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カテゴリ:おもいおもい
その記憶は胸に色濃く、鮮やかな赤 ほの暗い闇に淡いピンク それから… ふとした瞬きに襲ってくる記憶。 たくさんの色の洪水… 感情の濁流 私が手放したものが何であったか。 例えばあの船から見た、 東京の真上に広がった 嘘みたいな夕焼け。 例えばまだほの暗い朝の 桜の薄墨の下 詰め込んだ荷物の重みで、 ゴロゴロと手に伝わる期待と不安。 それらすべては過ぎ去ったものとして 愛しい想い出として、目の前をふわりと通過していく。 そうして 私が今、手にしているのは 小さくて柔らかな、愛しい肌色。 桜貝のような小さな爪がついた指の 想像以上に強いちから。 生きようとするちから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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