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もんち*

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November 3, 2019
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皆それぞれ同じ面積の庭が用意されていて、

そこにどんな種を植えるのも自由で

大きな木を抜いた残骸の残る 庭を持つ私は

もうずっと、新しい種子はいらないと言っていた

 

それでも、土を耕したくなった

逞しくて繊細な枝葉を見て、

新しい葉をつける種子を植えてみたくなった

 

どうして…悲しみを生むような果実ばかりつける種子を

選んでしまうのかという問いは

まだまだ答えが出ないけど

 

思い残すことなく、生きて

味わい尽くして死ぬと決めたから、

実った実が苦くてどうしようもなくても、

頭がおかしくなるような麻痺の効果があっても、

全て 味わい尽くした

 

ふいに麻酔が切れて

ずっと眠っていた私が起き上がる

 

いいよ、

私らしい果実じゃないか

 

 

いつかの

あなたの 心細そうな声を思い出す

何度も何度も同じことを繰り返して、

狂おしさを、私に「話せる」ということが

幾分かあなたの救いになっていたんだろうなと

 

あなたの声を反芻して

声を、重ねる

傷跡を、優しくなでるように

 

根の奥の穴でくるまる

仄暗くて、暖かい…

 

ここの温度と湿度以上に

安心するものはないなと思う

 






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最終更新日  November 25, 2019 02:29:04 PM
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