「へぇ~~ぇえ~~。」「ある意味…。」隆英、優維香を見て、「ある意味…???」チラリと優維香、隆英を見て、「…うん。…何か…。先、越されたかなって…。」その声に隆英、「先…???」改札を出て…。タクシーに。隆英、「すみません。」スマホの画像を見せて、「ここまで、お願いします。」運転手、「あいよ。」凡そ10分で目的地に到着。優維香、隆英、「ここが…。」「経営コンサルティング、WAKOの入っているビル。」隆英、「行きましょうか。」コクリと優維香、「えぇ。」受付の女性から案内されて。「失礼します。社長。」すると…。いきなり椅子から立ち上がり、「あら、いらっしゃ~~い。」いきなりふたりの前に駆け寄り、すぐさま右手を差し出す。女性に、「初めまして、真宮羽恋(まみやわこ)と言います。」握手を求める。優維香もそのままに右手を。そして、次に男性にも、「初めまして、真宮羽恋(まみやわこ)と言います。麟がお世話に。うんうんうん。」そして羽恋、すぐさま名刺を。「今後共に、よろしく。さっき、麟からも連絡がありまして、もぅそろそろ着く頃だと。」優維香も隆英も、そのストレートな動きに目を疑うが…。隆英が…。口を真一文字に。そしてニッコリと。「真宮社長、部長には大変お世話になっております。」その声に目を真ん丸にする優維香。口を窄めて、頭の中で、「…隆英…。」羽恋、ニッコリとして、すぐさまクローゼットに向かい、開き、バッグを。そしてハンガーから上着を。そしてふたりに、「ささ、参りましょう。」ふたりに手を差し伸べて…。優維香、隆英、呆気に取られて、ふたり顔を見合わせて、「えっ…???」羽恋、ドアを開けて、「ささ。」ふたりをドアの外に。言われるがままに優維香と隆英。羽恋に従い、後ろを…。そして羽恋、受付に、「これから出掛けますから。」受付の女性、丁寧にお辞儀をして、「行ってらっしゃいませ。」優維香と隆英も再び受付の女性にお辞儀をして…。オフィスを出る。そのまま、来たままのエレベーターで…。そのまま地下へ。そして…。車の傍で待っているひとりの男性。羽恋が近づくにつれて丁寧にお辞儀を…。そして運転手側の後部座席には男性に手を差し伸べて、ドアを開けて。そして、すぐさま反対方向に回り、女性を助手席側の後部座席に。羽恋はそのまま助手席に納まる。男性、運転席に。シートベルトを締めて。羽恋、笑顔で、「お願い。」男性、ニコリと、軽く頭を。「畏まりました。」地下から地上へ。そして…、大通りへと。そして数分。目的の場所に。駐車場がほぼ満車状態。けれども、一切躊躇なく、運転手、「ありましたね。」羽恋、運転手に、「お願い。」「分かりました。」そして、その場所に…。スルリと。後ろを見る事なく、ただ、単にバックミラーを…。隆英、僅かに眉間に皺を。そして…、頭の中で、「…この人。」優維香、思わず、目を真ん丸に、「す、凄い。こんな狭さに、このおっきな車。」しかも正確に車は収められている。男性、ドアを開けて、すぐさま後ろのドアを開ける。「どうぞ。」そして反対側に回り、ドアを開けて、「どうぞ。」優維香、「あ、ありがとうございます。」男性、羽恋に、「行ってらっしゃいませ。」羽恋も男性に、「じゃ、お願いね。」そしてふたりに、「さ。どうぞ。」ニッコリと。優維香、隆英、羽恋の後ろに。男性、ふたりにも、「行ってらっしゃいませ。」丁寧にお辞儀を。羽恋の後ろで優維香、隆英に小声で、「ねね。あの人、凄い。あの狭い空きスペースにスルッとあの車。びっくりした~~。」そんな優維香に隆英、笑顔で、「うんうんうん。」レストランに入り、皆々が、「いらしゃいませ。」すぐさまウェイターが、「ご案内いたします。」3人、ウェイターの後ろを。席はほぼ埋まっている。羽恋、ウェイターに、ニコリと、「ありがとう。」3人共に、席に収まり…。優維香、自然に店内を…。隆英、さりげなく雰囲気を。羽恋、上着のボタンを外し、そして上着を…。すぐさまウェイターが後ろからその上着を。そして椅子に掛ける。そしてそのまま離れる。ノースリーブ姿の羽恋、ふたりに、「どう…???…気に入った…???」その声に優維香、「あ、あ、あ…。」隆英、優維香を見てニコリと。優維香、「あ、あの…、真宮社長。」羽恋、優維香を見て笑顔で、「えぇ。どうぞ~~。」優維香、思わず、口の中の物を飲み込んで、「あ、あのですね。あの…。」周囲を気にしながらも、「あの…。あの、男性の方、運転手の…。」 好きになれない。 vol,281. 「…うん。…何か…。先、越されたかなって…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※