*モナミ* SMAP・映画・本
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『あなたになら言える秘密のこと』 工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)はある日、 働き過ぎを理由に、工場長から強引に、 1か月の休暇を言い渡される。 仕方なく小旅行に出かけた彼女は、 看護師を探していた男に声をかけ、 2週間の油田掘削所での仕事を引き受ける。 彼女の仕事は、事故で火傷を負い重傷の、 ジョゼフ(ティム・ロビンス)の世話をすることだった。 黙々と仕事をするハンナ。 あまりに真面目すぎるせいで、 同僚たちから不興を買ってしまい、 上司に無理矢理休みを取らされる。 ちょっとなまりがあることと、耳が悪いのだろう、 ということ以外、私たちは彼女のことを知り得ない。 それはジョゼフと出会ってからも、 なかなか明かされない。 事故のせいで目の見えないジョゼフは、 なんとかして彼女のことを聞き出そうとするが、 そこでも彼女は、黙々と看護をするだけ。 潔癖症で、チキンライスとリンゴが好きで、 ちょっと変わった人。 とっつきにくく、誰とも交わろうとしない、孤独な人。 それは、彼女の過去に原因があったのだと、 ジョゼフが自分の秘密をハンナに打ち明けた後に、 ハンナの口から語られる。 語ることもおぞましい過去、忘れたい過去、 だけども、忘れることもできない事実に囚われた彼女。 誰かと関われば、聞こえない耳のことを聞かれるだろう、 過去に何があったかも、話さなければならないだろう。 だからハンナは、聞こえないフリをして、 誰とも距離を取らざるを得なかった。 封印したい過去を語らずに済むように。 カウンセラーの女性が言う、 生き残ったことを恥だと思ってしまうほどの過去を、 淡々とジョゼフに話すハンナ。 涙を堪え、想像を絶する出来事を話すうちに、 押さえつけていた過去と感情が、溢れ出す。 工場での真面目さも、決まったリズムの毎日も、 今まで押さえつけていた感情を溢れさせないための、 彼女なりの防衛策だったのだと、気づく。 海上の油田採掘所という閉ざされた空間にいるのは、 ハンナと同じく、孤独を愛する人たちで。 多分彼らもそれぞれに「秘密」を抱えているのだろう。 彼女に余計な干渉をしなかったからこそ、 彼女も心を開くことができたのかもしれない。 岩に打ち寄せる波のように、ただ寄り添うだけ。 けれどそれがいつしか、岩の形を変える。 静かな力って強いな、と思った、1本でした。
『パッセンジャー』 Passengers 2017.04.01
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.30
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.29
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