『ロリヰタ。』 著:嶽本野ばら
深田恭子主演の映画、『下妻物語』の原作者ということは、
知っていたけれど、野ばら氏が、男性だということすら、
知らなかったです。
「ロリータ」と呼ばれる、独特のファッションに身を包んだ、
乙女たちのカリスマである作家の「僕」は、
図らずして出会った「君」に、惹かれていく。
携帯でのメールのやりとりはしない、と言いつつも、
「いつも繋がっていたい」という彼女の要求に折れ、
新しい機種を手に入れ、首っ引きで分厚い説明書を読み、
徹夜でどうにかメールのやりとりもできるようになる。
君が仕事でホテルに泊まる時は、
2人ベッドで寄り添い眠るけれども、ただそれだけ。
触れるだけのキスですらためらってしまうような君との恋は、
しかし、突然の結末を迎える…。
純愛、というんでしょうか。
まぁ純愛の定義なんて、よう分かりませんが。
SEXがないから純愛、ってワケでもないし。
でも、マイペースで我侭いっぱいな彼女
(我侭で当然な年齢なんだけれども)に振り回されていく、
いい年をした僕の姿に、恋したらそうなっちゃうんだよね~…
なんて共感したり。
最後、「君をこれ以上傷つけないためにも、もう会わない」
と心に決めていた僕は、彼女の悲痛のメッセージにいたたまれなくなり、
取るものもとりあえず、駆けつける。
携帯ディスプレイの絵文字が、滲んでしまいましたよ。
ただ一人の女性として、君を愛していただけなのに、
嘲笑の矢面に立たされた僕たち。
汚らしく書かれた彼女との関係の誤解を解くために、
自分の言葉で自分の想いをキチンと説明しようとしたのに、
それすらも、悪意に取られてしまう。
作家なのに、紡いだ言葉が、相手にちゃんと伝わらない…。
そんな時、たった9歳の君の言葉に救われた。
「言葉なんて、思ったことの全部が、伝わらなくて当然なんだよ」
「お話の内容なんて、本当はどうでもいいの。
お話しているってことが、大切なの。
一緒にお話をしているってことが、気持ちを伝えるってことなの」
切ないね。
切ないよ。
以前、いつかの日記に、「純愛なんてしてないなぁ…」
なんて書いたけれども、なんのその。
してますしてます。
日々、必死です。
想いを伝えるのに。
「どうやったら私がこんなに好きって伝わるのっ!?」と、
日々悶々としています。
言葉だけで気持ちを伝えるのって、ほんと難しい。
かと言って、ちゃんと言葉で伝えなきゃ、「言わなくても分かってくれる」
なんてことは永遠に有り得ないのは、重々承知していることだし。
「思っていることが伝わらなくて当然」かもしれないけれども、
思いを伝えようと、最大限の努力は、していたい。
そう思い、今日も私は、言葉を紡いでいくのです(笑)。
好きな人に会う前に読むと、その人に会えて抱きしめてもらえる幸せを、
改めて実感することができるかも。
作品の中に多々出てくる、ロリータファッション。
どんなものなのか、イマイチ想像できなかったので、ちょっと探してみました。
ふーん。
こんな感じなのね。
ちょっとカワイイかもしれない…。
↑こんなのなんか、コスプレに…(謎)。
ってベビードールじゃないっての(爆)。
もっと若かったら、多分かなりの拒絶反応を示したかと思うけれど、
今ではそうでもないのは、それだけ私も年取った大人になった、
ってことでしょうかね。
まぁこれで街歩け、って言われたら、「それはちょっと…」
というか、世間が許さんだろな。
許してくれるなら…ちょこっとしてみたい…(爆)。
ここまでブリブリじゃなくても、ちょっとロリータテイストっての?
だってぇ、リボンとかフリルとかフワフワとかフリフリとかって、
やっぱり乙女の永遠の憧れですもの♪
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【参考】
NOVARA BOX
◆その他、獄本野ばら氏の著書は→
♪本日のBGM
The Beach Boys Pet Sounds
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