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4年前に、一家で穢土を離れることを決断する時に、妻にとっての最大の‘難敵’は、
お袋に先立たれた義理の父の面倒をみることより、大好きなコントラクトブリッジができなくなる事 だったかも知れない。 コントラクトブリッジってな~に?トランプを使うの?
彼女がブリッジを覚えたのは、シンガポールに住んでいた5年間だ。 海外の主要都市には日本人クラブという組織があるが、そこのソサエティでブリッジに出会い、 嵌っていったのだ。 なにしろ、学生時代から、我々野郎衆を相手に、徹夜麻雀に付き合っていた女だから。 最初は、くわえ煙草で、「ロン!高め!」と言いながら牌を倒されて友達たちもビビッていたが・・・。 シンガポールでは旦那は仕事でニューヨーク市場まで追いかけるから、ほぼ毎夜帰宅は 12時近い。 仕事じゃなければ、飲み会でやっぱり帰りは遅い。 おまけにノーキッドだから、もう遊び放題。 ゴルフに嵌るご婦人も多いが、元々怠け者だから、ブリッジと麻雀のテーブルゲームに専心。 帰国後は、さっそくブリッジ連盟に登録、先に帰国していた元シンガポール組の仲間をベースに 輪を広げていく。 四谷、六本木、五反田、大塚とかにブリッジセンターがあったが、なんだかんだで週4~5日 通う生活。 私に、 「いいねぇ、‘なにも’専業主婦は・・・、おまけに‘育児(意気地)無し’だし・・」 と皮肉られたのが気に入らなかったのか そのうち、ディレクターといって、まあ雀荘のオバサンのようにゲームに参加せず全体のプレイを 仕切るバイトも始めた。 これが、時給ベースにすると中々の効率の良さ。 その後息子が生まれ、さすがに控えめになるが、幼稚園の年長以降からは、ジワジワと活動開始。 公式大会とかにも積極的に参加するようになった。 そんな中での穢土からの都落ち。 残念ながら当地にはブリッジクラブは存在しない。 Yahoo!のオン・ラインゲームで出来ると聞いて、パソコンを購入するも、どうも面白くないらしい。 そこで、連盟の人脈も通じて、地元テレビや新聞でブリッジの楽しさを紹介するとともに、 興味のある人を募集。 そうそう、ちょうどソルトレイクシティ―オリンピックの前だったが、ブリッジが公開競技として行われ、 将来冬季オリンピックの正式種目になる可能性を話題にしていた。 反応は鈍かったがそれでも10人弱のオバサン達が集合。 市の公共施設を使って、週一回ブリッジを楽しんでいる。 で、そんな彼女が年に2回、昔組んでいたパートナーと参加する公式大会があり、1泊2日で ‘遠征’するのだ。 昨年、父親が他界したので今後は機会が増えるかも知れない。 ところで、コントラクトブリッジは4人でプレイし、向かい合って座った人同士が味方になり、 2人一組で競い合うゲーム。 パートナーと向かい合うさまを、‘橋’に見立ててbridgeと呼ぶとの説もある。 心臓疾患で身体を動かすスポーツがいっさい出来ない私が、所謂マインドスポーツである コントラクトブリッジを始めても不思議は無い。 でも、妻は妻で、もううんざりするくらい付き合わされている男をパートナーにして、 せっかくの自分の至福の時を台無しにするほど、愚かではない(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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