|
カテゴリ:本屋さんのひとりごと
もう既にご存じの方も多いと思いますが一応・・・
なんせ記入率100%のためには穴埋め記事が必要なもので(笑) ハリーポッター完結編となる第7作『ハリー・ポッターと死の秘宝』(日本語版)は、 2008年7月23日に発売となります。 定価は上下巻セットで3990円。 ![]() 第1巻『賢者の石』が発売になってから既に10年近く経ちますね。 発売のたびに凄い売れ行きで話題に事欠きませんでした。 思えばこのシリーズからファンタジー作品のコーナーが巨大化していったような気がします。 それがとうとう完結してしまうとなると、ちょっと寂しい気もしますが・・・ これに続く作品がまた新たに登場することを願いたい・・・ なんせ『ハリポタ』はお化けでしたからね~ これほど売れた本は他に扱ったことがありません(笑) でも、本屋に勤める者として一言あったりします。 『ハリポタ』新刊の発売が近付くと、出版業界には激震が走ります。 なんといっても初版から数百万部という大変な数ですから、まず流通が大変なことに。 (通常の単行本は初版数千部なんてザラです) この商品を全国に輸送するため特別のラインが組まれます。 また、『ハリポタ』が出ると、その分他の本が売れなくなるので、 主要版元は同時期の新刊発売を抑制するようになります。 なんつっても4000円近い高額本ですからね。 いくら『景気が回復している』と言われても、その分他の本の購入は減るでしょう。 それ以上に大変なのが、『ハリポタ』は第4巻以降全て『買い切り』商品であるということ。 つまり、売れ残っても本屋は返品出来ないんす。これ重要。 版元の静山社がごく少人数でやっている小さな出版社だからなのでしょうが、 でもこれってとても本屋にとっては痛い話なんです。 仕入数に失敗すると、たちまち返品不能の本の山が築かれてしまう。 過去、ウチでも失敗して余ってしまい、困ってしまったこともありました(涙) まあ、全国の本屋が希望数通りに入荷出来るという点では良い話なのですが・・・ 小さな本屋では残ると却って大変なので、発売当日にTVで放映されるような 超大型書店以外ではそんなに沢山積み上げることは難しいのではと思います。 尤も、予約を獲ってしまえば良いだけの話でもありますが。 以前、第5巻『不死鳥の騎士団』が発売された時は本当に大変でした。 発売日は9月1日だったのですが、入荷日は8月31日。 そう、取次からの本の仕入れ代金の請求はあくまで8月末日付け。 でも、当然発売前に店頭に並べるわけにはいかない。 よって、8月の請求はトンデモない金額になってしまった。 その分発売になった後は当然売れるので9月の請求はラクになるのですが、 一か月のズレは資金繰りを考えると結構大変な話なんすよ。 他の本屋の話を聞くと、その請求が大変なので、『ハリポタ』発売前には大量の返品を 出すそうです。『ハリポタ』を仕入れるための資金を確保するため、他の本を売場から 外して返品し、その分を『ハリポタ』の仕入れに回すわけですね。 まあ、本屋以外には全く関係ない話だと思いますが、ここまで巨大なセールスが 期待出来る本だと、色々と大変なことが逆に起こってしまうということですね。 発売前には各版元さんも返品を恐れて新刊を減らすでしょうし、 本屋さんも棚をガッポリ空けてしまうところも出るかも知れません。 ま、ウチもよそ様のことを言ってる場合ではありませんが(笑) ま、本屋に足を運んで下さるお客様が全て『ハリポタ』目当てではないと思いますので、 そういったお客様に対する『しかけ』を用意出来ればなと、 今からちょびっと考えておるわけでありますよ(笑) ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本屋さんのひとりごと] カテゴリの最新記事
|