『スカイライン-征服-』
二ヶ月ぶりです、すみません。で、再開がこれ(笑)映画館に行ったとき、欲しかったのは、息詰まる緊張とサスペンス、そして恐怖でした。この映画、エイリアンの侵略モノなのですが、そのすべてが、ないわけだ。監督のストラウス兄弟は、私が微妙な気分になった、『AVP2』を撮っていて、後からそれを知ってなるほどなー、と思ってしまった。出てくる人間の恐怖とか緊張感が、まったく伝わってこないのです、この映画。そしてそれは、役者のせいとか演出のせい脚本のせい・・・ももちろんあるけど、それだけではなく、純粋に、金のかけドコロのせいではなかろうかと思います。驚くほど人間の印象が薄い、ということは、印象に残るほど人間を撮ってないわけです。おそらくはVFXにあらゆる金をつぎ込んだために、役者にも演出にも脚本にも金がかかっていないことがバレバレ。でも、この映画は素晴らしい。なぜなら、この映画はインディペンデント映画、自主制作の映画なんである。才能とか腕前はそこそこあるのに、先立つものがなくて残念な結果になる映画というやつは、多分こういう展開なんだと思う。ネタのコンセプトはとっても面白くなりそう。でも金がないから脚本家に投資できない。なので内輪の仕事仲間に頼んだり、自分で書く。脚本が良くても、それを映像化するだけの金がなければ、脚本に手直しをするしかない。そうすると展開に無理がでたり、ドラマが薄っぺらくなりがち。そして金がなければ当然役者に投資はできない。企画を気にいってくれれば役者自身が制作に名を連ねて投資してくれるが、当然分け前は必要だし、何より企画内容に口を出されてしまう。とすれば、無名の役者や安上がりな格下中堅どころを出すしかない。むろん、それがウルトラ級の大ホームランをかますこともあるわけですが、大概はどこかに拙さがのこる。そしてこの『スカイライン』の場合、監督も脚本書きもVFX畑だったためか、一番の得意技に有り金の大半を投じたと思われる。おかげさまで、面白そうな、ちょっと目先の変わったネタなのに、そこには人間はいなかった。まあいいのです。今回の作品で多少なりとも儲けは出たでしょうから、次回作に期待。主人公カップルの今後の展開はとっても気になるから期待しているぞ!そしてもちろん、次回作もインディペンデントでお願いね。ちなみに、映画史上もっとも豪華なインディペンデント映画は『スター・ウォーズ』シリーズである。全部ルーカスの金で作った映画です。だから『エピソード2』みたいな、ファンでもどうかばえばいいのかちょっと悩むような内容の映画でも、平気で世に出ちゃうんです。でもまあ、それがインディペンデント映画の良さでしょうね。近々、ブログのお引っ越しを考えております。まだ何本かはこちらのブログに更新する予定ですので、今後ともよろしくお願いします。