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テーマ:猫が教えてくれたこと(53)
カテゴリ:追悼
こんばんは、第一秘書です 猫たちの懐かしい故郷 そして、この活動の原点でもある中之島公園 そこは、土佐堀川と堂島川 ふたつの川に囲まれた島 オフィス街の真ん中に位置する 水と緑の美しい場所です 公園の象徴でもあるバラ園では 毎年、5月と10月にシーズンを迎えます 園内を埋め尽くすほど 見事に咲き誇るバラ 遠くから眺めていても 輝くほどの美しい色合いに 思わず見とれてしまうほどです 今、ちょうど 見頃を迎えたところのバラは 多くの人たちの目を楽しませています 丁寧に手入れされ 花びらの一枚一枚までもが とても鮮やかで... 雨上がりの水滴を乗せ 陽ざしを浴びる葉は 緑の宝石のようにキラキラしていて... 私と第二秘書は 毎週、お当番の日には公園へ行くので いつも美しいバラを眺めています そして、いつも... 目の前にあるバラと重ねるように ある風景を思い出すのです 冷たい風に粉雪が混じる頃 誰もいない遊歩道に そのバラは咲いていました それは、今から7年前 2008年12月の風景 再整備工事中で 閉鎖されていた公園には 植え替えられなかったバラが いくつも残されていました あの冬、急死した子に持たせたバラ 私たちが「ヒュウマのバラ」と 呼んでいるものです もう、誰かに愛でられることはなく 手入れされることもないのに... 大輪の花を咲かせているバラが あまりにも美しくて 本当に驚きました けれど、ここで人知れず 枯れていくことしかできないのが とても悲しかったのです ここに存在しているのに こんなにも一生懸命に咲いているのに... 私には、何もなかったように 取り残されているバラが そばにいる猫たちの姿と重なって見えました シーズンを過ぎても バラは、逞しく咲き続け 12月になっても色鮮やかなままでした そんな頃、私たちは 新たな11匹の猫たちと出会ったのです 彼らもまた、存在すら認められず 居場所を追われて 彷徨っていた猫たちでした 11匹の猫たちに会った夜 彼らは、狂ったように 捕獲器の中で暴れていました 体中を捕獲器に強くぶつけて 血だらけになりながら 牙をむいて威嚇していた彼ら 大きな子も子猫も 激しい恐怖と怒りの表情を 浮かべていました ちょうど、その一年前 閉鎖された公園内で捕獲した猫たちも 同じ表情をしていました とても胸が痛みました 外で暮らす猫たちに 生きる場所を選ぶことはできません どれだけ自由で 気ままな生活に見えても 彼らに選択肢などはなかったのだから... 自らの意志でそこにいることを 望んだわけじゃない ただ、彼らはそこで生きるしか 仕方がなかっただけです それを自由だとは呼べない... 何かあれば、当たり前のように 取り残されて、追い払われてしまう生活が 気ままだと言えるでしょうか 人が、街が、社会が 利便性を求めて変化するたび その陰には、居場所を失い 誰からも気付かれることなく 姿を消す猫たちがいます --- 猫だから、どこかに行くでしょう --- 多くの人が見て見ぬふりをする 目の前から消えてしまえばそれでいい あの夜、彼らと出会って 同じように繰り返されている現実に 強い憤りを感じました もう、二度と彼らに こんな表情をさせたくはない... 「野良猫」と一括りにされる彼らが どれだけ一生懸命に生きているか それぞれの存在に光をあてたいと思いました 彼らにとって、ここにいることも 自由とは呼べないけれど... 恐怖や怒りだけでなく たくさんの感情を教えたいと思いました 彼らの存在をなかったことにはさせない 改めて、そう思ったのです 「猫の部屋」誕生から一年 すでに捕獲作業も手術も終えて 本当の居場所を手に入れた猫たちを 次々に送り出していた頃 新たに出会った11匹は 生後4~5ヶ月ほどの子猫を含む まだ若い猫ばかりでした 6匹の茶白・茶トラを中心に サビ猫とキジ猫、そして黒猫... ノアは、その中の1匹でした 「中之島公園猫対策協議会HP」 web@nakanoshima-cats.com 「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp 遅くなりましたが... ノアのことを書きたいと思います また少し、お付き合いいただけたら嬉しいです 猫ボランティア・保護活動ランキングへ 人気ブログランキングへ ブログランキング参加中 いつもたくさんの応援ありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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