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そいつは廃棄物の山から生まれた。
何を隠そう私もその山を作った張本人の内一人だった。 報われない夢を殺せず、さりとてそいつを生かしてやるほど力があるわけでもなく。 そいつに未来性を見いだせるわけでもなく。 私はそいつを山に捨てた。 「どうか腐らへんで」 「とっくに腐っとるから、あとは肥料になるだけや」 そう返したそいつに、つい笑みが零れた。 どこから生まれたかも分からぬ罪悪感を拭ってくれたそれに感謝しながら。 きっともう二度とまともに会うことはないのだろうと知りながら。 灯火を見るようだったその眼は、こちらから逸らされた。 「またね」 その眼に嘘くさいそんな言葉、言える筈がなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.08.02 11:24:34
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