自然育児 森のわらべ 多治見園
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次男坊の幼稚園探しで出会った「森のようちえん」。 もうかれこれ、8年前のことになるけれど 当時の日本ではまだ森のようちえん活動が、ほとんど認知されていなかった。 次男坊が通っていた森のようちえんは、当時立ち上げられたばかりで 人もお金も理解も集まらない。当然、運営にも保育活動にも多くの苦労を要した。 (森デビューした頃の次男坊) 私はこのときから、森のようちえんへの人々の理解が深まるには 「数」が必要だと痛切に感じてきた。 「森のようちえんが、日本中に当たり前に存在するようになること」 これは当時から今まで一貫して描いてきた私の夢のひとつである。 だから、4年前に森のわらべを立ち上げたときから(実際にはそれ以前から)、 自分の園を安定させることと、日本中に森のようちえんを応援していく活動と両方に常に取り組んできた。 なぜなら、森のわらべの発展と日本中の森のようちえんの発展は必ずリンクしているからだ。 2004年からは「森のようちえん全国交流フォーラム」が毎年開催されるようになり、 2008年には「森のようちえん全国ネットワーク」が設立された。 マスメディアに取り上げていただく機会も増え、確実に日本に森のようちえんが増え、理解も深まってきている。 何よりも、現行の幼稚園に疑問を感じるお母さん達の手作りによる森のようちえんが多いのも、日本の特徴である。 ということで、前置きが長くなったけれど、私はお声がかかれば日本中の森のようちえんの応援に駆けつける。 これまで関わらせていただいたのは、鳥取県智頭町の「森のようちえん まるたんぼう」。 愛知県豊田市の「森のようちえん 森のたまご」。 岐阜県土岐市の「野外自主保育 じゃんぐる☆ぽっけ」。 兵庫県の「森のようちえん 虹の子」。 その他見学の受け入れや、メール&電話でのご相談など日本中の様々な森のようちえんとご縁をいただいている。 そして、今回訪れたのは広島県で活動している「森のようちえん まめとっこ」。 発起人であり代表の石井千穂ちゃんは、以前愛知県に住んでいて、森のわらべの開園時から2年間、ボランティアスタッフとしてお手伝いをしてくれた大事な仲間であり、妹のような存在。 開園時に心と力を尽くして森わらと私を助けてくれた千穂への恩を私は決して忘れない。 当時からいずれ広島に帰ったら自分で森のようちえんをたちあげたい・・・という志を持って、森わらに関わってきてくれた。 保育資格があるわけでもなく、幼児教育の経験があるわけでもない千穂が、ただただ我が子を森で育てたい、その一心で広島で立ち上げたのが「森のようちえん まめとっこ」だ。 1年半前にも広島に呼んでもらった。この時は地域一般の人たちを対象に、大きな会場での講演会で、森のようちえんとは何ぞや・・・と浅井のこれまでの実践を交えた森のようちえん活動の紹介だった。 広島でこのような会が開かれたのは多分当時初めてのこと。まめとっこだけでなく、広島県内はもちろんのこと、近隣の県の野外体験活動従事者のみなさんもいらしてくれた。 忘れもしない、震災当日のことだった。 あれから千穂にも、まめとっこにもいろいろなことがあった。 立ち上げ期に集まった仲間たちが、運営の方向性から別団体を立ち上げたりして一気に減ってしまったこともあった。(どこでもあるんです、開拓期には・・・) そして、千穂はこの夏 第二子を出産した。長男HAくんはすでに年中さん。 二人の息子のためにより良いまめとっこにしていくのはもちろんのこと、仲間たちの理解を更に深めるために、今回浅井をまた呼んでくださった。 10月4日 初日は講演会。「森のようちえんで育まれるもの」 森のようちえんで育てるってどういうこと? 森のようちえんで育てて 学校に行ってから大丈夫なの? こういう不安って必ず出てくる。そんな思いに応えるべく、浅井の母親としての我が子を通しての体験と、保育士としての目線で語らせていただいた。 一日目のまめとっこのお母さん方とのやり取りの中で、少しずつまめとっこの今が見えてきた。 当初二日目は、スタッフ(保育協力者)とようちえんの園児の親御さんだけの浅井との座談会が企画されていた。でも、入園願書を提出する時期の今、入園前の、森わらで言う親子組の会員さんたちにこそ、話を分かち合う必要があると感じた浅井は、急遽対象者を拡げるよう千穂に指示をする。 なんと 当日の招集にもかかわらず、ほとんどの親子組の親御さんたちが集ってくださった。 それだけ、 これからまめとっこって、どうなるの??? まめとっこに入園させて大丈夫なの??? 私の気持ち 聞いて欲しい。 千穂の思いを もっと聞きたい。 ・・・という思いがみなさんの胸にあふれていた・・・ということだった。 午前中気持ち良い広島の森での親子散策のあとで、子どもも大人も少々お疲れ気味だったにもかかわらず、座談会は多いに盛り上がった。 千穂にとってみたら、今の千穂を私によって丸裸にされ、辛い気持ちもあったと思う。 でも、本音でぶつかりあわないと、大事な我が子を託す場を同じお母さん同士で創りあげていくなんてことは無理だ。 産後二ヶ月のまだ体も心もしっかり整っていない時期に、千穂は最善を尽くしてきたと思う。 だからこそ、私のいる二日間を最大限実りのある形にするため、私に出来ることをさせてもらわなくてはと思った。 千穂と私のこれまで築いてきた信頼関係があるからこその為せるワザの荒療治だったかもしれない。 涙あり、気持ちの高まりあり、本音トークあり、そして・・・あったかさあり・・・。 とても貴重な時間だったと思う。 私としてはどこか切ない気持ちになっていた。 8年前に森のようちえんに関わるようになって、先の見えない園のあり方に不安を抱えながら でも どうしても我が子を森で育てたくて、奮闘していたあの頃の感覚がまざまざとよみがってきたのだった。自分自身体験してきたことなのに、すでにどこか忘れかけていたんだなあ・・・とショックでもあった。 当時は闇雲に走っていたような気もする。でも信じた道に間違いはないと、自分の感性と仲間を頼りに、道を切り拓いていったのだった。 あの頃の自分と千穂を重ね合わせて、ただただ寄り添うことしかできず切なかった。 千穂はただのひとりのお母さん。それも産後間もない体で頑張っている。 それって スゴイ! 本当にスゴイ!! 私には真似のできないことだと本当に思う。 それだけ 千穂の覚悟がハンパじゃないことがわかる。 そんな まめとっこから嬉しい報告が届いている。 まめとっこのブログを見ていると、私の広島行きが無駄でなかったと感じられ、とても嬉しい。 ■ 10/4・5 森のわらべ多治見園 智ちゃんを迎えて 1
■ 10/4・5 森のわらべ多治見園 智ちゃんを迎えて 2
■ 10/4・5 森のわらべ多治見園 智ちゃんを迎えて 3
■ 大充実!定例会
上記で紹介した まるたんぼうも、森のたまごも、じゃんぐる☆ぽっけも、虹の子も、まめとっこも、園運営のスタイルこそそれぞれ異なるが、全部お母さんが我が子のために立ち上げた森のようちえんだ。 そんなお母さんたちをこれからも 浅井は応援し、共につながりあって育ち合っていきたいと心から願っている。 来月の森のようちえん全国交流フォーラムin兵庫の浅井の分科会では 「お母さんが創る森のようちえん -お母さんの お母さんによる お母さんと子どものための森のようちえん-」 というテーマでみなさんと分かち合う。 広島に行けたこと、この分科会にも多いに活かせられそうだし、また新たな出逢いがありそうで、今からとっても楽しみだ。 まめとっこのみなさん、素敵な時間を本当にありがとうございました。 今後とも 石井千穂ともども、どうぞ よろしくお願いします。 (千穂の愛する息子たち キャワユイ!) 園長 智子