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買ってきて読み始めたらやめられなくなった。二日かかって一気に読み終えた。頭の中になぜか平和という言葉が浮かんだ。
音楽コンクールに出場した四人の人物の物語だ。それぞれが個性的で、独自の世界を持ち、それがからみあって、展開する。音楽には疎いほうだが、読み続ける間、頭の中で音楽が鳴り続けている感じがした。 恩田陸は、蒲公英草紙他数編しか読んでいなかったが、ファンになっていた。彼女の小説には注目していた。このたびは直木賞を受賞したからということではなく、書評を読んでの購入だった。直木賞はそれなりに作家には効用があるだろうが、恩田陸にとってあまりにも遅すぎる。 『蜜蜂と遠雷』は、そうとうに元手のかかった小説だと思う。音楽に対する見識と知識と体験の広さと深さがひしひしと感じられる。現実はもっとどろどろとしたものだろうが、そこは置いて、音楽という世界の深さ豊かさを十分に表現している。そして、なによりも、四人の人物像と内面の葛藤が感動的だ。 読んで損をしない一冊である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/02/22 01:37:12 PM
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