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離人症の器

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凪2401

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2012年09月18日
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カテゴリ:離人症
暑い……暑すぎます、何ですか、今年は。
本州最北端のこの地のいいところは、夏の暑さが早く薄れるということだったのに。

九州方面より暑いって……
テレビの天気ニュースを見ていて、「なんだそれ!」とつっこんでしまいました。

やる気が暑さと共にとけだしますね、こんなだと。



さてさて、離人症と脳科学。
前回から少し日付があいてしまいましたので、今回はちょっと復習をば。

長年、離人症という疾患の特性を考えてきたわけですが、
離人感について考えているとですね、
どうやら体の感覚の情報と視覚の情報の統合がうまくいっていないために、
自分の身体や外界の見え方に対する違和感が生じるのではないかと考えるようになりました。

そのひとつの裏付けとして、離人症ではその症状が強いほど、
体の感覚の情報と視覚情報を統合する役割を持つと考えられている、
右の頭頂葉(頭のてっぺんあたり)の活動が高くなっている、というデータがあります。

じゃあ、その体の感覚の情報と視覚情報が何故重要なのかというとですね、
それが私たちが自分の体を自分のものであると認識して、
そうして皮膚の向こう側にあるものは全て自分ではないんだ、
という認識の基盤となるからです。

それでは、我々の自己と外界の認識はどのように発達していくのか、
それをラカンの「鏡像段階」という理論から説明させてもらいました。

赤ん坊は、生まれたばかりの頃は、その未熟な神経系と身体構造のために、
自分と外界が渾然一体となったような状態で存在しています。

そこから自分で手足を動かしたり、泣いたり笑ったりしながら、
自分の体と外界の関係を学んでいくことになるのですが、
大体生後6ヵ月頃から18ヵ月頃、赤ん坊は鏡に映った自分の姿を見ることで、
「これがまさに自分の姿なのだ」と自己の輪郭として、鏡像を脳内に取り込みます。

この段階により、ヒトの脳内には自分自身の姿と、
それ以外の外界が区別されて描き出されていくことになるわけですね。

何故鏡を見ることに寄って自分の身体イメージを獲得することができるのか。
それが体の感覚と視覚の情報が統合されるからでした。

つまり、私たちが自分の身体を自分のものとして認識できる理由は、
自分の身体が自分の思ったとおりに動くからです。

つまり、自分の目の前に手を持ってきて、握ったり開いたりする。

握ったときには、指を曲げる筋肉から指が曲がりましたよ、という情報が脳に届くと同時に、
視覚からは、目の前の手が「ぐー」になった映像が届くわけです。

開いたときには、指を伸ばす筋肉から指が伸びましたよ、という情報が脳に届くと同時に、
視覚からは、目の前の手が「ぱー」になった映像が届くわけです。

目の前のりんごに触れようと思って手を伸ばしたら、
指先に何かが触れた感覚が生じるのと同時に、
視覚からはりんごに触れた手、という映像が送られているわけです。

こうやって、自分の体を動かすのにあわせて、
それに応じた視覚情報が届いて(あるいは逆もあるでしょう)情報を統合してくれるから、
我々はこれが間違いなく自分の身体であり、自分で動かしてるんだ、となるわけですね。

指を伸ばしたつもりが、チョキになっていたり、
りんごに触れた映像が視覚から届いているのに、指先から触覚が伝わらなかったりすれば、
自分で動かしていたのと違う、おかしい、だとか、
りんごは本当はここにはないのか? なんてことになってしまうわけです。

赤ん坊もそれと同じですね。
自分が笑えば鏡に映った誰かも笑う。
自分が手を上げれば鏡に映った誰かも手を上げる。

つまり、鏡の中の誰かは、紛れも無い自分なんだ、ということです。

というわけで、体の感覚の情報と視覚情報が統合されるから、
自分は皮膚でくるまれた一個の独立した存在であるのだ、という認識が生まれるわけです。

ですので、体の感覚の情報と視覚情報の統合は、
自分が確かに自分であるということを認識するためには欠かせない機能であるわけです。


じゃあ、どこでこの統合が行われるのかというと、
上述した頭頂葉、ということになります。

その活動が高いと、機能が高くていいんじゃないかと思われるかもしれませんが、
そうではなくて、大事なのはバランスなんです。

つまり、先ほど右の頭頂葉の活動が高い、ということを書いたのですが、
何故「右」なのか、ということです。

それは左右の脳の役割の違い――側性といいます――に原因があるですが、
脳は右と左がバランスよく働いてくれないと、うまくその機能を発揮できないんですね。


その辺も含めてですね、次回こそ、脳の機能について説明していきますね。







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最終更新日  2012年09月18日 20時09分49秒
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