＊モナミ＊ SMAP･映画･本

『スモーク』


10年以上もの間、毎日同じ場所にカメラを向けるタバコ屋の店主、オーギー（ハーヴェイ・カイテル）。
店の常連客で、店主の写真の中に亡き妻の姿を見つける作家、ポール（ウィリアム・ハート）。
そこにもうひとり、彼とひょんなことから出会う、父親を探す黒人少年。

3人の人生が少しずつ絡み合い、ストーリーは進んでいく。


派手なストーリー展開も場面もない、ただ淡々とそこに住む「普通の人々」の姿を描いた映画。
普通の人々の「ほんのちょっとのこと」が少しずつ絡み合い、お互いに影響しあう。

オーギーが、毎日1日も欠かさず、同じ場所で同じ時間に撮る写真。
背景も変わらず、誰を撮っているわけでもないけれど、確かにその「時」が写ってる。
私もそんな写真、撮ってみたいな、と思った。


嘘ばかりついている少年にてこずっていたポール。
しかし、最後オーギーのクリスマス・ストーリーを聞いて一言。
「嘘が上手いのも才能だな」。
これはオーギーに対して言った言葉であると同時に、少年に対しても言ったのだと思う。

人を煙に巻くかのような話。
でもそれが、真実だろうと嘘だろうと、そんなことはどうでもいい。

エンディング、そのクリスマス・ストーリーの白黒映像で、ホロリときました。


ワンシーン、ワンシーンが、語りつくせないほど、素敵な映画。
タバコは百害あって一利なしだけど、
こういう素敵な間や会話の小道具にもなるんだな、と思った映画でした。


【参考】
　goo映画　スモーク


♪本日のBGM
　　
Lady sings the Blues

映画ﾚﾋﾞｭｰ