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"EVERYTHING IS ILLUMINATED" 監督、脚本・・・リーヴ・シュレイバー 原作・・・ジョナサン・サフラン・フォア『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』(ソニーマガジンズ刊) 出演・・・イライジャ・ウッド Elijah Wood ジョナサン ユージン・ハッツ Eugene Hutz アレックス ボリス・レスキン Boris Leskin 祖父 ラリッサ・ローレット Laryssa Lauret リスタ ・物語序盤・ ユダヤ系アメリカ人青年のジョナサンは、家族にまつわる品物を片っ端からビニール袋に入れて、コレクションするという変わった趣味の持ち主である。 祖父が亡くなり、ジョナサンは祖母から、祖父からの品だと一枚の写真を受け取る。 そこには若き日の祖父と、アウグスチーネという名の見知らぬ女性が写っていた。 彼女の胸に掛かっているのは、祖父が遺したバッタの入ったペンダントトップ。 ジョナサンはこの写真の女性が何者か突き止める為、祖父の故郷であるウクライナへと向かった。 そんな彼を出迎えたのは、変な英語を喋る通訳の青年アレックスと、自分は盲目だと言い張りながら、運転手を務めるアレックスの祖父、そしてジョナサンの苦手な犬のサミー・デイヴィス・Jr.Jr.だった。 ジョナサンは少ない手掛かりから、何とか写真の女性を探し出そうとするが、裏に書かれたトラキムブロドという場所は地図にすら載っていなかった…。 チラシから想像するような映画ではありませんでした。 因みにチラシは、空色の眼鏡を掛けたイライジャ・ウッドのアップに、バックは一面の向日葵という絵柄です。 かなりインパクトがあります。 最初の荒筋を読む限り、ヘンテコな一行のほのぼのロードムービーかと予想しました。 出だしはまさにそんな感じなのです。 主人公からして、家族の物を何でも集めて壁に貼り付ける、風変わりな青年です。 祖母の入れ歯や兄の使用済みのコンドームなど、到底コレクションには向かない物ばかりです。 この青年ジョナサンが、亡き祖父の若い頃の写真を手に入れた事から、この物語は始まります。 一緒に写っているのは、見識の無い女性。 この人は誰なのか? 祖父とはどういう関係なのか? ジョナサンは押えられない好奇心か、義務感のようなものから、遠くウクライナへ旅立ちます。 ところが迎えに来てくれたのは、ヘンテコな英語をベラベラ喋る陽気な若者アレックス。 彼の表現する所の"難い人探し"の旅への運転手は、これまた変わった老人。 何故かは判りませんが、自分は盲目だと言い張り、変わった名前の盲導犬を連れています。 盲導犬というより獰猛犬なのですが、一応メス。 この3人と一匹が、"難い人探し"の為に、ウクライナの田舎道を車で旅します。 しかし手掛かりとなる地名は、地図にも無く、人に訊いてもなかなか判りません。 時々笑えて、まさに珍道中という感じのロードムービーです。 けれども物語は意外な方向に進みます。 アウグスチーネの姉に漸く出会えたジョナサンが聞かされたのは、とても悲しい物語。 ネタバレになるので書けませんが、ジョナサンがユダヤ系の青年である事が、ストーリーの鍵を握っています。 そしてアレックスの祖父にも、その話は関係していました。 今迄数十年、掘り起こされる事の無かった過去の悲しい出来事と真相。 アウグスチーネが念の為にと埋めて隠していた指輪。 姉の言葉が心に残りました。 「人が物を探すんじゃない。物が人を呼ぶんだ。」と。 いつか見つけ出される時の為に、物は息を顰めて、そこに在り続ける。 最初は陽気な話かと思わせておいて、実は暗く切ない真相を見せる。 それでいて、何かほっとしたようなものを心に残してくれる不思議な映画でした。 ↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 22, 2006 10:51:17 AM
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