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ねぼすけの読書感想日記

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ねぼすけ2004

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2011.05.08
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カテゴリ:書評

著 者=ジョン・ホイットフィールド(John Whitfield)
訳 者=野中香方子(のなか・きょうこ)
書 名=生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則
原 題=IN THE BEAT OF A HEART; Life, Energy, and the Unity of Nature
発行所=化学同人
発行年=2009.1
評 価=★★★★★



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昔読んだ「ゾウの時間 ネズミの時間-サイズの生物学」という本の中に”一生に打つ心臓の鼓動の数は、象でも鼠でも同じ数。加えてほとんどの生き物も同じだが、その理由は解明されていない”といったフレーズがあったように思う。本書では、「動物の個々の細胞の標準代謝は体重の3/4乗に比例する。この理由は、生物の全ての細胞へ供給する酸素や栄養の通り道である血管を3次元的に配置するネットワーク手法を、フラクタル理論(自己相似性理論)で最適化するとこの3/4乗則を説明できる」学説が有力と述べている。

そういえば3/4乗則は、「同一機能を果たす機器に係る製作費用は、その容量や重量の3/4乗に比例する」という経験則が、産業界における概略コスト計算においても使われたりする。すなわち、同じ処理能力の機器を2台作るより、倍の処理能力を持つ機器を1台作る方がコストが安くつき、それは2-2^(3/4)分安いということである。生物と機械は全く異なるけれど、最適なネットワークを構築する際には同一なんでしょうかね。ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン」の言うとおり、くたばれ「ベルカーブ」、「べき乗則」恐るべしなんだろう。

更に本書では、「なぜ生物はかくも多様なのか」を解明する科学者の最新動向についても触れ、ウィリアム・ソウルゼンバーグ「捕食者なき世界」からの引用も含めニッチと食物連鎖の構造についても興味深く記述している。ただ、熱帯の生物が多様である理由さえも科学的に明確ではないことも正直に述べている。生物学とはかくも未熟なあるいは未完成な学問であったのかが良く理解できる。特定の学説や思い込みに偏らず、淡々と述べる点は好感が持てるが、逆に結論は何なのかが理解しづらい点でもある。ただ、非常に面白い本であることは確かだ。







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Last updated  2011.05.08 16:06:02
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