夜中に
一人で過ごすバスタイム
しゃぼん玉を作って過ごすのが好き
ベリーの香りがする洗剤で
しゃぼん液を作って
ストローにつけて
命をふきこむ
さはさはさは
誰も知らないけれど
しゃぼん玉は
ちゃんと産声を上げて生まれる
さはさはさは
少し乾いた
かすかな音
小さな分子が
ひとえに手をつないだ
うすい かるいいのち
それでも産声を上げる
いろんなにじが
ながれて
まわって
くるくるなないろ
そして命を終える時も
「はしょん」
おしまいの声をあげて
消える
静かでないと聞こえないけど
その両方の音を
いとしく 聞く
うまれるせつなさ
きえるやるせなさ
なにかとかさねながら
夜中のバスルームで
しゃぼん玉
とばそ
だれもいないしずかなよる
私だけが知る
しゃぼん玉の
うまれるせつなさと
きえるやるせなさ