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カテゴリ:🌾7種
某所で、「安居は基本的に人の好意を疑わない」というのを見てなるほどと思った。
つまり、 ナツー「自分の方が嵐君の事を知ってるつもりか…ってムッとされるかな」→花 というのがない。 それは卑屈だったり被害妄想がないということでもあるけど(テストは除く) 他人への信頼感と言うよりも、誰も彼も 「合理的じゃない・自分が不利になると分かっている状況で人を殺そうとしないだろ」 「滅多なことがないと人を恨めないだろ」という気持ちが根本にあるのかもしれない。 これは性善説を抱いているということではないと思う。 ……人を、先生を恨むことへの、抑圧の結果ではないか。 つまり、安居は「これくらい普通だろ」「これくらいじゃ恨めないだろ」と思いながらモラハラやパワハラ、下手するとセクハラに類することをしてしまう可能性がある。 夏Aも似た境遇で育ったもんだから、(まあこれくらい普通だよね)と、ある程度は可哀そうに想いながらも流してしまったのが桃太虐待事件だったのではないか。(安居の深夜鬼ごっことあゆの人体実験、あと恐竜の餌はそれを鑑みても行き過ぎだけど) 安居はそれを自覚できず、また意図的にゆるめることができない。 因みにナツに対してのデレ(師匠デレもしくは兄貴分デレ)は嵐のタラシと同様無意識。 安居が今まで暴力や、悪意、冷酷さを見せた所を挙げてみる。 ・卯浪にナタ=小瑠璃を守る為と、小瑠璃への侮辱を黙らせる為 ・涼に殴り掛かる=茂や源五郎を庇う為、彼らへの侮辱を止める・黙らせる為 ・鵜飼見捨てる=自分と茂が生き残る為 ・十六夜殺害(というかお蘭殺害未遂)=病原菌保持の疑いのある邪魔者削除 ・花いじめ=復讐と禍福調整と黙らせる為 ・要絶許=この期に及んでまだ要に望みと憧れを抱いていたけど黙らせたかった と、安居のこれまでの攻撃には「過剰防衛」が存在しない。 テストと生存と復讐、そして圧倒的な「黙らせる為」と「守る為」。 そこで安居について1,2つ。 1.安居は上の立場に立つ者としての行動を一貫している。 火・水を選んだのも「リーダーっぽいから」ドヤァ だったし。 けれど。小さい頃はまだそれでも可愛かったけど、大きくなって、組織同士で対立するとなったらそこらへんは「大人としてのリーダー」にならなくてはいけない。 瀬々もはるこも大将の座を追われた。 勝負をやめた。そして、レースのコースの外に、新しい歩む道を見付けた。 安居は、どうするのだろうか。 2.安居は、自分自身の怯えを怯えと認識できないのかもしれない。(前向きな警戒は除く) したくないのかもしれない。 認識してしまったら、走れなくなるから。 リーダーとしてふさわしくないから。 誰かを導き守る立場としては常に平気な振りをしていなければならないから。 だからこそ、のばらの腕を肥料メイカーの中で見付けた時こそ叫んでも、 その後は源五郎(の虎と熊)に涙を見せたくらいで、幼馴染二人には何も言えなかった。 そして更に後戻りできなくなったし、誰かに背中を預けることも出来なくなった。 (茂に対しては涼に指摘されたように、「茂を信用」=背中を預ける、ことができていない) ……と、いうことは。 = 人災的な意味では警戒心が薄い = 実は悪意を持っている(例:貴士「僕の子供は未来に行けないんだよねー、僕は君たちに嫉妬してテスト過酷にしちゃったのかもね」)、もしくは危険な相手を警戒できない =人災についての警戒心は涼に丸投げ (なお涼には「お前は感覚が鈍りまくってるんだよ」と怒られる様子) かつ、 =花が逆巻く水への危機感>>>>>>安居への危機感 だったことをろくに認識できなかった可能性。 安居はいつも逃げなかったから、嫌なこと(卯浪とか)に対して全て真っ向から立ち向かって倒してきたから(だからテストにも最初馬鹿正直にひっかかった) 逃げる人の気持ちが分からないのかもしれない。 ……難しいな……花じゃないけど… ・新巻さんは身体的には立ち向かい続け、精神的には無意識に逃げ続けてきた。 というか、新巻さんは安居に対する態度が最近結構的外れすぎて「実態以外の何者かを見ている」頻度が最近高すぎてなんか……(吹雪の幻覚も見たし、蜘蛛に完全に取り込まれ他の人の助けが入るまで今回の幻覚からも起き上がれなかった)現実逃避の度合い、誰よりも、下手すると物語・過去回想モードに入っているナツよりも高いんじゃないか、と思う。1人ぼっち15年を考えると、そうでもしないと生きてこられなかったのかもしれないけれど。 けれど、flowers0828号で「花を出しにするな」と嵐に怒られ、恐らくそこらへんの自覚をする。 ・ナツは身体的にも精神的にも結構逃げること(+フリーズ)が多かった。 恋と後先考えない「えーい、行ってしまえ」もある意味思考停止と深く考える事からの逃避でもある。フリーズしているよりはまだこの世界では生存しやすい・他の人を助けやすいのかもしれないけれど…… と思っていたら、蝉丸とペアマッチ編では「フリーズしない」のに「後先考えない事で自他を危険に晒す、ことをしない」という見事に個人としてペアとしての成長を見せていた。 ・花は身体的にも精神的にも戦うことが多かったけど、大自然先輩と戦っているときは結構ボロ負けで逃げまくっている。やっぱり大自然先輩×花は大手。 安居(&涼)に対してはもう時空的にも想定的にも耐えられなくて、周囲への影響も考えてなんだろうけど結局逃げることにした。そして女子会で夏A村編を愚痴る。 そして元の世界では、嵐と嵐花応援人以外の付き合いから逃げてきたことを吐露(「欠点だとは思ってなかったけど欠点だった」発言)。弱点の自覚が多分花の課題だった。 安居は…どうなるんだろうなあ…… ***** 私が多分安居の事好きなのは、純粋培養さといじめとの無縁さ(いじめずいじめられなかった)(しかしあゆのいじめも根本的には止められなかった)ゆえの、アンバランス過ぎるほどの 天然さ、「いやらしさのなさ」、人に良く見られようと偽善的態度を取ることがないこと、 かもしれません。そして、痛々しいほどに真っ直ぐな「合理性」重視。夏A全体に言えることでもありますが。そうでないと、生き残れなかったから。 行動は常に意志に繋がっている。 それは私が初期の花に抱いていた爽快感をも感じさせます。 ……まあ、ただし 疑心暗鬼モードに自分がなっている時 もしも直に安居のような人に接したら 安居を逆に疑わしく思ってしまうかもしれないし、 うおっまぶしっ状態になるかもしれないし 安居の天然無神経っぷりにイラッとくるかもしれないのですが…… …それと、周囲の人の反応も大事なんだろうな、と思います。 痛い目を見ること。叱られたり、周囲との感覚の違いを知ったりしていくこと。 それによる変化は、きっと自分の中だけでするそれよりも、周囲との繋がりを強くしていってくれるんじゃないかなあ、と。 他人を蹴落としたり見捨てる必要のない未来では、 鵜飼のように罵ってきたり、「助けて…体が痺れて 動けな…」と言ってきたり ちゃっかり四銃士のような相手でも、足を引っ張る相手ではなく、協力しあう仲間になるわけです。そう、幼い頃みんなでカレーを作った時のように。 真っ直ぐで前向き、それはきっとエゴイスティックと紙一重。 鼻持ちならない正論、それはきっと「自分の認めた正義以外は認めない」ことと紙一重。 安居が自分以外の正義も知っていく対象として、最初に選んだのが 先生達と要さん。きっと安居は誰よりも先生達の色に染められてしまっているんだと思う。無意識でも、抗って憎んでいても。 そして、その次が 多分、涼。だからこそ、頭が上がらないというか、(涼がやったのなら正しいんだろう)と無意識に思い、花を「自分で助ける」のはやめてしまった。 (他の人が助けようとしていたら邪魔はしなかっただろうけど) (花が、「涼がやった」でなく「助けて」とプライドも嫌悪感もいったん脇において言っていたら助けていたかも…まあこれ言うと水掛け論なのでやめますが) そして、秋ヲ(反発的)(伝わりにくい言い方)を飛ばして(無意識に覚えてはいる) その後の 夏B. 特に悟り人間観察ポジションの蝉丸 そして安居が懐いた説法聖女系泣き虫嵐。 (ちょこっとナツ、螢ちゃん、牡丹さん、まつりちゃん、……ちまきちゃん?(時間の話)) 基本的に安居はとても素直だし、花と同様押さえつけるように言われなければ 反発せずにどんどん学んでスポンジの如く吸収していこうとするタイプだと思うので 気になる所。 あと秋ヲの「痛い目を見て夏Bには優しくした」発言についてだけど、 優しくした、とは ナツ以外が船の手入れを放置している時に他の面子に手入れ強制しなかったり 遊びに対しても「何の役に立つんだ?」とは思いつつやめさせなかったり とかのことかな? 相手の自主性、これまでの暮らしを尊重したというか。 ・前のときみたいに揉めるのは避けたい、より「こっちは少人数」(涼発言) ・相手との相性が良かった(「落ちこぼれがここに来ていいと思っているのか」とトラウマでうっかり言ってしまっても怒ったりしないでいたナツなど) ・夏Bにも安居・涼にも精神的にある程度余裕があった ということで、基本的に素直・自分の判断は絶対と思っていないけど、譲れない所は話し合いの範囲で主張する夏Bと、二人はうまくやっていくことができた。 これから夏Bに対して仲間意識を抱いても、夏A面子未来当初のような「見て見ぬふり」はなく、ある程度のツッコミはして 相手に自分の理想・してほしいこと(いのちだいじに)を押し付けすぎず(ナツ) 互いにあまり精神的に余裕がないときも、ある程度は尊重しあえるといいな。 虹子のように、まっさらで染まっていない赤ちゃんのような人ではないし あゆのように、完全に潔癖だったわけではなく 小瑠璃やばんちゃん、源五郎のように、沢山の好意・友達に包まれ育ってきたわけでもない。 そんな安居、そして涼は、夏Bに染まってどうなっていくのかが気になる。 ***** 個人的に、リーダーってある意味貧乏くじなのかなーと思う。 責任があり、時には憎まれることも承知で物事を推し進めなくてはいけない。 でも多分、その後のフォローとか、その真意をみんなにわかってもらうとか、相手のことを理解した上で相手の心を慮ってとかそういったプロセス・ターンがあれば、信頼関係はそう感嘆には崩れないんじゃないかな、と思う。 安居と花は、どっちも相手に(分かって)と体当たりで接してしまっている所があるから、難しそうだけど… 安居が なんだかんだ八つ当たりしてしまっていたこと、 花の態度も態度だったけどそれを鑑みても安居のしたことはやりすぎだったこと を認めて、花に対し罪悪感を抱き、抱いている自分を認識しつつ花たちに接していたら ちょっとは花たちからの接し方も変わるのかな?と思う。 ***ワンクッション*** 「彼女は誰を殺したか」を再読して、 ……安居、ちょっと似てないか?とちょっと思った。 被害者が加害者になる。 心を壊される。 自分では決められない何か。 やり場のない怒り。 殺したい相手を、結局殺せなかった。 以下、パロ反転。 ///安居は誰を殺したか/// 花が安居を嫌なやつだと言う 混合チームが安居を追放だと言う 罵られても 嘲笑われても 追い出されても 怪我を負っても 殺されかけても 居ない方がいいと言われても 当たり前の どうしてこんな人間になってしまった? 誰のせい? なあ要さん 要さんは安居を失敗作と言う 誰が安居をこんな人間にした? 誰が安居をこんな目に遭わせた? 育ての親に怯えて育ったような息子が どれほどの人間に…… ***** 極度の仲間以外への警戒心 神経質で口下手で「テスト」が頭から離れない プライドの高い坊ちゃん 相互的な恋愛経験の皆無。 それは安居を、どんな人間にしたのだろう。 「彼女は誰を殺したか」を久しぶりに読んで、なんとなくこの強迫観念のような恨みと殺意と持て余した感情が安居と似ていると思う。 「彼女」と安居を重ねるのは間違っているのかもしれない。 でもなんとなく、えがき方が似ているような気がしてしまった。 被害者かつ嫌われ者かつ加害者。 彼女のように、安居は縮こまっていない。 だけど逃げ出すことができなかった。 彼女のように、大人しかったわけじゃない。 だけど先生達の作った道を歩むことしか知らなかった。 彼女のように、幼い頃から味方が居なかったわけじゃない。 だけど誰にも相談することができなかった。 彼女のように、相手との対話を諦めていたわけじゃない。 だけど結局相手を殺すことしかできなかった。 彼女の初めての親への暴力は、 関係のない人を殺しかけることしかできなかった。 安居の初めての親への暴力は、 直接は関係のない花を殺しかけることしかできなかった。 彼女のように、親が「いい人」になろうとしているわけじゃない。 だけど結局、相手を傷付けることも一発殴ることもなく事態は終焉を迎える。 彼女は殺意を「父に認めて欲しい愛情の裏返し」かもしれない、と警部に評された。 安居も殺意は「要に認めて欲しい愛情の裏返し」も、含んでいたのかもしれない。 貴士先生に対しては復讐心だらけでも、要さんに対しては 「殺される事への怯え」だけでなく「認められない事への怯え」が混じった。 父は、優しい不器用な人であるはずがないと彼女は思った。 けれどそうであると思ったからこそ彼女は涙を流した。 要は、優しい親身な兄貴分であってほしいと安居は思った。 けれどそうでないと思ったからこそ安居の涙は乾いた。 安居は涙を止めた今、どんな人間への道を歩み始めているのだろう。 警部の立場に立ったナツと蝉丸と嵐は、安居に大事だと伝えることが出来た。 自分の弱さとか醜さを認めて受け入れてそれでも生きている夏のBだからこそ、これはできたのだと思う。 安居は自分で選んだ道を歩き出すことができた。 彼女にも、そんな道を歩き出せる日が来るのだと思う。 ナツはサバイバルの世界で生きている(元)弱虫の女の子。 花は幻奇譚の世界で生きている大自然の娘。 新巻はファンタジーの世界で生きている過去を背負った青年。 ピートは終末の世界で生き抜いたプロの道化師。 安居はホラーサスペンスの世界で生きている、悲劇を繰り返しかねない少年。 そう思う。 けれど。 ホラーにもサスペンスにも、ハッピーエンドは存在する。 救いは存在する。 していてほしいと思う。 ***** ひとつ気になるのは、 涼が中途半端に、しかも立場を隠してハルや花を襲撃しなかったら どうなってたのかなー…っていう…… いや…涼が花を失踪させなかったら下手すると 先に安居が手を汚すことになってたかもしれないですけど……殺人以外で。 安居に壊れて欲しくない、安居に手を汚してほしくない、安居に先頭に立つにふさわしい人物で居て欲しい。 自分に無いものへのあこがれも含まれているのかもしれない。あと依存。 涼に対する安居の感情にも「自分に無いものへの憧れ」が含まれているのかもしれない。 だからこそ、「自分に出来ない判断が出来る」「判断を自分のようには間違えない」と涼を無意識に評価し、 だからこそ「花を殺しかけたのが涼である」と分かった途端 その判断に「茂の時のように」まかせた方が「正しい」と思ってしまったのだろうか。 思い返してみれば、安居に対してツッコミ・叱り役として正しく機能してたのは 未来に来てからはほぼほぼ涼じゃないか? (また涼に怒られるな……)←かわいい (涼<べらべらしゃべるからだろ!>) 涼の特技が「用心」「危機管理意識」「勘の良さ」だっていうこともあるんだろうけど、 遠慮なく色々言えるのも、7人目が決まる瞬間に居合わせたのも涼だったから。 夏Bは立場や生育環境が異なるからこそ、結構ツッコミとかしてこれたけど 安居にとって夏Bへの気持ちは「何も知らない癖に」がどうしても入ってしまうわけで。 安居の涼に対する信頼や依存は(逆もしかりだけど)綺麗なものだけではないと思うから、正直今後が少し不安。要さんという最大の山場を乗り越えた今、今までのそれとは違うと思うけど…… 最終更新日 2016.10.08 01:19:40 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.13 20:42:08
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