さて、Ryzenのマザーボードについてですが、初日に買ったのはASUSのPRIME B350-Plus、そしてBIOSTAR B350ET2。
なんでCPU1個しかないのにマザー2枚も持ってるの?という意見もございましょうが、新しいプラットフォームが出た時に、ロクな検証もしないくせにいろいろマザーを試すのがまた楽しみなもので。
ということで、もう一つ気になっていたマザーを入手しました。
MSI B350 TOMAHAWK
消費電力的な意味から、やはりMSIのマザーは一つ使ってみたいと思ってまして。
そうすると、現状選べるのはこのB350 TOMAHAWKしか選択肢がないわけで。
マザー不足の折、CPU一つしかないのにマザー何枚も買うなって話ですが、まあ、おそらく2017年3月上旬の時点ではおそらくAM4マザーの中では日本で一番ユーザーが多いでしょうから、一つ買わせていただいてもさして影響はないかなぁと。
パッケージ中央にあるやつがマッチ棒にしか見えない。
このB350 TOMAHAWKですが、現状MSIから出てるマザーの中では一番安いのですが、他社のB350マザーと比べるとやや高め(1,500円くらい)となっております。
なんで高いのかは…よくわかりません。皆さんそこらへんは謎のようです。
開封
迷彩色…というんでしょうか?
赤と黒のゲーミングマザーに飽きた方にはいいかもしれませんね。
PCIが2本もついてます。
何に使うの?と思ったりもしますが、PCIe×1がいくつもあっても仕方ないですから、そう考えると2本ついててもいいじゃないか、という気もします。
PCIe×16はシールドされています。
ちょっと高めなだけはありますね。
その反面
ちょっとお高めなくせして、SATAコネクタが4つしかありません。
一応、M.2.コネクタはあります。
付属品
モノ的には必要最小限。ただ、マニュアルは日本語対応です。
そのあたりはしっかりしてますね。
さて、Ryzen1700を乗っけまして起動させてみることとします。
構成
CPU:AMD Ryzen 1700 3.0GHz
マザー:MSI B350 TOMAHAWK
メモリ:DDR4 2133 8GB×2枚
ビデオカード:RADEON R5 230
SSD:Plextor M5S 256GB
無線LAN:WLI-UC-GN
排気ファン:12cm×1
CPUファン:リテール
電源:玄人志向 KRPW-TI500W/94+
OS:Windows10 Pro
その他:無線キーボードとマウスのレシーバー1つ
とりあえずはBIOSの画面でも
EZモード
普通に立ち上げるとこの画面になります。
詳細設定がしたければF7を押してAdvanceモードへ
Advanceモード
レイアウト自体はIntelのマザーとかとほぼ同じですね。
クロックや電圧変更はそのものずばりな「OC」から行います。
一応一通り設定は出来るようで、電圧関係は
Vcore 0.9V~1.5V
メモリ 0.8V~1.5V
の間で設定可能です。
下限が0.9Vと、思っていたよりも範囲が狭いのが気になるところ。
その他ですが
Downcore Controal
2コアとか4コアとかだけ使いたいときに設定するんでしょうか。
同じ2コアでも1+1の2コアか、2+0の2コアかまで選べるんですね。
使うかどうかは分かりませんが、面白い機能ですね。
んで、実際に動かして消費電力を見てみることとします。
1. 設定デフォルトの場合
消費電力
アイドル時 35W (1.55GHz)
Prime95 108W (3.2GHz)
BOINC 109W (3.2GHz)
2. Turbo Core:off の場合(負荷時3GHz固定)の場合
消費電力
アイドル時 35W (1.55GHz)
Prime95 97W (3GHz)
BOINC 93W (3GHz)
傾向としましては、ASUSやBIOSTARのそれとさほど変わらないでしょうか。
もう少しアイドル時消費電力が下がるかと思ってたんですけどね。
と、ここからコア電圧を下げて負荷時の消費電力がどれくらい下がるか…
を検証するつもりでした。
つもりでした、ってことは出来てないのですが。
何から書けばいいですかね…?
1.BIOSから電圧を下げ、保存しても再起動してくれない。
何かといいますと
電圧を下げ、設定保存
↓
起動しない
↓
電源長押しで強制電源断
↓
電源入れなおすと起動
↓
設定も反映されている
ようするに、設定は反映されてるんですが、いちいち強制終了をしないといけないのが果てしなくめんどくさい。さらに仕様なのか起動に時間がかかるため結構待つ羽目に。
こんな現象はたまーに他のマザーでも発生したりしますから、あるといえばある現象なんでしょうけども。
ちなみに解決策はよくわかりません。
2.RyzenMasterの設定が反映されない
なので、とりあえずはWindows上からRyzenMasterを使って電圧を下げていこうと目論んだのですが…クロックは変更されるものの、電圧は変更されないようです。
数値上は変更されますが、ワットチェッカーの値が全く変化しません。
3.MSI謹製のCommand Centerを使う
なので、マザー付属のDVDにあったCommand Centerから電圧をいじくることに。
これは成功して、電圧下げの設定を行えばしっかりとワットチェッカーに表示される消費電力も下がりました。
ただ、ASUSやBIOSTARのときをご覧の方はご存知かと思いますが、最終的には「ビデオカードなしで起動」をすることになるわけです。まあ、主たる目的のBOINC(WCG)にはビデオカードなんていらないから、っていうのが理由なんですが。
ちなみに、ビデオカード引っこ抜いての起動はこのMSI B350 TOMAHAWKでもOKでした(BIOS上で必要な設定は特になし)。
過去にMSIのP55マザーやP67マザーでできなかった過去があったのでその辺は一安心です。
が、そこで問題になってくるのがこの「Command Center」で、「ビデオカードがないとCommand Centerが起動できない」という仕様らしく、また電圧の変更が出来なくなってしまいました。
4.仕方ないのでBIOSから変更する…が
ということで、1.の方法に戻り、めんどくさいながらも電圧を下げていくことに。
そして、下限の0.9Vに達したとき、それは起こりました。
たぶん0.9Vよりももう少し下げられそうなんだよなぁ、でもRyzenMaster使えないしなぁと思いつつコア電圧を0.9Vに設定し、保存。
そうしましたら珍しくすんなり起動。
あれ、最後くらいはうまくいった?と思ったのですが、何か様子がおかしい。
ファンがかなりな速度で回り始める。そしてワットチェッカーを見たら「200W越え」
さっきまで負荷時でも80Wくらいでしたから、これは明らかにおかしい。
何が起こったかといいますと、
BIOSの設定は0.9Vなのですが、実際には1.5V以上の電圧が掛っている、そんな状態になっているようです。
おかしいと思ってWindowsを再起動させ、BIOSの設定画面を開いたところ
ちょっとわかりづらいですが、CPU Core Voltageは設定上「0.9V(白い文字)」となっていますが、実際には「1.549V(グレーの文字)」となっているようです。
BIOSがまだ完全じゃないのか何なのかは分かりませんが、これはちょっと怖いですね。
まだこのTOMAHAWKは新しいBIOSが提供されていないので、BIOSの更新に期待したいですね。
現状ではちょっとというかかなり使いづらいのでなにか解決策が見いだせるまでは一旦使用は見合わせることに。
ちなみにですが、電圧をいじくらなければ案外普通のマザーかと思います。
適当にちゃっちゃと組んでもしっかり起動しましたし、電圧以外の項目の変更はすんなり行えましたし。
まあ、あえて選ぶか?と言われると考えるところです。多くの場合、「これしかなかった」という状況で購入してるであろうマザーですからね。