カテゴリ:雑感
ちょっと前の話題で恐縮だが、
地元福岡の名門、福岡高校出身の東京工業大栄誉教授の大隅良典さんが 今年ノーベル賞を受賞された。 まことに誇らしく、めでたいことだと思う。 ところで、このニュースを聞き、わたくしが最初に感じたことは、今の日本はノーベル賞受賞者がでているが、この先、20年後、30年後もこの調子でノーベル賞を受賞する人がでるのか?ということである。 ノーベル賞というものは、たいてい長年の研究の成果を評価するものなので、受賞者はわりとお年を召した方が多い。 その方々が若かりし頃、そして現在にいたるまでの研究環境と、今若い研究者としてスタートを切ったばかりの方のこれからの研究環境を比べたとき、果たして後者から、今後もノーベル賞受賞者がでるのか?ということだ。 そうしていると、今度はこんなニュースが飛び込んできた。 国立大学の教授が定年しても、後継者を採用しないというのだ。 ニュースのURL いろいろ各大学で差はあると思うけど、 大体国公立系の大学の1年間の学費は50万程度、私学は100万程度のようだ。 経費節減が嫌ならば、 経済的に経営が苦しいのなら、学費を上げたらどうか、 文部科学省もよくまあ、そんなことが言えたものだと思う。 優秀な人材の確保とかほざいて、留学生を優遇し、なんだかんだとお金をばらまいているようだが、その前に、優秀な人材も大事だが、大学そのものの存在意義を忘れていないか?と思う。 大学は教育機関でもあるが、研究機関でもある。 研究にはお金かかかる。文系でも理系でも。 お金がなくては、いくら優秀な人材がいても、結実しないのではないか。 大学に渡す交付金をカットして、これから先の未来、どうする気なのだろう。 大学がすべてではないことは確かだが、 教育機関がしっかりと機能しない国の文化はどうなるのか、 学術的なレベルの発展どころか維持すらおぼつかなくなるのではないか、 そんなの誰が考えたってわかるだろう。 先のノーベル賞受賞にあたって、大隅教授が基礎研究はすぐにお金になるようなものでもなく、成果があがるようなものでもないが、これなくして発展もないと発言されている。 そして、そのような一見「無駄」のように見える部分にも、きちんと研究費がいきわたらないと、研究はできず、結果的に衰退していくということになるのだろう。 今までの蓄積もあるから、3年、5年などという短期間では露見しないかもしれない。 文明は東から発達し、少しづつ繁栄は西へ移動したと言ったのは、確か高校の時の世界史の先生だったか。 そうしてみると、日本の時代は短くも終わりをつげ、さらなる「西」へ そろそろ一周するということか。 日出国として、沈まない国でいたければ、それなりの対策が必要で、 逆行しているかのような、今の政策には疑問を感じる。 ノーベル賞がすべてではないし、こだわるつもりもないが、これも指標のひとつ。 のちの世を憂いたくなるニュースが多すぎる気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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