THE STORY OF MY LIFE-☆

　
　梨木香歩さんの『家守綺譚』を読みました。

この本の題名を見て、てっきり家守さんが主人公のお話なのだと

思っていました。

　読んだら、家守は人名ではなく家を預かっている人…家の守りを

している人のお話でした。

　主人公の綿貫征四郎は、友人の高堂の家を預かることになるのですが

その預かっている間にいろんなことが起こる起こる。

　サルスベリに好意を寄せられる

　亡き友が掛け軸の向こう側からボートを漕いでやってくる

　河童も子鬼も人魚も出てくる

　庭にマリア様が埋まっている

不思議なことが次から次へと起こる。

それを隣のおかみさんに話すと

そんなのあたりまえでしょう、そんなことも知らないんですか

という返事が返ってくる。



　すっかりお話の世界に引き込まれ、遊んでしまいました。

実際に家のまわりで、このお話みたいなことが起こったら

心底驚き、怖くなるに違いありません。

　しかし、感覚的に（っていうんだろうか？）は分かります。

あかちゃんが、理由もないのに空を見てニコニコ笑っていると

さるぼぼがあやしているんだっていう説もあるし

植物となんとなく目があったり、何かが出そうな雰囲気をもった場所って

ありますもん。

　人は現実の現象に対応してだけ生きているんじゃなくて

もっと世界を感覚的にとらえている部分もあるんじゃないかと思います。

二つの世界を行ったり来たりするのが、理想かな。

　でも最近現実世界の対応にすっかり追われてて、くたびれ果ててました。

この本を読んだら、思いっきり遊んで心が気で満たされた感じがしました。




家守綺譚