|
テーマ:DVD映画鑑賞(13962)
カテゴリ:ドイツ映画
2006年 ドイツ ウルリッヒ・ミューエ マルディナ ゲデック セバスチャン・コッホ ストーリーは、1984年、壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。ある日彼は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった。そして、ドライマンがピアノで弾いた“善き人のためのソナタ”という曲を耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられてしまうのだったが…。 2006年のアカデミー外国語映画賞を受賞した話題作。 なんと監督は弱冠33歳という若さでこの映画を撮ったというから驚きです。 この監督が11歳ぐらいの時の時代の話なんで、膨大な資料などで調べながらこの映画を作ったんでしょうね。 ベルリンの壁の崩壊って凄く記憶に残ってるけど、それ以前の東ドイツで何が起こっていたのかはあまり知らなかったです。 まさかここまでの監視国家で人々のプライバシーもない国やとは思ってなかったです。 家の中には盗聴器が仕掛けられ、入り口にはカメラまで設置されます。 24時間体制で監視されるのですが、夫婦の会話や情事なども盗聴されてるんですよ。 それをタイプライターで記録に残されるからほんと怖い国家です。 今ではそれを図書館で閲覧出来るらしいです。 この映画は国家保安省(シュタージ)側の局員が主人公なんですが、監視対象の芸術家の生き方や考え方に影響を受けてヴィースラーの中にも人間らしい感情が芽生えたんでしょうね。 最初は反体制的な証拠を掴むために盗聴をするのですが、自分が信じていた国家が間違ってるのではないかって言う思いが頭をよぎり葛藤する姿が痛々しかったです。 危険をおかしてまで上官に嘘の報告をしたりするのは、この芸術家達に自分達の未来を託したかったのかも知れないですね。 それと腐敗しきった国家への彼なりの抵抗やったのかも。 今でも東ドイツ時代の過去を引きずって生きている人が多いらしいのですが、これだけ監視されて生きて自由を奪われてたから、そう簡単には人を信じる事も出来ないやろうし、どこでも監視されてるような気持ちになるんでしょうね。 それぐらい東ドイツがおこなった監視国家の傷跡は深いって事です。 この映画の邦題って素晴らしいですよね。 まさにこの映画の伝えたい事をあらわした邦題なんでお気に入りです。 大尉役を演じたウルリッヒ・ミューエは2007年の7月に他界したのですが、彼自身も監視対象となった経験があっただけにこの映画に対する思い入れは人一倍あったでしょうね。 素晴らしい演技をする役者さんやっただけに早すぎる死が残念です。 ご冥福をお祈りします。 今年は昨日の【レミーのおいしいレストラン】、そして今日の【善き人のためのソナタ】2本続けて評価の高い映画に出会えました。 今年は映画に関しては幸先がいいですよ。 評価(4.3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ドイツ映画] カテゴリの最新記事
なかなか重めの難しそうな映画を選びましたね~!
でも、評価が高いな。 またwowowでやるかしら~? 評価が高いので観てみたくなりました! そう言えば、映画たくさん見てるのにレビュー書いてないので、いずれ書きますね~♪ (2008年01月05日 01時22分37秒)
こんばんは
冷戦時代はこんなばかげたことを国家ぐるみで行って、なおかつ人の生死さえも左右していたかと思うと寒々しい思いです。しかし盗聴器が簡単に手に入る今は、どこかで監視されていそうでちょっと不安にもなります。 監督が33才というのも、主役の方が無くなったというのも初耳でした。 この映画の評価はあつぼう~さんとだいたい同じですが、残念ながら音楽が好みじゃなかったです。ので邦題もラストにうまくかけていると思いますが、原題でも良かったかなと思っています。 (2008年01月05日 04時11分45秒)
このDVD用意しててまだ見てませんでした。
あつぼうの評価も高いし早く観なくっちゃ! この監督さんってまだ若いんですよね。33歳でしたか。そんなに若いとは思ってませんでした。 監視されてる国家ってどんなんだったんでしょう。 気合入れて見ます。 (2008年01月05日 13時07分10秒)
WOWOWでチェックしてたんだけど、もうやっちゃったかな!?
正月、ろくにテレビ見てないもんで・・・ この映画、絶対に見ます!!! というわけで、明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 お子さん、熱は下がったかな? 楽しみなことがあると、興奮して余計に熱でちゃったりしますよね? お大事に☆☆☆ (2008年01月05日 16時02分38秒)
ドイツ映画ってナチや東西ドイツを描いた映画が多いから少し重たいって思うけど、観終わった時には観てよかったって思う映画が多いです。
WOWOWなら絶対に放送すると思いますよ。 東ドイツの怖さを知ることになるけど、こういう時代もあったって事を知っておくのも大事かな。 ハッシーさんの映画レビューを楽しみにしてるのでドンドン書いてくださいね。 (2008年01月05日 22時36分56秒)
こんばんは
密告した人間が優遇されるような国って怖いですよね。 今の北朝鮮などは冷戦時代の東ドイツみたいなんでしょうね。 国家を批判した罪で投獄されたり、芸術の自由を奪ったりと人間の尊厳を奪うような規制は今でもドイツ国民の心に傷を残してるんですよね。 現代の進歩した技術は、盗聴器なども進歩させてるからどこで盗聴器が仕掛けられてるのか分からない怖さが現代にはありますね。 33歳でこの映画を撮った監督の次の映画が凄く楽しみなんですよ。 ウルリッヒ・ミューエは胃がんでなくなったと公表されてるのですが、この死にも色々な噂があったみたいです。 あつぼうはこの音楽が凄く心地良かったのでこの邦題でいいかって思いました。 ところで原題はなんやったんですか? (2008年01月05日 22時42分23秒)
あつぼうも少し前にDVDを入手してたのですが、観るまでに少し時間のかかった映画です。
内容からして重たいって先入観があってなかなか一歩を踏み出せなかったです。 33歳の監督が東ドイツの映画を撮るって大変やったでしょうね。 少しでも不審な行動をとった人間は、すぐに監視下におかれる怖い国ですよ。 (2008年01月05日 22時44分49秒)
あつぼうはDVDで観たのでWOWOWでチェックしてなかったんですよ。
たぶんこれから放送されていくと思いますよ。 若い時よりもこういう考えさせられる映画に反応してしまいます。 観たら感想聞かせて下さいね。 明けましておめでとうございます。 こちらこそ今年もよろしくお願いします。 息子の体調はなんとか回復しましたよ。 今日も元気に暴れまわってました(笑)。 ここ一番に体調を崩してしまう息子です。 (2008年01月05日 22時55分51秒)
監視国家って恐いですね。こういうことがあったなんて驚きだし、今でもこういうことはあるのかもしれないですね。盗聴器って本当に恐いものだなと思います。
監督が33歳というのが意外ですよ。アカデミー外国語賞受賞してるし今後も楽しみですね。 最近公開していた『4分間のピアニスト』というのも気になってます。ドイツ映画も重そうだけどアメリカで作られる映画とまた違って面白そうですね。 (2008年01月06日 19時08分30秒)
少しでも疑われたらその時から監視が始まるって怖いですよ。
一種の恐怖政治ですよね。 今は盗聴器の技術が進歩してるから、ある意味もっと怖い世界になってるのかも。 33歳の若さでこれだけの映画を撮れるのは才能ですよ。 この監督のこれからが楽しみです。 『4分間のピアニスト』って全くノーマークの映画でした。 ドイツ映画はテーマが重たいので敬遠されがちやけど内容は素晴らしい映画が多いですよ。 (2008年01月06日 20時49分51秒)
2次大戦のナチの話だと思って観ました。
でもナチ以上に知識のない東ドイツ。 ありえない話の数々に考えさせられること多かったです。 ラストのあの”本”がなければ本当に救いのない映画ですよね。かなりホッとしました。 (2008年01月08日 21時41分39秒)
ほんの20年ぐらい前の話とは思えないですよね。
あつぼうのナチ以降のドイツの話ってあんまり知らなかったけど、東ドイツがここまで監視国家であった事は全く知らなかったです。 ラストの本があったからこそヴィースラーの国家に対する裏切りもいきてきましたね。 (2008年01月09日 13時43分16秒) |
|