1511798 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

日本顎関節症リハビリ研究室 /より安定した快適咬合を求めて

日本顎関節症リハビリ研究室 /より安定した快適咬合を求めて

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

日記/記事の投稿

フリーページ

顎関節症  咬合不安定症 快適咬合をめざして


顎関節症 医学の連携がとれいてないのだ


問診票 治療履歴 かみ合わせ不安定・micro tapping


スプリント 第一段階の治療 マウスピース 出し入れする装置 違和感があるか


口が開かない 開口障害の 顎関節症 アゴの体操を smile 10-15


第二段階ダイレクトスプリント  micro tappingで 左右均等に 中心窩


TCH  くいしばらない tooth apart   舌を上に  呼吸法


診察申し込みのときの 問診票 川村歯科かみ合わせ矯正歯科 医院


川村秋夫 河北新報  掲載 顎関節症(咬み合わせ不安定症候群)


川村秋夫著作 スマイル31 1_16  仙台歯科医師会 1996年


NHK ラジオ放送 1992年12月7日​


始めにお読み頂けると幸いです


当院は 完全予約 時間約束診療です.


ためしてガッテン2005年 07月 13日 顎関節症


川村秋夫  宮城県にて発表2004


川村秋夫 全身咬合学会  抄録


自宅で できる範囲の 症状軽減法  割り箸 キッチンペーパー


首の痛みとガム 左右でしっかり噛むと


筋電図の検査 咬み合わせ


首の動き&噛み合わせ 股関節も


咬み合わせの検査  自己診断 micro tapping


片足立ち インナーマッスル と咬み合わせ


咬むことの効用


05宮城 発表


舌の吸盤化 TCH


リアクション顎


関節痛や開口障害


私の顎関節症の体験


free


顎関節症のポーラスターさんからのメール


アクセス 地図 入り口 診療室内部


首の痛みと噛み合わせの関係


スプリント後の噛み合わせのリハビリ # 大切


スプリント代用品マウスフィットネス


2021 顎関節症のリハビリ治療の 保険制度の問題点


心電図  頚性神経筋症候群 ?????


スプリントは 上か下か 


初めての患者さん & セカンドオビニオン


くいしばりの強い方へ 咬み合わせ不安定症


test


患者さん自身が 選択してください


プレスケール 咬合圧検査


顎関節症の歯科医師探しヒント


tch くいしばりしてませんか  グリグリ検査


test はじめに ご覧下さい


松浦亜弥(あやや)が顎関節症で


2006改悪  日本の歯科の保険診療の限界


ペーパー・スプリントと爪楊枝


test


参考文献 お世話になった先生方


2005宮城県歯科医師会 会員 発表 抄録


test


I.咬合異常のガイド//2002日本補綴歯科学会


II. 顎機能障害(顎関節症)の診療ガイドライン


顎機能障害(顎関節症)の診療ガイドライン 6) 関節内視鏡検査


咬み合わせリハビリ治療  治療費 高度先進医療???


2021 10 23 大阪 test


02.糖尿病 克服- 寒天


寒天が便秘・ガンに


黒豆茶に含まれる有効成分


しそ(紫蘇)の健康パワー


03.禁煙&卒煙-がん 克服


第11回世界禁煙デー・宮城


マ-ティ・キ-ナ-ト氏の禁煙


天国へのカレンダー 紀香


歯周病 たばこで加速


延命「望まず」93%


04_日本学術会議咬合学研究連絡委員会 


03_1.提言の背景


05._3課題解決 戦略


07用語の説明 参考文献資料


05_口と全身の関係


肥満と歯周病 サイトカインTNF-αと骨吸収


歯牙喪失と痴呆 歯が抜けると痴呆が早まる


歯周病にかかっている妊婦


<歯周病は体の黄信号>


<歯周病 骨髄液を注入>


ぼけ予防には歯を残せ


歯周病、脳梗塞と関係?


長寿と老化


痴呆症と歯抜けとの関係


フッ素の効果と危険性


06_歯科 治療費


ムシ歯の治療金額表 


かみ合わせの治療費


顎関節症の補綴学的治療


インプラント治療費


****大学歯学部附属病院諸料金内規


07_片頭痛と筋緊張性頭痛00


頭痛とは? 神経内科


緊張型頭痛 NHK kenko today


頭痛 NHK ガッテンより


08_クビ の科学


未来人の顔小顔と咀嚼顔とアゴが歪む


線維筋痛症 たけしの家庭の医学む


09_人生と歩き方  般若心経


般若心経 その世界(上) 人に尽


『和顔愛語(わげんあいご)』


稲盛和夫01 人生の歩き方


今日までそして明日から 吉田拓郎


10_川村秋夫 論文2006


12 アクセス 川村歯科 かみ合わせ矯正歯科


サイド自由欄

〒983-0023
仙台市宮城野区福田町1-2-3 川村歯科医院 かみ合わせ矯正歯科
  歯科医師 川村秋夫   電話 FAX 022-259-3022
=================

日本顎関節症リハビリ研究室.

=================
相談は eメール のみ  お電話は ご遠慮しています  
kamiawase@@@@gmail.com
 @を 2個消して @一つにしてメールを
 必ず お名前  年齢  性別 住所 連絡先の携帯電話 を 
================
当院は 完全予約 時間約束診療です.

診察時間 9時〜 17時   休診 日曜 祝日 木曜日 

完全時間予約制です. 予約を 診察時間に お電話予約をお取りください
完全予約 
時間約束診療とは、その時間に担当する歯科医師、歯科衛生士を確保して専任するシステムです.9時から10時まで  Aという患者さんに  B歯科医師とC歯科衛生士が 専任して 担当する.
他の患者さんは 急患者以外は その時間は 診察しないということです.
ただし 年に数回 担当する歯科衛生士の家族が病気で 欠勤することがあり ご迷惑をかけることも あります.

キャンセルの仕方  
キャンセルは  できれば 前日までにお願いします.
 もし当日ならば8時半までに.留守番電話にお願いいたします
 ぜひとも ご協力ください  
 診療時間以外は 夜間は 留守番電話になってます  
  留守番電話は 真夜中 夜間でも構いません.
  遅くとも 予約日の 当日朝までに お願いいたします.
  時間前に 必ず電話での連絡を. 
  診察時間以外 留守番電話にもなっています
  留守番に メッセージを入れてください.

次の予約は 診察時間内で お電話で.   

直前のキャンセルは  キャンセル待ちの方への連絡など時間のやりくりに
かなり辛いです. 

ドタキャン 無断キャンセルする方は 
次回から 完全予約システムは,ご遠慮いただいています.
 次回から  前日 当日キャンセル待ちでの予約  お願いし申し上げます.

=================
2016年 (H28) 急性膵炎 腫瘍のため ほぼ6ヶ月 入院
2017年 完全房室ブロックにて ペースメーカー 挿入インプラント
父の亡くなった年齢に近づき、人生のタイムリミットが近づいてきています

長く研究してきたこと、仕事を通じて なにか縁のある方のお役に立つことを願って 診察しています.敏感な神経のセンサーですから、 個人差があり 毎日が研究と反省の連続です. まだ伸びしろがある.
インプラント沼から 「噛み合わせ・矯正の沼」に 長くハマっています.

プロフィール

keepsmile-erin

keepsmile-erin

バックナンバー

2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月
2023年10月

カレンダー

カテゴリ

2021年11月15日
XML
カテゴリ:忘備録
​バクテリアが持久力を改善するベイロネラ・アティピカ
バクテリア



​​アメリカの大学医学部付属する糖尿病センターの研究グループが、ベイロネラ・アティピカ(Veillonella atypica)​というバクテリアが、持久力を改善する可能性があることを発見したのだそうで、長距離ランナーの便を調べたところ、あまり運動しない人の便と比べて長距離ランナーの腸内にベイロネラ・アティピカというバクテリアがとくに多く活動していることを見つけたのだそうです。

そこでマウスを使った動物実験で、ベイロネラ・アティピカを腸内に定着したマウスとそうでないマウスを比較したところ、​ベイロネラ・アティピカを定着されたマウスの方が13%も長く走り続ける​ことが確認出来たそうで、ベイロネラ・アティピカが乳酸を食べるバクテリアであることから、運動によって発生した乳酸をベイロネラ・アティピカが食べて削除していることが考えられるそうです。

その時、ベイロネラ・アティピカが乳酸を代謝する際にプロピオン酸塩​という物質が発生し、このプロピオン酸塩が腸内に発生することで、マウスの持久力が高まることも分かってきたそうで、人間でも持久力を高めることが期待できそうです。

ならばアスリートがプロピオン酸塩を摂取すれば、持久力を改善することができるのかもしれませんが、その性質上、プロピオン酸塩が胃酸で消化してしまうため、薬のように飲んでも意味がないようで、ベイロネラ・アティピカを腸内に定着させる、最近流行の便の移植が一つの方法なのかもしれません。
​​


ベイロネラ パルブラとは

 ​ベイロネラ パルブラは偏性嫌気性グラム陰性球菌で、ヒトや動物の口腔および腸管から広く分離されます。この菌は0.3 ~0.5 マイクロメートルで芽胞を作りません。運動性のない小球菌であり、短い連鎖状、双球菌状または塊状になることもあります。​グルコースやフルクトースなどの糖を発酵せず、乳酸塩、ピルビン酸塩およびフマール酸塩などを利用して生息します。​代謝産物として酢酸やプロピオン酸から炭酸ガスや水素などを産生します。この菌を分離培養する場合、嫌気性菌用の分離培地で48時間嫌気培養を行うと、直径1ミリメートル以下の透明~灰白色のコロニーを形成します。血液含有の嫌気性菌用分離培地ではより発育が良くなります。

歯垢の原因菌のひとつ

​ ベイロネラ属菌は健康なヒトの口腔内の唾液、歯垢および歯肉溝などに生息しています。
同じ口腔内には歯垢の原因菌と言われているストレプトコッカス属やフソバクテリウム属の菌も存在します。
ストレプトコッカス属やフゾバクテリウム属のそれぞれの菌を一緒に培養すると歯垢が形成される量は少ないのですが、そこに​ベイロネラ属の菌を混ぜて培養することにより歯垢の量は格段に多くなったという研究報告があります。​

 毎日の歯磨きが不十分な場合には歯の周囲に歯垢が作られますが、ベイロネラ パルブラは歯垢の形成の初期段階から関与しています。
また歯周溝にもこの菌は生息し、歯垢同様に酸素濃度が低いところでも生息が可能であることがわかっています。ヒトや動物の口腔以外にも腸管の常在菌として認められますが、病原性は極めて低いといわれています。稀ではありますが心内膜炎、髄膜炎および椎間板炎の患者の検体から分離された報告があります。


​​​​​運動能力を高める(?!)腸内細菌、エリートアスリートで発見
2019.6.25 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  
エリートアスリートの腸内には、運動能力を高める細菌が棲息しているようだ、という米国ハーバード大学、ジョスリン糖尿病センターなどによる研究報告。この細菌をマウスに投与すると運動能力が顕著に向上することもわかった。

これはベイロネラ属の細菌で、座位の多い人々の腸にはみられないという。ベイロネラは、運動したときに生産される乳酸を代謝してプロピオン酸に変える。ヒトの身体は、このプロピオン酸を利用して運動能力を改善するという。

「高められた運動能力を持つことは、全般的な健康と心血管疾患、糖尿病、早死に対する保護効果の強い予測因子である」と共同研究者のアレクサンダー・コスティック博士は語っている。「我々は、人々がそれを飲めば運動能力が高まり慢性疾患になりにくくなるようなプロバイオティックサプリメントを見据えている」

研究は、2015年のボストンマラソンにおける糞便検体の採取から始まったという。筆頭著者のジョナサン・シャイマン博士は当時、ハーバード大医学部のジョージ・チャーチ博士の研究室に所属しており、マラソンの1週間前から1週間後にかけて検体を集めた。同時に、座位行動中心の人々からも検体を集めた。シャイマン博士は検体をコスティック博士のところに持っていき、どのような細菌が含まれているかを分析してもらった。

「ただちに我々の注意を惹いたものの一つは、この単一の細菌、ベイロネラだった。それは明確に、マラソンを終えたばかりのランナーの腸内に豊富に存在していた。ベイロネラはまた、ランナーにおいて、座位中心の者よりも豊富に存在していることがわかった」とコスティック博士は語っている。

研究チームは、マウスモデルを用いて運動能力の改善との関連を確認した。その結果、ベイロネラの補給を受けた後でマウスのランニング能力は顕著に上昇したという。そこで次にチームはそれがどのように作用しているのかを検討した。

「我々はベイロネラが比較的ユニークな腸内細菌であることを発見した。それは乳酸を唯一の炭素源とする生物だったのである」と博士は語っている。

乳酸は、運動をしたときに筋肉が生成する。ベイロネラは、この運動の副産物を主要な食物源として使うのである。

「我々がすぐに考えた仮説は、乳酸の蓄積が筋肉疲労の原因となるので、それが乳酸除去のための代謝シンクとして働くのだろう、ということだった」とコスティック博士は言う。「けれども、サラ・レッサード(ジョスリン糖尿病センターの臨床研究者)のような運動生理学の研究者らと話しているうちに、乳酸の蓄積が疲労の原因となる説は現在では正しくないとみなされていることを知った。それで、もう一度考え直すことになったわけだ。」

コスティック博士ら研究チームは、再び運動能力向上の原因について考え始めた。チームはメタゲノム解析をして腸内細菌叢の全遺伝子を明らかにし、ベイロネラの乳酸代謝によってなにが起きるかを知ろうとした。そして、運動後には、乳酸を短鎖脂肪酸であるプロピオン酸に変換する酵素が増加していることを発見したという。

「そこで、問題は乳酸の除去からプロピオン酸の生成に移った」と博士は言う。「我々はマウスに浣腸を使ってプロピオン酸を導入して運動能力が向上するかどうか検証したところ、その通りであった。」

コスティック博士の研究チームは、レッサード博士らと共同でプロピオン酸が運動能力にどのように影響するかそのメカニズムについて検討する計画であるという。

腸内細菌叢は、我々の健康に強いインパクトを有している。運動は健康的な生活習慣の重要な構成要素のひとつであり、2型糖尿病などのリスクを低減するといわれている。しかし、代謝疾患の多くの患者が、有益とされるレベルの運動をすることができない。ベイロネラのプロバイオティクスサプリメントによって、彼らが効果的に運動できるようになる可能性はあるだろうということだ。というのも、短鎖脂肪酸であるプロピオン酸を服用しても、有効性を発揮する前に消化液で分解されてしまうと考えられるからだ。シャイマン博士は、このアイデアを実現すべくアスリートにターゲットを絞った会社を設立したという。

出典は『ネイチャー医学』。​​​​​



これまでにも「私達は微生物にまみれて生きています。いやむしろ、微生物にまみれないと健康な生活はできないのです。」と紹介してきました。今回はこの話題を深読みしてみます。

腸内の微生物数

人間を構成する細胞数は諸説ありますが、38兆個位というのが最近の数字です。
あまりにも大きすぎて実感がありませんが、世界の総人口77億人の5400倍位です。
私たちのいる天の川銀河にある恒星の数は2000億~4000億個、全宇宙にある銀河の数は2兆個と試算されたりしています。
「星の数ほど」といいますが、38兆個という数は、星の数以上なのです。では私たちを取り巻く微生物数はどの程度でしょう。
皮膚表面には1平方cm当たり数万~数10万匹の微生物がいます。仮に10万匹とすれば、人の体表面積(1万5000~1万7000平方cm)から約16億匹と計算されます。
中国の人口に匹敵する値ですが、これも大した数ではありません。唾液なら、たった1mLに1000万~10億匹の微生物がいます。
さらに消化器官を下って、大腸に到着すれば、糞便1g当たり1000億匹以上という驚異的な数字になります。
人間の糞便量は1日当たり400~500g程度と言われますから、微生物数は40兆~50兆匹と見積もることができます。
しかも大腸の内容物が全て排泄されるわけではありません。まだ相当量が残っているはずです。つまり腸内微生物数は人間を構成する細胞数より多いのです。
細胞の数という観点からは、人間の半分以上は微生物ということもできそうです。

腸内微生物と健康

【腸内微生物のバランス】

「人間の半分以上は微生物」なのですから、腸内微生物が私たちの健康に係わっているのは当然です。
例えば理化学研究所の研究では、マウス実験で免疫系と腸内微生物バランスが双方向に影響し合っていることが分かっています。
免疫細胞の1種が腸内微生物のバランスを整え、一方でバランスの良い腸内微生物は腸管内の免疫細胞を増やす効果があります。
他にも連続的な抗生物質の投与などにより、腸内微生物のバランスが乱れると、難治性偽膜性腸炎という病気になることがあります。
そして、その治療法として健常人の便を患者の腸内に移植して腸内微生物のバランスを図るという研究が試みられています。
この様に「腸内微生物と健康」については多くの研究が世界中で行われているのですが、その多くでは“腸内微生物のバランス”が重要とされ、健康に良い微生物はこれという結論には至っていません。
腸内微生物の主要な種類は数100種類と考えられています。単純に「良い微生物と悪い微生物」がいるわけではなく、あくまでも数100種類の微生物が係わるバランスの整った状態が肝要なのでしょう。

研究し辛い課題】

腸内微生物と健康の因果関係は大変研究し辛い課題です。
例えば、健康な人の腸内にA菌が沢山いても、単純にA菌が健康をもたらしているとは結論できないのです。
実は少数派のB菌が腸内で作る物質に健康向上作用があり、健康な腸内がA菌にとって増殖しやすい環境であったとも考えられるのです。
A菌はB菌のおかげで増殖しているに過ぎないのに、数の多いA菌が目立っているだけかもしれません。
このように因果関係が複雑に入り組んでいると解析は難しくなります。
腸内微生物の研究においては微生物の種類とその数に注目しがちですが、残念ながら数のみでは解らないことも多いのです。
しかし今のところ各微生物の作用にまで踏み込んで研究するには、研究手段も方法論も少ないようです。
どのような腸内微生物バランスが健康に良い状態なのかは、もっと多くの研究成果が集まらなくては、はっきりしないようです。

微生物についての研究例

それでも直接的に健康に影響する特定の微生物についての研究例もあります。
例えば体力を増進させる「アスリート強化微生物」です。ハーバード大学医学大学院の研究グループがボストンマラソンに参加したランナーの糞便から見つけた微生物です。
ランナー15名とそうでない10名にお願いしてマラソン大会の前後1週間の毎日、糞便を提供してもらい、これに含まれる微生物の遺伝子を調べました。
微生物の遺伝子を解析することで、どんな種類の微生物がどの位存在するのかを推定することができます。
ランナーではベイロネラ属細菌の割合がマラソン後に増えていました。
ベイロネラ属細菌はヒトの口腔内、呼吸器、腸管内等で普通に見られる嫌気性菌で、口臭の原因菌としても知られています。
しかし残念ながらベイロネラ属細菌の増加傾向は統計学的には有意な差とまでは言えませんでした。
それでもこの細菌に注目した研究者らは、ランナーの糞便から純粋培養したベイロネラ属細菌をマウスに経口投与しました。
トレッドミルという強制的ルームランナーのようなものでベイロネラ属細菌投与マウスを走らせると、運動時間が13%長くなり、持久力向上が確認されました。

さらにベイロネラ属細菌の遺伝子を詳しく調べると、乳酸をプロピオン酸にする代謝を行っているらしいことがわかりました。
世界中の研究者が日々膨大な種類の微生物の遺伝子を解析しているので、データベースには目的微生物がどんな代謝をするのかを推測するための遺伝子情報が沢山あります。
乳酸は激しい運動を行うと筋肉で生産され、疲労の原因となる有機酸です。通常は血流によって肝臓に送られて代謝されます。
それではとマウスの腸管内にプロピオン酸を点滴投与すると、やはりトレッドミルでの運動時間が伸びました。
これらのことから、ベイロネラ属細菌は、筋肉で生産された乳酸をプロピオン酸に変える働きをし、プロピオン酸は筋肉のエネルギー源として再利用されていると予想されたのです。
でも、乳酸をプロピオン酸にする代謝は微生物にとって珍しいものではありません。
どうしてベイロネラ属細菌のみがアスリート強化的な作用をもたらすのかは不明です。さらに残念なことに、人間でも有効なのかは検証されていません。 ベイロネラ属細菌のように健康全般のみならず、運動能力の向上にも腸内微生物が関与しているということは、驚きです。
でもこれも身体的な影響ですから、腸内微生物が関係していることも納得できそうです。では、感情や性格にも腸内微生物が影響を与えているとしたら?
次回は「腸内微生物と性格」についての研究例を紹介します。

技術顧問 博士(農学)

茂野 俊也(Toshiya Shigeno)https://www.preci.co.jp/20200914/





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年11月22日 19時04分34秒
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.