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テーマ:ありがとう(609)
カテゴリ:追悼
「命を刻む ハナのこと・2」はこちら
「命を刻む ハナのこと・1」はこちら --- ハナちゃんには、昔 とても仲良しの子がいたんです --- これはバラ園のお母さん Sさんから教えてもらった話です ある日、突然 公園に現れた3匹の猫 誰かに置き去りにされたのか 当時2才ほどだった猫たちは とても悲しそうな目をしていたそうです 1匹は男の子、もう1匹は女の子 どちらも人懐っこく甘えん坊でした そして、最後の1匹は とても怖がりな女の子 それがハナです 色も毛並みも性格も まったく違う3匹 --- きょうだいだったのかは わかりませんけど… 3匹は一緒に育ったんでしょうね --- 彼らは、とても仲が良くて いつも一緒にいました 人懐っこかった2匹は お世話するSさんや公園へ来る人に すぐに甘えるようになりました けれど、ハナは とにかく怖がりで警戒心が強く 2匹のようにはなりませんでした --- でもね、ご飯の時間くらいになると いつも、ちょこんと座って待ってるんです --- Sさんは、そんなハナが とても可愛かったと笑っていました 彼らは、優しい人たちと出会い 外で暮らすことに慣れました けれど、そんな3匹に ある日、別れが訪れたのです 人懐っこかった女の子が 突然、公園から姿を消しました どこを探しても見つからず 結局、そのまま出会うことは なかったそうです それでも残された2匹は その後も寄り添って暮らしていましたが… ある日、甘えん坊だった男の子は 近くの道路まで出てしまい 車にはねられました 事故に遭った直後 まだ、生きていた彼は いつも3匹で過ごしていた場所まで戻り そこで亡くなったのだそうです --- だから、ハナちゃん ひとりぼっちになってしまったんです… --- 初めて会った日 すべてを拒絶するように 息をひそめていたハナ 姿も見せず 気配すら感じないケージの前で 私と第二秘書は、彼女の過去を知りました 仲間をなくし 孤独と不安を感じながら… いったい、ハナには 何度、こうしてやり過ごした時間が あったのだろうと思いました あんなにも怖がりだったハナが ひとりぼっちで生きていた時間を思うと 今でも涙がこぼれます 「野良猫」と一括りにされるけれど 彼らは、それぞれ違います 今まで生きてきた中で 経験してきたことも 感じていたであろう気持ちも違う… あの頃、初めて出会った猫たちの それぞれの過去を知れば知るほど 思いは募りました 彼らが何を望むのか 本当のところはわからないけれど… 私は、どうしても 一代限りの命を刻む彼らが それぞれ自分らしく生きていける 未来が欲しかった… どんなことをしても 手に入れたいと思ったのです すべてを拒絶する彼らには 出会ったばかりの私たちを信頼することは できなかったでしょう 少し近づくだけで 怒りをあらわにする彼らとの 心の距離は、とても遠いと感じました それは仕方のないことです 彼らは、人間を警戒していたのだから… もちろん、不安や焦りが なかったわけではありません くじけそうになることもありました けれど… 彼らの気持ち、彼らのすべてを 丸ごと抱きしめたいと思いました 1匹、また1匹…と 彼らもまた、私たちにとって かけがえのない存在になっていったから… もしも、彼らが いつか少しだけでも近づいてくれたら… 人間である自分が、この手で 彼らの心を解きたいと思いました 甘えられないままでもいい 不器用なままでもいい ただ、いつか彼らには 自然に自分らしく 素顔のままで生きてほしいから… ここから始まった関係が 今は、どんなカタチであったとしても ずっと、彼らに寄り添っていよう そう思ったのです もちろん、ハナにも その思いを伝えていこうと思いました もう、孤独や不安は感じさせない ひとりぼっちにはしないから… いつか彼女の素顔を見たいと思いました 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 「猫の部屋」が出来る前から 私と第二秘書が知っていたのは 剣先と呼ばれるエリアの18匹の猫たちだけでした 私たちに、すべてのきっかけを与え 覚悟の決め方を教えてくれたのが彼らです そんな彼らに導かれるように 私たちは、ハナや他の猫たちと出会いました あの混沌とした中で初めて出会って 戸惑いながら共に過ごし 一進一退を繰り返しながらも こうして距離を縮めることができたのは すべてハナたちが頑張ったから… 私は、とても感謝しています 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ いつもたくさんの応援をありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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