夏の終わりと
秋の始まり
そして秋のおしまいと
冬の到来が
輪郭を崩しながら
日にちと言う風に
押し流される
明確な記述も
会見もない
春はあんなに華々しく
桜前線でにぎわうのに
台風でも来ない限り
秋冬は静かなものだ
空を見上げれば
曇りの日は
鉛色が濃くなり
雲が低くなる
風もいつの間に
こんなに乾いて
冷たくなったのか
それでもいつから
季節が変わったと
明確なものはないままに
動く季節
一枚の写真の中
何げなく撮った一枚に
すすきの穂を境に
色合いが違う写真を見つけて
もしかしたら
季節は
こんなちいさな
何気ない場所で
自ら線をひきながら
変わっているのかもしれないと
思ってみたりして
そんな事を考えながら
涼しい夜風の吹く部屋
あたたかいコーヒーの湯気が
そっと揺らめく部屋で
私は
いま
ひとり静かに
季節の狭間にいる