午前十時の映画祭で、『ミクロの決死圏』を観てきました。
物質の縮小技術が研究されていたが、それは1時間が限界で、
それを越えると元に戻ってしまう。
この限界を克服する新技術を開発したチェコの科学者が、
アメリカへ亡命途中、脳出血を起こし意識不明となった。
かくて米情報部は、特別編成の医療チームを細胞よりも小さく縮小し、
博士に注入して患部をレーザー光線で治療する計画をたてた。
だが縮小持続時間はわずか60分。
襲いかかる白血球、異物を吸収しようとする毛細血管、タンパク質。
そして度重なる事故。
様々な障害を乗り越え、チームは疾走する。
人体ってほんと不思議ー。
好きなんだよねー、こういうミクロな世界。
人体とかアリやハチの世界とか、宇宙とか。
あ、宇宙はマクロか(笑)。
体の仕組み、体の中のことは、一番身近でありがながら謎に包まれていて。
医療に携わる人間であれば誰でも、実際に体の中を、それも生きている体を、
見てみたい、と思うだろう。
それが叶う技術が今、完成しつつある…!
って、米ソは何のために、この技術を開発しようとしてるんだろうか?
ただ単に、人間の体の中に入ってみたいという、純粋な科学的医療的目的?
だけとは、とても思えない。
この両国のことだから、それを絶対他のこと、たとえば諜報活動とか、
もっと行けば、目に見えない兵器の発明とかに使うためかと。
だからこそ、チェコの科学者がアメリカに亡命しようとし、
そしてその途中に襲われたのだから。
しかもあんな秘密基地まであって、怪しいことこの上ない(笑)。
でもその縮小技術は、今のところ60分しか持たない。
60分もあれば十分なんじゃ?と思うけど、このミクロサイズでは、
ほんのちょっとの距離を移動するにもとんでもない時間がかかるのだから、
そりゃ長ければ長い方がいい、と。
その延長技術を開発した当の科学者が、脳血栓だかで倒れてしまった。
しかもそれは、手術で取り除くことの出来ない場所。
そこで登場!
スモールライトー!(爆)
しかしまぁ、この頃は最新の、画期的なSF映画だったんだろうけど、
今見ると、なんともアナログな(笑)。
小さくなった潜水艇を持ち上げるとことか、人力かよ!みたいな。
今だったら全て人の手を介さないコンピューター制御だろうに。
無線も、ツートントンだし。
人体図も、丸めてある紙を広げての航海だし。
今だったらほんと、もっと簡単な旅になるだろう。
もっとも、今でも縮小技術は開発されてないようだけれど。
まぁそういう隔世の感は当然あることだから、それはおいといて。
体内の描写はすごい!
リアルなのかどうなのかは、見たことないから分からないけど、
すごく幻想的、というか。
血管の中を通っていくんだけど、血液そのものは赤くないというか、
赤いのは赤血球だけで、水分である血漿は赤くない、とか。
ガス交換も、こんな風になってるんだ、とか。
脳の神経系ってのは、こんな風に電気で伝達されてるんだ、とか。
マッサージでリンパが滞ってるとかいうのは、こういうことか?
なんて思うところもあったり。
実際に医師や科学者たちの意見に基づいての制作らしいから、
そういう描写も、分かっている時点でできるだけ、リアルなんだろう。
しかし最後は、予算切れ…?って思っちゃうほど、あっけないというか、
慌しいというか、雑(笑)というかな終わり方だったけれど。
帰還したことも、もちろん大喜びの大歓待なのは分かるけど、
まず最初に、本当に治療できたのかを確かめなくていいの?とか(笑)。
いやまぁ、そこんところはどうでもよくてね。
体の中に実際入って、体の中から悪いところを治す。
こんな技術が早くできればいいのに。
あぁでも私の中のミクロマンたちは、外耳辺りでもうボロボロかも。
ヘッドフォンでガシャガシャ音楽聴いてるから(笑)。
『ミクロの決死圏』 著:アイザク・アシモフ
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