風の影-読了
久々にガツガツと読み耽ってしまった。 先月帰郷する時に、暇つぶしにと小さなキオスク的書店で買った本。 ミステリー、教養小説、エンターテイメント、歴史小説、ジャンルを決めつけるには作品の奥が深くて、既存の枠にははまらない。 「忘れらた本の墓場」で偶然に出会った本の秘密をさぐるうちに、それが段々と自分の現実生活と交錯してくる。そのあたりの展開力、ぐいぐいとひきつけながらストーリーを展開していく筆力は凄い。スペインの近代史を学びながら、一級のエンターティメントを楽しめる感じ。 過去の悲しい歴史をバックボーンにしながら、人間の再生のドラマを描いているとでも要約するのかな、....ありきたりのコメントより、とにかく、読めばわかる(ちょっとホメ過ぎかな)。 ---(以下抜粋)--- ...読書は個人的な儀式だ、鏡を見るのと同じで、僕らが本の中に見つけるのは、すでに僕らの中にあるものでしかない、本を読むとき、人は自己の精神と魂を全開にする、...。 ...物語というものは、その書き手が何かを語ろうとして、自分宛に書く手紙のようなものだ、書く以外の方法では、それが発見できないのだ...。 --- 前々からスペインには行ってみたいと思っていたが、その気持ちはいっそう強くなった。 将来行くチャンスがあれば、もう一度読み返して、地図を頭に入れて、是非バルセロナも行程に加えたいと思った。