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●店長の自転車活動報告●

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2015.02.12
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「百井峠。悪路の超激坂。素人にはおすすめできない。酷道マニア向け。」関西ヒルクライムTTより抜粋

2月11日建国記念日。天候曇り時々晴れ。現地気温4度。愛車はMTBアゾニック。

京都駅まで輪行。京都駅から出発して、まずは鞍馬を目指して38号線を北上する。鞍馬までは16kmほどなので、さほど時間はかからない。小一時間といったところか。

やはり京都は寒い。覚悟はしていたものの走り始めは体温も上がらず、しばらくは震えた身体に耐えながら走る。このようなときには気分はどうしても乗らない。若干、後悔じみたような気分になりつつも前に進むしかないと、自分に言い聞かせて、ペダルを漕ぐ。京都市内を抜けると加茂川にぶつかりそこから小高い原峠を越える。さすがに上りをこなすと身体も温まり気分がぐっと前向きになるように変化してくる。

早朝の出発だったため、食事をしていないことに気づき、本格的な上りになる前にコンビニにて朝食をとることに。

コンビニは国道40号線の比叡山電鉄鞍馬線の二軒茶屋の駅近くにあった。途中、40号線から38号線へ入り、本格的な鞍馬へ向かう上りとなる。このあたりぐらいまでくると道路沿いにある民家がほとんどで、京都市内の面影とはかなりかけ離れた雰囲気となる。京都はそのコントラストの強烈な地域でもある。

京の都が繁栄したのもこの地域性が強かったと思われる。四面は急峻な山に囲まれて、まるで砦のような地形を造り上げている。つまり、守られた地域であったということが言えよう。

コンビニでの朝食が済むと、いよいよ本格的な上りが待ち受けている。ここはじっくりと走るに限る。鞍馬までは4.6km、勾配が4%~5%ほどの上りをこなす。序盤ではあったが、それでもそれなりにきつさはあった。しかし、その後の勾配のことを考えたらほとんど平坦と言わざるを得ない。

写真の1枚目は鞍馬寺前での記念写真である。鞍馬寺より少し上がったところに温泉がある。くらま温泉である。日帰り入浴ができる温泉となっていて、ゆっくりと温泉にでも浸りながらと考えるが、まだ序の口。ここで気を緩めるわけにはいかない。

ここ鞍馬がヒルクライムのスタート地点となる。途中、百井別れがあって花背峠と百井峠との分岐点となる。関西ヒルクライムTTによるとメインは花背峠らしいが、今回は百井峠を目指すことにする。百井峠までは6.2kmほどである。

私たちが近場で練習するコースと比較すると、距離的には十万辻ぐらいだろうか?勾配はそれ以上にありそうではある。とにかく、スタート地点へ立ってしまったので、チャレンジする意外に選択肢はない。

くらま温泉からいよいよ持ってヒルクライムが始まると言っても良いだろう。6%~8%ぐらいの勾配となりぐっとペダルにかかるトルクも大きくなる。ギアを軽くして、心して上ることに徹する。

風景も一変し、薄暗い森林の中を走るようになる。そして、心配していた雪が路面を徐々に覆い始めたのだ。それでも、祝日の日とあって、ロードで上ってゆくやからがいたことには驚いた。決定的に、路面はスリッピーで上りは良くても、下りはアウトだろうと思うのだが。それほどにリスクを持って走るほど彼らのモチベーションは上がっているのだろうか?おそるべし。

私は、MTBであるがゆえに楽しくヒルクライムを走ることができた。昨年の美山での雪上サイクリングを思い出した。むしろ、雪が増えれば増えるほど楽しさは倍増してゆくのだった。

百井峠の手前の百井別れがある。そこまででもそうとう気持ちが砕けそうなほどのヒルクライムだった。初上りはどこが終点か計り知れないので、気持ちがどこまで切れずに続くかが勝負となる。なんとか百井別れまでたどり着き一息を入れる。ここまででも禅の境地を遥かに超えて、死に物狂いに漕ぎ続けるといった方が表現としては、合っているように思える。

そしてさらに、百井別れから百井峠までの上りがとてつもない激坂であった。今までの苦しさが、些細なことに思えるほど、キツイ。それは暗がり峠を彷彿とさせるような勾配であった。MTBのギアをフルに活用して足を回すことのできる限界をキープしつつ、耐えて耐えて上る。それは地獄としか言いようのない状況であった。しかし、そんな状況でも足を止めることはしなかった。なんとも不思議な気持ちにさせられるのがヒルクライムなのだ。

百井別れからの路面は雪に覆われ、すでにMTBの世界へ突入していた。それはそれで楽しかったのかも知れない。すでにそのときにはランナーズハイの状態に陥り、頭の中は自分のものではないかのように、フワフワと無重力のような状態になっていた。気がついたら着いていた、といったほうが正しい表現かも知れない。10%越えの勾配が延々と続く中で気持ちをどのように持ちこたえることができたのかは、知る由もない。とにかく、百井峠にたどり着くことができたのだ。

峠はすっかりと雪の世界だった。路面も周囲の杉林もすっかりと雪景色だったのだ。京都の山はこれだから気が抜けない。下界とは別世界なのだ。

峠を越えると、今度は下りになる。下ると民家が数件ある集落に出会う。大原百井町だ。時間が十分あったために少し寄り道をすることとした。町中の分岐点をそのまま477号線を下ると367号線へ合流する。左へ曲がって知らない道を走ると、それもまた376号線へ合流すると、道路上の道案内にはそう表記してあった。ただ、そこにはそちら方面への通行止めの表示もあったことは確かだ。しかし、トレトレ感覚で、通行止めなら1kmほども歩いたなら367号線へ出ることができるだろうと、安易に考えてしまった。結局寄り道を選択してどのような状況なのか興味本位でしばらく走ることとした。

案の定、そこはすばらしく美しい雪一面の銀世界だった。すっかりと雪に包まれた林道を快適にMTBを走らせて行くと、そこには杉林のトンネルが待ち受けていた。太陽の木漏れ日が、とても気持ちよく、すっかりと有頂天になってしまった。行けども行けども、出口は見つからなかったが、構わず走り続けた。

行き止まりの手前まで走らせると、一台の軽トラックが走ってきた。初めて出会った自動車であった。その車は、私の傍に停車して、ウィンドウを下げて
「この先は行き止まりだよ。」と教えてくれた。
私は、それは承知のことで「ありがとうございます。」と言ってさらに先へ進んでみた。行き止まりは大原大見町だった。そこには、分岐点があり道路標識に鯖街道と書いてあった。なるほど、この道は旧の鯖街道にあたるらしいと半分納得してその先の道路を探してみた。

なるほど、そこから先は除雪していない道路になるのだ。50cmはあろうかと思うほどの積雪である。MTBでさえ走ることは困難であろう。担いだとしてもこの先まともな道路があるのか無いのか検討もつかない。

結局、分岐点まで戻ることにした。

帰りも雪の中の林道を楽しんで帰った。その後大原に寄ると、観光客で賑わった三千院は自分にとっては場違いな場所であると感じた。と同時に、人ごみが懐かしく感じられた。

非日常を求めて、山を走る。山に焦がれて走る。しかし、寂しい山を体験して帰ってくると街中の喧騒が懐かしく思える。どちらが良いと言うのではなく、どちらもバランス良く求めることができたのなら、それが一番良いことなんだなと素直に思える。

自転車は寂しさと喧騒とを行ったり来たりできるすばらしい乗り物であることには間違いなさそうである。

帰りは京都駅近くで早めの夕食を取り帰宅した。総走行距離90km弱といったところだろうか。

久々に哲学的に自転車を分析してみた店長でした。





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Last updated  2015.02.12 16:11:13
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