◆立原道造の森◆◇◇◇立原道造の森◇◇◇ ◆2006年11月10日の第1巻初版刊行を皮切りに、立原道造の新全集【第5次】、筑摩版『立原道造全集』全5巻の刊行が始まり、2010年9月末、最終巻第5巻配本をもって全巻刊行完了いたしました。それで、この「なな猫通信」でご紹介する立原道造の作品すべてについて、この筑摩版新全集を底本とすることにし、漸次入力作業を進めていきたいと思います。 ◆したがいまして、凡例も筑摩版新全集に則っております。 ◆PC入力不能の繰り返し記号は、試験的に/\、濁点付きは/″\で入力しました。 ・・・立原道造の森にようこそ・・・ ♪立原道造の詩ひとつ♪ はじめてのものに ささやかな地異は そのかたみに 灰を降らした この村に ひとしきり 灰はかなしい追憶のやうに 音立てて 樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきつた その夜 月は明かつたが 私はひとと 窓に凭れて語りあつた(その窓からは山の姿が見えた) 部屋の隅々に 峡谷のやうに 光と よくひびく笑ひ声が溢れてゐた ――人の心を知ることは……人の心とは…… 私は そのひとが蛾を追ふ手つきを あれは蛾を 把へようとするのだらうか 何かいぶかしかつた いかな日にみねに灰の煙の立ち初めたか 火の山の物語と……また幾夜さかは 果して夢に その夜習つたエリーザベトの物語を織つた ◇◇◇ほかの詩作品◇◇◇ 詩集『萱草に寄す』 詩集『暁と夕の詩』 ほか発表詩篇 ♪立原道造の文章ひとかけら♪ 古道具屋は町外れの橋のたもとにある。店先に絵びらが貼つて ある。店にはいると、あるものが全部一度に目について、それは 知らない他の人たちがくらした過去のきれはしのやうに思はれる。 もののにほひはかびをまぜてかすかに一面に燻つてゐる。 ランプはあるだらうか、気に入りさうなよいランプは。詩人は そこであたりを見まはす。 店はあかりをつけてゐるくせにごた/″\として、箪笥や火鉢や 地球儀や虫眼鏡がおいてある。銅販の絵がかけてある。それには 帆前船やうすぐたい室内が画いてある。棚の上に青磁の茶碗とか 何かと一しよくたに、ランプがのつてゐる。詩人はそれを手にと つて撫でてみる。すぐに気に入る。そこで彼はランプを買つてし まふ。地球儀までも、不意に一しよに。 「間奏曲」より ◇◇◇道造の散文◇◇◇ 手 記 《工事中》 ♪立原道造記念館のご案内♪ 画像は立原道造記念館と、浦和のヒアシンスハウス (手前はプレート) ※ご紹介の展示は、立原道造記念館での展示です。※ ◆立原道造記念館 最新展示案内 ☆☆☆立原道造記念館は2010年9月26日をもって休館いたしました☆☆☆ ★立原道造記念館 最新展示案内★ ◆立原道造記念館へのご案内◆ 最寄り駅は、南北線の東大前駅か千代田線の根津駅です。 東大前駅からですと、駅を出てすぐ道なりに左左と歩いて行きます。 左手に農学部の門、もう少し歩くと交番もありますが、 東大農学部構内を抜けて行くことも出来ます。 構内を抜けず、交番まで歩いて、道なりに左に曲がり少し歩くと 信号そして横断歩道がありますので、そこを渉ってください。 ここからは根津駅から歩いてきても同じです。 根津駅からですと、駅を出て、今度は右に右に道なりに鉄砲坂を上りましょう。 やはり信号・横断歩道が出てきますので、そこを渉ります。 渉った先に水色のかわいいおうちがあるのが目印です。 その信号を渡って、いわゆる暗闇坂をまっすぐ歩いて行くと、 右手に工学部の弥生門が現れ、 そして正面に、立原道造記念館の横顔が見えてきます。 「立原道造記念館」と縦看板が見えてきて、あ、記念館だ記念館だという気持ちになります。 正面玄関はこちらになります。 立原道造の残した詩稿、手作りのあまりにもかわいい詩集たち、 夢の世界のようなパステル画やすばらしい建築パース、 そして道造が「納屋」また「バー・コペンハーゲン」と呼んでいた、 屋根裏部屋を小さく再現したような小ぶりの机や椅子、本棚など 立原道造の世界を静かに楽しむことができました。 けれど、残念なお知らせがあります。 ↓ ☆☆☆立原道造記念館は2010年9月26日をもって休館いたしました☆☆☆ 今後開館の見込みは今のところ立っておりません。 現在はまだ学芸員はじめ館スタッフが勤務しておりますので 通販での商品販売はお受けしております。 通販につきましては、下記をご欄ください。 ★立原道造記念館 通販案内★ 〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-5 電話O3-5684-8780 ◆記念館ニュース◆ ☆ついに筑摩書房版『立原道造全集』刊行完了なる! 2006年11月8日に第1巻が刊行開始、2010年9月末に最終巻第5巻が配本となり 全巻刊行完了いたしました。 ※「筑摩書房版『立原道造全集』内容見本」は、記念館で 入手できます。 また、本全集は立原道造記念館で購入・全巻予約可能です。 ☆立原道造の会会員は1割引!☆ ★開催した過去の企画展については、下記ご参照!★ 立原道造記念館 展示案内 ★メルマガ『なな猫の立原道造散歩』バックナンバー★ リンクします (当メルマガは、一旦廃刊といたしました) |