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重信川の岸辺から

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2011/09/06
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 今度の内閣には松下政経塾出身者がおおい。前原議員なども入れると一層その色はこい。

 政治の歴史を振り返ると、自民と社共の対立の時代から、その崩壊の先に支配層が狙っていたものがみえてくる。

 自民党は分裂したが、それは支配層の手足となる政治勢力を伸ばすためだった。その一方では、それに対抗する勢力の崩壊が進められた。社会党の崩壊、総評、国労の崩壊がそうである。

 分裂した自民党勢力は、次第にその勢力を伸ばし、自民党と第二自民党である民主党の二大政党の時代を迎える。二大政党政治というが、本質的には、二つの政党の存在によって支配層が安心できる体制の時代を迎えた。

 ここにいう支配層とは、その中核が大企業連合と巨大金融資本勢力である。それを政党、官僚、マスコミ、学者、知識人などが支えている。

 これらの勢力は力を合わせて以上述べて方向を目指してきたのだが、今度は遂に財界=大企業連合の育成した政治家たちを権力の中枢にすえた。それが、表題にいう松下政経塾内閣である。

 松下政経塾はまさに支配層に奉仕する政治家を育成するのが目的の一つであり、今回の内閣が私たちのためにならないというのは目にみえている。

 前にも書いたが、首相指名を受けての最初の仕事がアメリカへの報告であり、経団連への挨拶、会長との懇談であったことが、そのことを明確に示している。

 ちなみに、水島朝穂教授は氏のメルマガで次のように述べている。文章の結びの部分のみを示す。


 「松下政経塾というのは、権力志向の若者を集めて、国家主義、保守主義、対米追随的現実主義をたたき込む。自衛隊の体験入隊まである。『東京新聞』9月3日付「こちら特報部」によると、出身者は国会議員80人、首長10人、地方議員30人である。その第1期生が総理大臣にまでのぼりつめた。外相と政調会長は8期生、官房副長官は2期生、幹事長代行は3期生である。「天職」とはとうてい言えない、「政治への転職」組である。またも、ヴェーバーの政治家像とはかなり距離のある内閣に終
わりそうである。」                  (みずしま・あさほ/早稲田大学教授)





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Last updated  2011/09/06 01:40:46 PM



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