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2005.11.04
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テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:

私は薬に殺される『私は薬に殺される』 著:福田実


年収一千万以上稼いでいた、バリバリのビジネスマンが、
健康診断で引っかかった高脂血症を治すために、
市民病院で処方された薬により、地獄を味わう。

上に立つ人間は、自己管理もできなければと、
人一倍健康にも気遣ってきたのに。
長生きしたかったから、医者の言う通りに運動をし、
薬を飲んだのに。

それなのに、安易に出された薬の副作用のせいで、
死を待つばかりの体になってしまった。

全身に広がってゆく痛みや、
ボロボロになっていく体の描写が、生々しい。


しかし、そんなボロボロの体を引きずりながら、
薬害であることを認めさせようと、病院を相手取り、
裁判を起こそうとするが、医者も弁護士も、相手にしない。

そんな面倒くさいことはしたくない、というのが、
見え見えの態度。


著者は、第一線で活躍してきただけのことはあり、
そんな病院、役所、弁護士にまで、怒鳴りつける。

「サービスがなってない」と。
患者を、何だと思ってるんだ、と。

憤怒に駆られての文章を読んでいくうちに、
早く、協力者が現れてくれればいいのに、
早く、なんとか手を打つことができればいいのに、
という気持ちになり、引き込まれていた。


私も、大学病院に入院してた時、
いくつも年の違わない研修医が主治医だったんだけど、
「膠原病は専門じゃないからなぁ」と言われたことがあり、
愕然としたことがありました。

そんな研修医を、つけるなよ、と。

というか、これが普通の会社であったら、そんなこと、
口が裂けても言えないよね。
例え担当でなくても、「担当ではないので分かりません」
なんて、本気で商売してる人は、絶対言わないでしょ。


それから、体中の骨のレントゲンを撮られたり、
髄液や口の粘膜組織を採るのも、
ずらりと居並ぶ研修医に見つめられながらの検査。

こっちは体がツラいから病院に来てるのに、
早く何とかして欲しいのに、これも必要な検査なのだろうからと、
我慢してマグロのように横たわる私の体を指差して、
「ここの骨はね…」なんて説明する、教授らしき医者。

私の体は、あんたらの教材か、と。
こっちが金払ってんだから、早く治せよ、と。
それがあんたらの仕事だろ、と。

もちろん、その時は具合が悪く、そんなことまで頭は回らず、
落ち着いてから、沸々と怒りが沸いてきたのだけど。

それでも、私の体や検査結果を使って、
それで良い薬や治療法が見つかるならば、と思います。

というか、早く見つけろ。

せめて、医者や研修医も、胃カメラ飲むとか、
直腸スコープ入れてみるとか、それくらいの検査は、
体験して来いよ。

髄液採るのも経験しろ、とまでは言わないからさ。


今の病院は幸い、先生も看護師さんもいい人たちで。
個人病院だし、病院の林立している地域、というのも、
あるかもしれない。

やっぱり病院も、競合相手があれば、
サービス向上に努めるのは、当然だよね。

権威で守られている大学病院や役所は、ダメだと実感。
自分らが、「サービス業」だ、ということなんか、
思ったこともないんだろうな。

「診てやってるんだ」「治してやってるんだ」
って感じなんだろうな。

私たち患者も、「診てもらっている」という意識だから、
ますますそういう医者を、増長させるんだろうけれど。

確かに、私たちには専門知識はないし、
悪いところを見つけて、治してくれるというのは、
とてもありがたいことだけれども。


だからこそ、私たち患者は、医者の言うことを聞いて、
医者の出す薬を飲むのに。

絶対の信頼を置いて、医者の言う通りにするのに、
その薬が死への薬だったら…。


痛みにもがきながらも、生活に苦しみながらも、
「絶対に勝ってやる」との執念で、
病院の悪を暴こうとした筆者。

しかし普通の人だったらば、泣き寝入りだろう。
弱っていく体に鞭打ち、資料や文献を調べ、
徹底的に矛盾を突く、そんなバイタリティは、ないだろう。

医者の言うことだから、弁護士の言うことだから、と、
諦めてしまうだろう。


それとも、医者が出してくれた薬が原因だなんて、
思いもしないかもしれない。

医者の指示通りに、治療をしてきたんだ。
おかしくなったのは、そうなるものだったんだ、と、
納得させてしまうかもしれない。

それを絶対に暴いてやる、過ちを認めさせ、
頭を下げさせてやる、家族や子供たちのために、
賠償金をもらってやる、との執念のみで、動かぬ体で、
必死に闘おうとする筆者。


ただ、中盤以降からの、
怨念のみで生きながらえているかのような文章には、
正直、ちょっと退いてしまった。

でも、自分の体をこんなにした人間たちへの思いは、
どんな汚い言葉を吐いても足りないほどの、
恨みなのだろう。

「こうなったのも自分の運命」だの「天命」だの、
「得たものがあった」だの、まるで悟りでも開いたかのように、
大人しく聞き分けよく受け入れる人よりかは、共感が持てた。

「病気になって得たもの」や、「病気に感謝」など、
健康体であれば得られたはずのものを、
諦めなければならなくなってしまったことへの、
負け惜しみでしかないと思うから。


しかし、非協力的な医者や、及び腰の弁護士やその他、
我関せずな人たちの気持ちも、分かる。

明らかな証拠もなく、裁判でも勝ち目はほとんどないのに、
しかも、自分の利益にならないばかりではなく、
マイナスになるようなことを、誠意や信念だけで、
進んでやろうとする人は、やっぱり希少だろうから。

実際、我が身にふりかからなければ、
誰もが「他人事」だから、と距離をとってしまうのは、
仕方ないだろう。


自分の体のみならず、家族の生活、子供の未来まで、
潰されてしまった作者。

彼が最初の法廷に立つところで、本書は終わっているが、
その結果がどうなったのか。

裁判は、進んでいるのだろうか。
まだ戦い続けているのだろうか。

それよりも、彼はまだ、生きているのだろうか…。


何気なく飲んでいる「薬」。
病気を治してくれるはずの薬が、
死を招くものであるなどと、思いもしないけれども、
薬害は、何度も繰り返されている。


明日はわが身かも…とゾっとし、
そして拝金主義の現実に、悲しくなった一冊でした。



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最終更新日  2005.11.04 18:40:01


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