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そういちの平庵∞ceeport∞

そういちの平庵∞ceeport∞

フランシスコ・デ・ゴヤ

数年前、芸術の森美術館で「ゴヤ展」が開かれ見に行った
宮廷画家だった彼が時代の波に揉みくちゃにされ当時の精神病院を描いたり、
戦争を描いたり、サバト=魔女集会を描いたり
彼の絵を見て一番感じた事「幻視者ゴヤ」
幻視者は珍しくないが彼の様に表現した人はあまりいない
日本じゃ原爆絵の丸木夫婦や永井豪がそうだと思う
家にある画集を見ると我々が生きてる世界って・・・なんだろうか?と思う

「巨人」
1789年に起こったフランス革命は、19世紀初頭のヨーロッパ社会全体を揺るがした。
1804年にフランス皇帝となったナポレオンは宿敵イギリスを牽制する目的でスペインに侵攻し、これに抗うスペイン国民との間に1808年から14年にかけて、血生臭い戦争の嵐が吹き荒れた。
そのさなかに描かれたこの作品は、フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(1746~1828)自身がつぶさに見た戦争の惨禍を、象徴的に表現したものだと言われてる
突如雲をついて出現した巨人は、画面の左側にいる見えない何者かと闘い
手前には逃げ惑う民衆の姿が描かれ、中に一匹のロバが、何もわかっていないかのように呆然とたたずむ
この作品の解釈は人によって分かれ、巨人を戦争の悪の象徴と見る人と、ナポレオン軍を闘うスペインの守護神と見る人とがいるそうな

「マドリード」
6年にもわたったスペインの対仏戦争は、1814年のナポレオンの失脚によってようやく終結した
しかし後に残ったのは、荒廃した国土と人の心だけ
この作品はフランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(1746~1828)が、自分が目撃した戦争の惨禍とそれに対する怒りと悲しみを、ストレートに表現した作品
捕えられ、次々と銃殺されるマドリードの市民たち
フランス兵の顔は帽子に隠れ、単なる殺戮機械のよう・・・
それに対して銃殺寸前の市民たちの顔には、絶望と怒りと恐怖と誇りが一体となった、実に複雑な表情が浮かんでる
単なる風刺画ではない、社会批判のために作品を描いた画家はゴヤが最初であり、後の多くの画家に強い影響を与えたという・・・ピカソの「ゲルニカ」とかね

「気狂い病院」
鎖で繋がれ苦悩した人物を中心に亡者の様な人々の姿が描かれる
この絵は言葉以上に当時の精神医療の現実を後世に伝えた

その他宮廷画家だった時代に描いた人物画
様々な遍歴を重ねた「ゴヤ」ネットでも見れるかと思われるので
興味のある人は見てごらん


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