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『アポロとソユーズ』　著：デイヴィッド・スコット／アレクセイ・レオーノフ


野口さんの無事帰還を願いながら、読んでいました。


アメリカとソ連が、どちらが早く宇宙へ人を送り出すことができるかと、
必死になっていた頃。

そして、1960年代の終わりまでに、月に人類を送り込むと宣言した、
大統領の号令のもと、必死で月を目指したアメリカと、
それまでアメリカよりも一歩リードしていたソ連は、
ますます激しいデッドヒートを繰り広げる。


しかしそれらが、一方を出し抜くための開発レースだったとしても、
そのお陰で宇宙開発事業が飛躍的に進んだと言うことは、事実。


人類で初めて宇宙遊泳をした、ソ連の宇宙飛行士と、
月に降り立った人類の一人、アメリカの宇宙飛行士。

何人も仲間を失い、何度もミッションは延期、中止となり。
それでも宇宙への果てしない夢を諦めず、飛び立った彼ら。

生まれた国の体制も姿勢も全く違えば、個人としての生い立ちも、
全く違う両国の宇宙飛行士。

しかし彼らが、無事に宇宙へと旅立てたのは、
「宇宙へ飛び立つ」という、信念のみ。


お互いがお互いを出し抜くたびに、焦りや闘争心に燃え、
相手の生活を垣間見るたびに、羨望なんかもちらりと覗かせ。

常に、最高国家機密とされていた彼らだが、同じ宇宙飛行士。
お互いを「敵視」していても、実際に会えば、共感することも多々あったりと、
人間らしいところも書かれている。


それぞれの宇宙飛行士が、実際に経験した訓練の様子や、
宇宙で体験したトラブルの描写も、まるで映画のようで、
ハラハラしました。

アメリカ側の著者、デイヴィッド・スコットは、あの『アポロ13』の、
全面アドバイザーを務めたという。


そして、宇宙空間から眺める、青く輝く地球の姿。
宇宙船のハッチを蹴り、宇宙空間へと飛び出した瞬間の、感動。
人類にとって常に身近にあり、羨望の的だった月に、
実際足を下ろした瞬間の、言葉に表せないほどの感激。

彼らが、それらを味わうことができる、数少ない人類の一人となれたのは、
彼らを支える、何万もの人々の力の賜物。

両国が、競争ではなく、協力したらば、もっと早く、
もっと遠くの宇宙に行けたのでは…と、思わなくもないけれど。


しかし1960年代以降、月に人類が降り立ってないのは、
なぜなんだろう？

あれから40年もたった今の方が、当時よりも進んだ技術もあるだろうに。
スペースシャトルで宇宙ステーションに行き来するだけなんて、
なぜだろう？
そのシャトルも、あと5年で引退だと言うし。

それもやっぱり何かの、政治的思惑が、絡んでいるのかなぁ。
月や宇宙を目指すなんて、ムダだと。
そんなことで、国の力を示す時代は終わった、と。


ところで。
宇宙旅行と言えば。

ＪＴＢ、宇宙旅行を販売へ　08年、月は往復110億円
JTBが宇宙旅行発売　ソユーズで月まで


やっと一般人も、宇宙旅行ができる時代に、なったんだねぇ。
って、110億円だから、「一般人」には、やっぱまだムリか。

40～90万円の無重力体験なら、一般人でも体験できそうだけど。
でもこれって、上がって落ちてくるだけの、ほんの何秒か、でしょ？
それならフリーフォールと変わらんような…。


でもそれぐらい？出せる人って、いるだろな。
出せる人が、行きたいと思う人ばかりとは、限らないだろうけど。

私は、行きたいです！
ほんと行きたい。
どこ旅行行きたい？って聞かれたら「宇宙！」って即答するほど、
行きたい。

110億円かぁ…。
それだけつぎ込んでさ、帰還できなくて宇宙の塵となって死んじゃえたら、
もう本望だな…。

誰か連れてってください（笑）。

【参考】
　スペースアドベンチャーズ
　宇宙飛行 ・アポロ計画


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ベスト・クラシックス100

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