猫の糞害(総集編)

 大河ドラマじゃないけど
「猫の糞害に憤慨」総集編
(ノーカット版)

あれは2001年10月中旬のことであった。
外出から帰ると、我が家と隣家の間を猫が走っていった。近所のおばあさんが飼っている猫である。なんだか嫌な予感。

あとを追いかけると、なんと我が家の周りに猫のウンチを発見。古いものから新鮮な(?)ものまでその数、約十数個。超むかつくぅー。

そういえばあいつ振り向きながら走り去っていったよな。

そして数日後…。

またもや猫の糞害。インターネットで検索。超音波で猫を近づけない装置を見つけた。これだと猫を傷つけないで済みそうだ。

翌日…。

昨日完璧に猫の糞を掃除したのに、朝起きたらもう2個もられてる。
弟は怒りまくって「今すぐ超音波装置を買いに行くぞぉー!」、「クレゾールも買うぞぉー」と言い捨てて銀行へお金をおろしに飛び出て行った。

そして…。

クレゾールで家の周囲を消毒。
そしていよいよ超音波発生装置を設置する。
覚えとれぇー、猫のやつめ。
ところが大変なことが判明する・・・。

超音波発生装置の設置が終われば動作確認である。パッケージには 「人によっては超音波が聞こえる場合があります」って書いてあった。

実はその『人』とはなんと我が弟のことであった!

私がスイッチを入れ、弟が目的の場所で動く。
スイッチを入れた途端「ギャァーーー!!」という悲鳴とともに弟が耳をおさえて、のたうちまわったのである。

彼の耳には「キィーーーン」という、なんとも言えない、ものすごく不快な音が聞こえたらしい。私にはなにも聞こえない。
弟は猫並みの聴力の持ち主であった。
おまけにクレゾールの匂いをかいで気分が悪いという。
我が弟は嗅覚も猫並みであった。
オー・マイ・ゴッド!

今度はバケツに10リットルのクレゾール溶液をつくる。
そして家の周囲を全部洗浄、消毒しまくった。
防御は最大の攻撃なり。(なんか違う?)そう思いながら私がえらい剣幕で働いているかたわらで、弟は青白い顔をしてつぶやいた。

「おれー、前世は猫やったんかな?」
私「えっ?なんで?」
弟「だって超音波聞こえるし、クレゾールの匂いも嫌いやから…」

彼は苦手なものがあると必ず「前世」を使うのが常套手段である。
ゴキブリが1匹でただけでも「きゃー」といって逃げ回る。
そして私に「なんとかして」と言うのである。
彼はその時だけは前世はゴキブリになるのである。
「同じ種族は殺せない」とか理由にない文句を並べ立てて逃げ回る。
仕方がないから私が退治する。ゴキブリ対策も私の仕事なのである。
さしずめ「ゴキブリ対策本部長」とでもいおうか。こまったもんだ。

家の周囲をクレゾールで消毒しまくったので、まるで昔の病院みたいな匂いが家中充満している。まっ、猫の糞の臭いをかぐよりはましか。

超音波装置の取り扱い説明書によると『1~2週間で効き目があり、猫は近づかなくなります。もし効き目がない場合は返品します』と書いてある。よほど自身があるらしい。

だがそのあとを読みすすめると・・・。
『難聴の猫には効きません』とある。そりゃそうだよね。納得。

二日後…。
  雨が降り、クレゾールが流れてしまったのか、それともその猫は難聴だったのか、またもられている。
ちくしょー!

弟がクレゾールの匂いに弱いせいで、必然的に私は我が家の「猫の糞尿被害対策本部長」になってしまった。
「ゴキブリ対策本部長」兼「猫の糞尿被害対策本部長」か。
誰か私に役職手当くれー!
猫の糞はとっても臭いのですぅ。
とほほ・・・。

ところで皆さん、薬品を使う時は使用上の注意をよく読みましょう。
というのは私はクレゾール3%溶液の入ったバケツに手をつっこんで作業しました。もちろん素手ではなく手袋を着用していました。
が、もともとそれほど手荒れするたちではないのでタカをくくって使い捨て手袋を使用しました。作業も終わりにさしかかかった頃、突然手が焼けるようにジンジン痛くなりました。すぐに手袋をはずし、流水で洗い流したのですが翌朝までジンジンしてました。

超音波装置を設置してからは、それまで毎日だった猫の糞害は3~4日に1度に減少した。
今日は私がぶっ倒れてたので、変わりに弟が猫の糞掃除をしてくれた。
やはりなんとも言えない不快な音がしたらしい。彼はその超音波のもとで作業したので今も頭が痛いとこぼしている。ちょっとかわいそう。

と、いうわけで犯人ならぬ『犯猫』は難聴であることが判明した。

『その猫』が難聴とわかったからには次なる手段は「水」である。
猫は水を撒いてあると近づかないらしい。だがその場所に水を撒くには、バケツで何度も往復しなければならない。そこで長いホースを購入することに決定。

猫のおかげで我が家の財政は確実に圧迫されている。
「超音波装置」、「クレゾール」それに「ドラム式15メートルのホース」、あと夜間の見回り用の「カンテラタイプの懐中電灯」。
まったく参ったにゃん。

ちょっとでも油断すると今でも糞をされる。
そこで「現行犯逮捕」を目指して1日何回も家の周りを巡回する。

そして遂に『その猫』が我が家の『その場所』にいくところを発見!
弟は3階、私は2階からダダダダーっと一斉に外に飛び出て『その猫』を追い払おうとした。すると我が家の前におばあさんが立っていて、しらじらと
「あれー、うちの猫やけど…」と言うのである。
おばあさん、自分の猫になにかされると身の危険を感じたらしい。
(ちがうがなぁー、なにかしてるのはお宅の飼い猫やがなぁー)と 心の中で叫んだ。

いいチャンスだと思ったので、さりげなく
「毎日、毎日いろんなところでウンチされて困ってるんですよー」
と私は言った。
するとおばあさんは聞こえないふりして立ち去っていった。
相変わらず猫は放し飼い。

弟はガビョウかクギを敷きつめる、あるいは有刺鉄線を張りたいくらいだ、と怒っています。でもほんとは私達は猫を傷つけたくないんです。


---------- 猫好きの皆さんへお願い ----------
猫は可愛いですよね。私も好きです。でも猫を飼っておられる皆さん、くれぐれもよその家で糞をしないように気をつけてくださいね。
この日記を通じて猫を飼っておられるおうちでも、よその猫の糞害にあわれていることを知りました。そのおうちでは飼っておられる猫はちゃんと猫用トイレでするようにしつけされているのに、毎日よその猫の糞の掃除をしなければならないそうです。
私も糞害に遭いさえしなければ可愛いなぁ、と思うのですが・・・。

             
(猫の糞害これにて【完】
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ご感想、ご意見などどしどし書き込んでくださいい。



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