オンメモリKNOPPIXオンメモリKNOPPIX システムCDROMの内容をメモリ上に読み込み、CDもHDも一切マウントせずにKNOPPIXを起動するオプションがKNOPPIX 3.3で追加されました。toram tohd fromhd の3つのブートオプションです。最初、このオプションのうちのtohdオプションは、FAT32インストールと称してKNOPPIX実験室で紹介しているブート方法、すなわち、あらかじめ、CDROMの内容をハードディスク上にFAT32パーティションにコピーしておき、CDROMの代わりにFAT32パーティションをマウントしてKNOPPIXを起動する方法を支援するオプションだと考えていました。 しかし、いろいろ調べていくうちに、このオプションは、CDROMの内容をメモリ上に読み込み、CDもHDも一切マウントせずにKNOPPIXを起動するためのオプションの一つとしてサポートされた物と考えるようになりました。 もちろん、このようなことをするためには、少なくとも900MB程度のメモリが必要になります。最近は、1GB以上のメモリを搭載したマシンも少なくなくなってきたのでサポートされたのでしょう。たぶん、KNOPPIXの開発者のマシンは、そんなマシンが多いんでしょうね。 私のマシンは、まだ384MBなので、このようなことはできませんが、とりあえず、わかったことだけ、ここで解説したいと思います。 (1) boot: knoppix toram CDROMの内容をメモリ上に読み込んでKNOPPIXを起動するブートオプションです。メモリ上に読み込んだ後は、CDROMはアンマウントされるので、起動直後は、CDもHDも一切マウントされていません。完全にメモリだけで動作する状態になっています。すばらしく高速なLINUXが立ち上がるのでしょうね。ぜひ使ってみたい気がします。 (2) boot: knoppix toram fromhd CDROMの内容をあらかじめHDにコピーしておき、HDからメモリ上に読み込んでKNOPPIXを起動することで、(1)よりも起動時間を短縮するためのブートオプションです。 fromhdオプションはcheatcodes.txtでは「fromhd=/dev/hda2」のような形式で指定することになっていますが、これは誤りです。現在のlinuxrcの処理では、fromhdには"=/dev/hda2"等を指定しても、単に無視され、以下の効果を持つだけです。
(3) boot: knoppix tohd 上の(2)で説明したfromhdオプションのために、あらかじめCDROMの内容をHDにコピーするためのオプションです。HDにコピー後、CDROMはアンマウントされます。 なお、HDへのコピーはlinuxrcの中で行うため、dmaはまだ無効のままです。仮に、dmaオプションを指定したとしても、これが有効になるのは、knoppix-autoconfig実行後であるため効きません。このため、このコピー処理には相当な時間がかかります。実際には、dma指定でKNOPPIX起動後、手操作でコピーした方が早いかもしれません。 KNOOPPIX実験室の実験1-1やでやっていることと似ていますが、以下の点が、少し異なります。
(4) boot: knoppix fromhd あらかじめCDROMからHDにコピーされているKNOPPIX/KNOPPIXファイルをcloopでマウントして、KNOPPIXを起動するブートオプションです。KNOOPPIX実験室の実験1-1ではGRUBを使ってHDブートしましたが、このオプションを使うと、CDブートのままで同様なことができます。 したがって、起動されるKNOPPIXには、実験1-1で指摘している問題はすべて発生します。これらの問題のうち、実験1-1と実験1-3で解決するものは、実験1-3で提供しているminiroot.gzに乗り換えることで、fromhdオプションでも解決します。 (5) KNOPPIX実験室のminiroot.gzで追加した「cdrom=/dev/hda2」オプションについて なお、KNOPPIX実験室実験1-3や実験1-4で提供しているminiroot.gzでは「cdrom=/dev/hda2」というオプションがあり、これが、cheatcodes.txtに書かれている「fromhd=/dev/hda2」に相当する機能、すなわち、"="の右辺で指定したデバイスのKNOPPIX/KNOPPIXをcloopでマウントしてKNOPPIXを起動するという機能を実現しています。 もちろん、これらのminiroot.gzでも、toram tohd fromhd オプションはサポートしています。 (6) これらのオプションの推奨される使い方 これらのオプションの推奨される使い方は、以下のようなものでしょうか。
このような使い方をした場合、メモリは事実上1GB以上必要になりますが、実験1-1~実験1-4で苦労しているような問題は発生しないと考えられます。 (7) NTFSパーティションから読み込んでKNOPPIXを起動 また、実験1-3や実験1-4で提供しているminiroot.gzと併用すると、「knoppix toram fromhd ntfs」オプションを使用することで、NTFSパーティションからメモリにコピーして起動できると思います。(未確認ですが) 1GB以上のメモリを搭載したマシンを持っている方、実験して結果を教えていただけると幸いです。 この記事は、2003/10/11の日記「KNOPPIX 3.3の新機能:オンメモリKNOPPIX」の一部として書かれたものです。 オンメモリKNOPPIXに関連する日記は、他に以下のようなものがあります。 2003-10-15 オンメモリKNOPPIX - ntfsから読み込みにはもう一ひねり必要? 2003-10-13 オンメモリKNOPPIX - パッケージ削除版を使って実験 KNOPPIX実験室 ジャンル別一覧
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