全て
| カテゴリ未分類
| ブログについて
| レンズ
| カメラとレンズ
| オーディオ
| クルマ
| ランタン
| 音楽
| 酒
| カメラ、レンズ、写真
| 時計
| 文房具
| 器
| 石
| ガラス
| 照明
| インテリア
| 本
| 写真
| 日用雑貨
| 食べ物
| 映画
| オーディオ・音楽
| 旅行
| 映画・ドラマ
| 庭
カテゴリ:カメラ、レンズ、写真
戦後になると主にカールツァイスイエナを補完する立場で、
どちらかというとローコストのアマチュア向けレンズを生産していた、 マイヤー・オプテックのレンズ。 昔は殆ど顧みられる事のなかったレンズで、 クラッシックカメラブームの時にも殆ど無視された存在だった。 個人的にも30年以上前にプラハを訪れるまで、 当時はメイヤーと呼ばれていた東側のマイナーレンズなんか、 そう言えば聞いた事があるなというレベルで何の興味も無かったのだ。 当時のプラハのカメラ屋さんのお目当ては、 日本でも一定の評価を得ていた旧ソ連のカメラやレンズであり、 その次がカールツァイス・イエナの製品だった。 所が、見慣れた旧ソ連やカールツァイスイエナは、 確かに日本国内より安価で種類も豊富だったので、 実際に使ってみたかったものが入手出来ると、 次に鏡胴が違うとか、もっと程度の良い奴とか、 詰まらない事に気が向いて無駄遣いをしないように、 バックパッカーの自制心が働く。 こうなると嫌でも見慣れないマイヤーのレンズに目が行くようになる。 最初に買ったのが、他にはない焦点距離のプリモプラン75mmで、 それ以来マイヤーブランドを贔屓にするようになった。 当時のマイヤーレンズは一部の戦前の大口径レンズはともかく、 戦後のレンズとなれば余程のへそ曲がりか貧乏人のレンズで、 今でこそ、好き者の間ではカリスマ的な存在のレンズもあるけど、 とにかく安いというのが一番の特徴という存在だった。 そのマイヤーレンズの中でも昨今殆ど見掛けないのが望遠レンズで、 どうやらデジタル時代には需要も無いらしく、 一時復刻されたラインナップを見ても無視されている有様。 最初に買い込んだのがオレステゴール300mmf4だった。 殆ど使わない焦点距離なので見てくれがカッコ良くて、 デカくて重ければ結構というだけで選んだレンズ。 手始めに憧れだったツァイスイエナのゾナー180mmf2.8を買い込んでから、 次に、ゾナーの異母姉妹の旧ソ連製ジュピター180mmf2.8を日本へ持ち帰り、 その次に買った巨砲レンズがオレステゴール300mmf4だった。 当時はリュックに押し込んで担ぎ上げる時の重みが嬉しかったのが懐かしい。 オレステゴールは1952年に登場した、 4枚玉のテレメゴール300mmf4.5に変わり、 1967年に登場した5枚玉を使った望遠300mmレンズで、 それ以降は1970年という比較的短期間生産されただけで、 名前を詰まらないペンタコンに変えられてしまった。 実は1966年にツァイスイエナのゾナー300mmが、 5枚玉から6枚玉にマイナーチェンジをしているので、 オレステゴールは1946年に登場した初期型ゾナーと同じスペックになった。 もう一本のマイヤー製望遠レンズはテレメゴール250mmf5.5で、 購入したのは他で見た事が無い焦点距離だったからだ。 このレンズは1952年に登場して10年ほど生産されて後継は無かった。 上がオレステゴール300mmf4で、 下がテレメゴール250mmf5.5。 テレメゴールは軽量で取り回しも楽だけど、 M42マウントだと思っていたらエクサクタだった。 以前、ブログで手持ちのエクサクタマウントで一番長いレンズが、 アンジェニューの180mmと書いたのは間違いである事に今頃気が付いた。 250mm越えの望遠レンズなんか殆ど使い道がないので、 2本ともファインダーを覗いて、それっきりというレンズ。 せめて一度くらいはフィルムを通してやろうと、 造り込みと存在感が凄いオレステゴール300mmf4を、 敢えて引っ張り出してみる。 裏蓋に付いていた値札を見ると、 3200コルナという事で日本円で大体9600円。 安いマイヤーレンズの中でも別格の値段だったと思う。 このクラスの望遠が高いのは、 大きなエレメントの為に大塊のガラスと、 色収差の補正の為にフッ素を使ったED系の硝材も必要だから。 オレステゴールは重さが2Kをg越えで長さは約260mm。 バックパッカー当時に使いもしないレンズを、 リュックの中へ押し込んで、 ずっと中欧を歩き回っていたなんて今では信じられない。 オレステゴール300mmf4の作例(全て銀塩写真) いつも諏訪を見守っている八ヶ岳の阿弥陀岳は雪で真っ白で正に銀嶺。 雪雲が後方に去っていく左隣の北八ヶ岳方面を望む。 コンパスで描いたような綺麗なRが見事。 ピラタスロープウェイ駅から見る景色はどうなんだろうか。 雲が晴れて雪を被った蓼科山が姿を現してくれた。 伝説では八ヶ岳の妹であり、 諏訪富士とも呼ばれる二重火山の柔らかい山容が眩しい。 甲斐駒方面を望む。 満月の夜に印象的な雲との取り合わせが面白い。 勇ましい神話の軍神の名前と繋がるオレステゴールは、 操作してみればヘリコイドは滑らかで機械加工精度も高いようで、 決して二線級のレンズではなく遠距離の解像度とコントラストは申し分ないし、 望遠特有の色収差にしても白が白くちゃんと写るのを見ても優秀である。 現物に殆どお目に掛かる事もなく使用例もないけど、 ツァイス・イエナのゾナー300mmよりも相当コスパは良いと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.30 19:30:08
コメント(0) | コメントを書く
[カメラ、レンズ、写真] カテゴリの最新記事
|