『行き詰まったときの兼好さん』 田中秀行 すばる舎
この本の中で、気になった言葉たちです。
偉大さとは、気を抜かずに、あることを努力し続けた量による。それが、量こそ質。
現在もっとも成し遂げなければいけない事柄は何かということを自覚して、それが長期的に途切れずにすむために、一時の無理をしない。
何だって完璧にやり通すことはできないのですから、緩める時は緩めないと、最終目的が果たせなくなってしまう。
人生の岐路になるような重大なことは、平常な状態の時に決めるのがよい。決める前に一度、いま自分が平静・平常かを確認することを心掛ける。何かを決めるときは、少なくても一日おいて考えなおす。
読書は学ぶものではなく、楽しむもの。読書とは、知識を吸収できるから楽しい、真剣な人生論に触れるから楽しい。読書によって、自分と等しい人ではなく、「自分と同じ要素を持っている人」を探す。これを幾人か組み合わせて、それらの総合体が自分だと思えばいい。その時その時に、自分の中で一番強く感じられる要素を持つ人と、読書においてつき合えば、友に事欠くことはない。
ツイッターのような同時性、同時代性のものに触れるのとは違い、同時代ではない人や事柄に触れることができる。
まだ自分が未熟だと思っていれば、精進を続けられる。できるようになったと思ってしまうと、そこで進歩が止まるだけでなく、堕落が始まる。