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カテゴリ:カメラ、レンズ、写真
以前、格差写真機と称してヤシコン・マウントのケンコー製安カメラに、
プラナー55mmf1.2を付けてブログに駄文を書いた事がある。 高価でレアなレンズだろうがジャンクの安レンズでも、 写真の本質は撮る方にあるという事を思えば、 幾ら苦労して入手した限定品であっても、 レンズを変えた所で写真が上手くなるという事などあり得ない。 個人的には一本のレンズが持つ個性とか特性というものは、 写真という視点から俯瞰すれば二次的なものなので、 時々見聞きする”このレンズだけは手放せない”とか”、 ”このレンズに出会ったお蔭で…”とかいう話に関しては、 レンズの数が増える程に個人的には首を傾げながら何十年も過ごしてきた。 それでも贔屓にしているレンズは幾つかあるのは事実で、 その中の一番がヤシカ/コンタックスのプラナー50mmだ。 そもそも1897年にパウル・ルドルフ氏により生み出されたプラナーという名称は、 100年を超えて今に至るまで続いている世界的に稀有なもので、 オマケにそれは後に世界中へ広がったダブルガウスの元祖でもある。 市井のレンズファンにはレンズに刻まれたカールツァイス銘だけでも特別なのに、 それに加えてプラナーという名称まで追加されたWネームとなれば、 嫌でも尊敬と畏敬の念をもって接するしかないではないか。 そのプラナーが1996年に誕生100周年を記念して、 プラナー55mmf1.2という特別な奴を限定生産する事を発表。 早々にプラナーファンは常にカメラ雑誌をチェックしつつ、 幾ばくかの頭金の準備を開始。 やがて、前日からワクワク/ソワソワしたまま、 持参した頭金とカードの分割でプラナーファンが望みうる、 世界最高峰の標準レンズを迎えに新宿経由で中野へ出掛けた。 店頭で支払いの手続きをしながら初めてレンズの実物と対面したのだけど、 その前に店員さんが奥から持ってきた外箱が何とも普通な事に少し驚いてもいた。 そこから常に手提げ袋から伝わるプラナーを感じながら東京を歩き回り、 帰路のあずさ号の中で改めてコンタックスのロゴがプリントされた紙箱を開け、 中から何の変哲もない取説を引っ張り出すと、 それを眺めながらロング缶のビールで乾杯をした。 その後、苦労して入手した55mmf1.2をどうしたかというと、 最初にコダクロームで数本試写した後は殆ど仕舞ったままで余り使った記憶が無いのは、 定番標準器のプラナー50mmf1.4に比べデカくて重いのもあったけど、 そもそも50mmf1.4の描写に何の不満も無かったからだ。 お蔭で、既に手元へ来てから四半世紀を越えているのに、 通したフィルムはトータルで10本程度かも知れない。 プラナー55mmf1.2は当時のカールツァイスが持っている技術を全て注いで、 近接補正のフローティング機構まで仕込んだ高級標準レンズだったけど、 個人的には実用品というよりはプラナーファンの心の拠り所のようなものであり、 手元にあるだけでホッと出来るプラナー教徒の御神体のようなものだった。 何せ標準レンズのくせに外径がΦ88もあって重さは500g。 これを部屋に張っておくと何かの護符になるかもしれない、 ヴァルター・ヴェルチェ氏により設計されたレンズ構成図のアップ。 1000本の為だけに新規に設計された、 7群8枚という何とも贅沢な凝ったもので、 近接補正のフローティング機構を内蔵している。 コンタックスS2に付けた専用フード付きのプラナー55mmf1.2。 デジタルでフィルム感度とかレンズのf値が無意味になった昨今だけど、 50mmf1.4とは違う、ただならぬデカさと存在感には感動できる。 プラナー55mmf1.2の作例(全て銀塩写真) 2023年の春の進み方に煽られて久しぶりに引っ張り出してみた。 良い感じの雲と八ヶ岳連峰が見守る田んぼには春の日差し。 もう直ぐ農作業が始まって賑やかくなる前の静けさが心地いい。 畑の土手に2本並んで植えられた、 小さな梅の木の花が満開になっている。 2023年の春は進み方が尋常ではなく、 通常なら地元では1か月くらいのスパンでゆっくり楽しめるのに、 あっと言う間に色んな樹種の桜が一気に満開になってしまった。 ここの枝垂れ桜は、いつも他と比べて開花時期が遅くてGW中に花見が可能なのだけど。 大分、雑木林も賑やかくなってきて、 淡い緑色の花を咲かせている柳の後ろには山桜の花が咲き、 カラマツの梢も色が変わってきている。 手前の柳川の土手にも春が訪れたばかりで、 ようやく草が芽吹き始めた所なのに、 奥にある二本の古い桜の木は既に満開となり、 それに挟まれている柳も地味な花を咲かせている。 毎年春になると出掛けていって会いに行く馴染みの桜の古木。 今まで何回も色んなレンズで撮ってきているけど表情はいつも違うので飽きない。 普段は開花が一呼吸遅れる枝垂れ桜も周辺の桜と一緒になって満開になっている。 ここは色んな樹種の桜が植えられている公園だけど、 いつ行っても人がいるのを殆ど見た事が無い贅沢。 別の場所の柳川の土手に咲く桜も満開だ。 背景に見える森のカラマツも色が変わってきている。 田んぼの一角に作られた箱庭では花桃が見事に咲き切って、 その根元にはスイセンも咲いている。 春になると畑を見守る為に登場する案山子が今年もやってきた。 春になって、これから畑の農作業が始まるのを待ち構えている案山子たち。 一眼レフ用大口径のf1.2の標準レンズで、 元々バックフォーカスを長くとる事が難しいダブルガウスの場合、 55mmという焦点距離はその前の58mmと共に、 ’60~’70年代までは一般的なものだった。 以前リコーの傑作標準レンズである、 新しいXRリケノン55mmf1.2を取り上げたけど、 ニッコールの55mmf1.2が50mmになるのは1978年であり、 55mmは標準の大口径レンズには比較的無理のない焦点距離らしい。 同じツァイスブランドで新時代の最高性能標準レンズである、 オータス/アポディスタゴン55mmf1.4もそうだけど、 ツァイスの55mmという焦点距離は、特に名前が”平坦”を意味するプラナーに於いて、 像面の平坦性を維持しながら最高性能を目指すには必需だったと見える。 時間を経て改めて写真を眺めていると色々と考えさせられる事があって、 もう少しリバーサルで使っておけば良かったと少し反省している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.21 19:30:08
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