文房具趣味の取っ掛かりになったサイドノックの0.5mm芯から極太5.6mm芯のスケッチペンシル
日常の筆記具で使用頻度が高いのは、メカニカル・ペンシル/シャープペンだ。長く放置しても万年筆は言うに及ばず、ボールペンの様にカスれたり書けなくなる事のないという信頼性が絶大。木の軸の普通の鉛筆も嫌いじゃないけど、いつでも、サッと取り出してパパッと文字が書けるシャーペンは、小学校ではロケットペンシルがせいぜいで使用は禁止されていたけど、中学で解禁されて以来ずっと使っている。これで思い出したのが、幾つか手にした当時のシャープペンで記憶に残っていて一番のお気に入りだったのが、ペチカという名前で軸の横でノックをするサイドノック式のやつ。TVのCMでもキツツキが軸をノックして芯が出て来るというのを覚えている。ペチカはネットで突いても全然出て来ないけど懐かしいな。このシャープペンは尻軸をノックする奴と違い、一々持ち替えず人差し指でノックできるのが良かった。これに組み合わせるお気に入りの替え芯が、黒い芯の側面に薄くコーティングされた金色がチラッと見える、コーリンの0.5mmゴールド芯だった。以来、シャープペンシルは実用品から趣味の対象になった。その内にプライベートでは芯の太さを0.5mm以外に変えて、0.7mmとか0.9mmの柔らかめの芯を使ったり、もっと上の1.3mmとか2mmを試したりして遊んでいたのだけど、2000年の世紀末にアウロラのマーレという5.6mm芯のスケッチペンを購入。本来は画のスケッチに使うものらしいけど、軸を回しながら線の太さを一定にするように書いたり、本来の使い方で何かの外観をスケッチしたり図を書いてみたり、2種類の極太と細い線も簡単に書く事もできる。家にあるのはイタリア製ばかりで一本だけ国産も買った記憶があるけど、他にはドイツのカヴェコやチェコのコヒノールが入手可能らしい。お気に入りは2本のアウロラだ。専用の革ケースとデスクスタンドが付属していて、尻軸に芯削りが内蔵されてイタリアらしい演出が楽しい。左から4番目の真ん中の青い軸が2000年に入手したマーレ(海)で、左隣の黄色に茶縞はランド・オブ・アフリカという2003年製。青軸の方は諏訪人には海というよりは、標高が高い地元の突き抜ける青空と共に清冽な水や空気をイメージさせてくれて、黄軸は寒い冬でも晴れ間が比較的多い時期の地元で感じる暖かくて柔らかい太陽と、春以降になれば美味い野菜を育ててくれる大地を連想させてくれる。他の2本で左端のクリップ付きでべっ甲柄のはデルタの366シリーズだけど、一般的な長さと握りやすさも含めて扱いやすさはピカイチ。その右隣のモザイク軸はモンテベルディ製だ。ありふれた0.5mm芯とは違い、時々使う0.7mmと0.9mm芯とも違い滅多に使わないという事を思えば実に贅沢なメカニカルペンシルだけど、本当の事を言えば使いこなせないというのが正しい。それでも時々見掛けては取り出して字を書いて見るけど、今の所、主な用途は観賞と独特の書き味を確かめるだけ。結局、シャープペンというと普段使いでは0.5mm芯が殆どで、趣味としてメカニカルペンシルを使う時に引っ張り出すのは、相変わらず0.7mmか0.9mm芯というのが事実。それでも、いずれ小さなスケッチブックでも手に入れて、普通の芯と赤か黄色のカラー芯を入れた二本を使い、高騰している銀塩写真のフィルム節約で、日記代わりに下手な絵を添えたメモ書きでもしてみようかなと思っている。