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台湾役者日記

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2005年02月04日
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カテゴリ:未決函
よろしいですか、皆さん。

地球の生物というものは、水を除くとほとんどタンパク質でできています。タンパク質というのはアミノ酸の集合体。タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類あって、炭素C、水素H、窒素N、酸素Oの元素が結びついて成り立っているのですが、20種類のうち2種類のアミノ酸だけは、硫黄Sをも含む構成になっています。

また、遺伝情報を規定するDNAは、塩基、糖(D-デオキシリボース)、リン酸でできています。塩基と糖は、分解すると炭素C、水素H、窒素N、酸素Oの4元素になってタンパク質と同じですが、そこにリン酸HPOが加わります。つまり、炭素C、水素H、窒素N、酸素O、硫黄S、それにリンPを加えた6種類の元素が、「地球生物」を成り立たせる重要物質、ということになります。

以上、「生活環境科学の部屋」生体分子のかたちの不思議からの受け売り。

さて、お立ち会い。

上記6種類の元素は、地球上ではとてもありふれている。生命がどのように発生したのかについてはまだはっきりとは分かっていないようだが、「地球生物」はこれら豊富に存在する物質が化学反応を繰り返して成り立ったものであることは間違いない。

ということは、任意の天体において、これら元素の存在する割合が地球と大きく違っていたり、材料となるべき物質が違う元素であった場合には、「地球生物」とはまったく異なった原理で「生きて、進化する」生物が存在するかもしれない、ということになる。

***

「タイタン」というのは土星の衛星だ。衛星というとわれわれの見ている月を思い出すが、同じ衛星でもタイタンはでっかい。「土星最大の衛星で、大きさは月の直径の1.5倍。あつい大気におおわれていて、35億~38億年前に生命が誕生する前の地球に似ているといわれる」コドモアサヒニュースDEジャンケンポン、ただし掲載期限後はバックナンバーで捜す)

「大気」といっても、地球の水蒸気を含んだ空気と同じではない。メタン(炭素と水素の化合物)が雲となり、雨となって地表に降りそそぐ。メタンの融点はマイナス184℃。沸点はマイナス164℃。すなわち、タイタンでは、地球の「水」を「メタン」に置き換え、「0℃」を「-184℃」に置き換えた世界が広がっているらしい。砂ではなく大気中から凝結した有機物が地表には降り積もり、地形をつくっているという。そしてその有機物の「地殻」を突き破って、地球におけるマグマのかわりに、「水の氷」やアンモニアが、「火山活動」を引き起こし、吹き上げているというのだ!

以上、AstroArts天文ニュース1月24日付「タイタンに見られる、メタンの川と水の氷を吹き出す火山」ESA News の翻訳)からの受け売り。

一般に、化学反応は、高温の環境下では激しく行われ、低温時にはゆっくりと進行する。タイタンに大興奮!の中で松井教授は、「タイタンでは、30数億年前に地球上で起こったことが、ゆっくりと始まっている可能性がある」という意味のことを語っている。

もとよりタイタンに知的生命体が存在する可能性は限りなくゼロに近いだろうが、原初的な微生物はすでに存在している可能性がある。そしてもしそれが本当に存在していた場合には、その生物は、「地球生物」の諸前提とはまったく異なったところに出発点を置く「タイタン生物」であるということになる。

われわれは、「タイタン生物」などの「非・地球生物」と出会うことで初めて、「地球生物学」ならぬ「一般生物理論」を、考究する道を拓くことが出来るのだ。今回の、「カッシーニ」の土星接近、そして「ホイヘンス」のタイタン着陸が、われわれの「世界知」に対してどんなに大きなインパクトを与えたか、そして今後も与え続けるか。「大興奮」は、じつは後に控える「超大興奮」の前触れに過ぎないのかもしれない。

***

というように、「タイタンに大興奮」していたら、有線テレビのNHKワールドワイドでサイエンスZERO「海底下7000メートル 地球深部を探る」というのをやっていた。地殻を掘り進んでマントルまで達し、「地球深部」がどうなってるのかを調べようという遠大な計画が進行中であるらしい。数名の学者が登場して、各分野における「地球深部の見どころ」みたいなものを語っていたが、その中に、「地底生物」の話が出てくる。「太陽光線を頼りにせず、鉄や硫黄を直接取り込んで生命活動を行う微生物が、地殻の深いところから採取された」というのである!

なんと、われわれの足元にも、「地球表面生物」とは別系統(?)の「地球地殻生物」が、すでに存在していた! 光合成こそはすべての代謝活動の出発点だと思い込んでいたが、それとは違う原理に生きる連中がすでに「地球生物」の一員として存在していたのだ!

さらに学者たちは、「マントルにはマントルに住む生物がいるかもしれない」と考えているらしい。「マントル生物」! いったいどんな連中なんだろうか? 早く知りたい!

***

今さら言うまでもないが、「非・地球生物」というのは、SFでは、時間旅行と並んで、主要テーマのひとつである。

「SF」の「F」は「フィクションだ」「いや、ファンタジーだ」と諸説あってうるさいが、話の中で人間(または人間的な何か)がバタバタする以上、相手役として登場する「地球外生命体」にも知性があってほしい、というのは当然の要請となる。

(つづく)






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Last updated  2005年02月09日 06時21分08秒
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