はてさて、何だろう ---その7(解答)--- もやし
もやしは静かに語りました。 「我が根は重力に引き付けられる」このようなことも言いました。 「我が葉を傷つけないように、最初の発芽時は首を曲げて土を押しのけている」大豆は聞きました。 「では、根は土を押しのけて成長しますが、傷は付かないのですか」----------根は細胞分裂を繰り返すことによって成長します。細胞が細胞分裂をする際、1つが2つに。2つが4つに。4つが8つにと、積み木のように増殖します。植物の根の先を顕微鏡で拡大すると、面白い構造をしていることが分かります。たまねぎの根 (FUKUHARA, T ,Fukuoka Univ. of Education)植物の根 (Fukuchi Takahiro, 1997)----------細胞が、とうもろこしの実のように規則正しく並んでいるように見えますが、先のほうは、なんだかごちゃごちゃと細胞が詰まっているような感じです。じつは、この先端は細胞分裂をしません。細胞分裂をするのは、規則正しく並んでいる場所の先端です。この先端を 『成長点』 と呼びます。つまり根は、成長しない部分を押しながら成長していることになります。この成長しない部分は 『根冠』 と呼び、成長点が傷を付くのを防ぐ目的があります。根冠は、自然界のヘルメットです。----------大豆は聞きました。 「では、根は土を押しのけて成長しますが、傷は付かないのですか」もやしは答えました。 「傷が付かないように、先にカバーをつけている」----------正解は、 『C : 傷が付かないように、先にカバーをつけている』 でした。仕組みが分かれば、二股大根どころか、タコのような八股大根が作れそうです。引っこ抜くのは無理そうですが。