カテゴリ:宮城県の菓子(郷土菓子含む)
2006年6月7日
素朴で可愛らしい兎落雁は、その名も「兎落雁(めんこい*)」というもの。 この兎落雁を仙台市舟丁にある石橋屋さんの先代石橋幸作さん※の分類に 従って「信仰駄菓子」とするべきか、 それとも「(元)縁起菓子」とするべきかは、悩むところです。 ここ30年ほどは仙臺駄菓子の老舗石橋屋さんで 製造販売されているとのことですが、 そもそもは若林区荒町にある毘沙門さまの祭礼で売られているお菓子だったそうです。 昔から毘沙門さまは、子どもの守り本尊。 往時は、赤い糸で吊り下げられたお菓子だったさうです。 子どもがこの兎落雁を食べると、ハシカや疱瘡が軽く 兎のように ピョンピョンよくなるという 毘沙門さまの思し召しが込められていたと言います。 せつない親心の伝わるエピソードですが、 それはかつて兎を吊り下げていた赤い糸にも見ることができます。 この場合、赤い糸は「魔除け」の意味だったといいます。 今ほど医療技術が進んでいなかった時代の人の願いの切実さが、 この素朴で可愛らしいお菓子に込められていたとは、驚きではないでしょうか。 *「めんこい」は仙台弁のみならず東北弁で言う「可愛い」の意。 (兎落雁300円/税別)価格は初公開時のものです。 参考:河北新報夕刊昭和36年9月8日(金)「みちのくの駄菓子」 こちらの奥に「駄菓子資料館」があります。 盾菓子(たてがし)の木型などがありました。 開館時間/9:00~17:00 入館無料 休館日/日曜・年末年始 石橋幸作さんは仙台市若林区舟丁にある仙臺駄菓子の老舗石橋屋さんの先代(故人) です。『駄菓子風土記』のほか『駄菓子のふるさと』など数冊の著書があります。いず れもフィールドワークの集大成と言うべき素晴らしい資料集。必見の価値有りです。 また石橋幸作さんが紙粘土で復元された駄菓子やスケッチは千代紙になっており、 千代紙は東京谷中にある菊寿堂いせ辰さんでお買い求めいただけます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Jan 3, 2019 02:04:20 PM
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