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カテゴリ:書評
V.S.ラマチャンドラン(山下篤子=訳)「脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ」(角川書店、2005.7)を図書館で借りて読んだ。
本書は、神経科学者でもある筆者が、脳の仕組みを一般の方々に身近に感じてもらえるようにしたいとの思いで執筆されたものである。特に、人を含む霊長類は、特に見るということに脳の働きは驚異的であり、脳の神経細胞のふるまいが外界の物体や事象を表しており、神経科学者はこの暗号の解読を試みていると表現されている。その言葉のとおり、現代でさえ、脳の根本的な仕組みはほとんど解明されておらず、脳の一部が損傷する事例でもって何の機能が損なわれるかという事実が積み重ねられてきたにすぎない。 相変わらず、脳のニューロンのなかのイオンの流れがいったいどうやって感覚や質感を生み出せるのかという「クオリア問題」と、自己はどうやって生みだされるのかという問題は解決していない。 とはいえ、全体的に分かり易く書かれ、内容も非常に面白い。 (評価:星五つ ★★★★★) 脳のなかの幽霊、ふたたび お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.24 19:08:42
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