気候がメチャ不順
「うちにもできるバイトないかなー?」春と冬が交互に来てます。その中をこの前の土日には、岩国の錦帯橋通り「匠のこころ展」へ参加して来ました。遠くから来て頂いた方々、どうもありがとうございました。この催しももう6年位になるんです。関係者の尽力には敬意を払いつつも、もうちょっと規模が大きくなればいいと思います。それには地元のクラフト作家の更なる参加が必要でしょう。売れる売れないは別にして、近くのイベントを盛り上げようという気持ちが欲しいですね。えー。暖かかったり寒かったりしたせいで、風邪を引きました。こんな本格的な風邪は何年ぶりだろう。久しく引いてなかったんです。本格的というのは、まず喉が痛くなり>次に鼻水が止まらなくなり>軽く熱が出て>鼻水は徐々に収まるが>今度は上部気道に病状が移って咳が出る>その咳が段々収まってきて治るという段階です。今回、見事にこのルートを辿ってます。いま最終段階のあたり。最後に咳が出るというのは、風邪ウィルスにしてみれば、ここでの仕事はひとまず終わったんで次の場所でウィルスの仲間を増やしちゃりましょう、ついては咳を出しそれに乗って拡散しよう、といった戦略なんでしょうか。人に移すと治ると言われるのはそういうことか? 利己的遺伝子。良くできてます。寒い時は布団に潜るけど、暖かくなってきて猫団子復活がです。最近読んだ本。東郷隆「センゴク兄弟」仙石権兵衛秀久と新八郎久勝という兄弟の武将。斎藤と織田に挟まれたロケーションに運命を弄ばれるが、助け合いつつそれぞれしぶとく生き延びる。信長や木下藤吉郎、竹中半兵衛なども出演します。後書きによると、宮下英樹の漫画「センゴク」の原作を書くために調べていたのを小説化したということです。けっこう楽しく読めました。けどこの博識な著者の作品にはいつもながら背景や状況の微細な説明が入るので、それを面倒だと思う人もいるでしょう。当然テンポも悪くなるし。博識が両刃の剣となっているという意味では岩井三四二と双璧かな。岩井氏も清張賞を取った「月ノ浦惣庄公事置書」を超えるのを読んでないような気がします。松尾スズキ「老人賭博」この前の芥川賞候補作です。でも受賞するような内容ではないです。だって北九州市のしけた町のしけたロケで初めて主演を張る老優小関のNG回数を賭けの対象にしたりする話だからなあ。老人が賭博するのかと思ってたら老人を賭博の対象にするんだった。私はツイッターでブラックユーモア小説と書いたけど、それよりアンチヒューマニズム小説と言った方が良いな。感動的な方向に話が転ぶのを断固として避けた小説です。ユーモアもカラッとしたもんじゃなくて、エヘ、へ、グヒヒと嗤うような感じ。最後に感動的な盛り上がりになりそうな危ない場面が現れるのですが、これも事が裏目になって無事に感動は回避されます。読後感も寒々しくて中々素晴らしい小説です。でもま、正直なところ芥川賞は無理。大沢在昌「魔女の笑窪」水原は「島」を抜けたという過去を背負いつつ、裏の世界のコンサルタントで成功している女性。何千人という男性経験から、一目見ればどういった男かが分かるのが武器です。読み切り連作の常套である、 個人的な事情を背負いつつ仕事をしている 最初は仕事の話がメインの進行 段々個人の事情が入り込んでくる それが拡大していって最後に盛り上がり、連作が終了という作法に則ってますが、大沢在昌の小説は重量感が半端じゃない。パネェ重量感。なぜだ?分かりません。第四章までは、水原自身の過去にチクチク触れつつも主軸は裏の世界のコンサルタントの仕事を追います。この辺、日本の他の作家では殆ど感じたことのない正統ハードボイルドという印象。会話のせいかな?第五章はジャワのリゾートに飛ぶんですが、これがビックリ。まんま村上龍かと思いましたよ。うーん。大沢在昌ってどんな作家のスタイルでも書くことができる人なんでしょうか。でここを転機に、第六章から「島」からやってくる番人(処刑人)との戦いになります。最後は思わぬ終り方になりますが、何か大人の事情もあったんでしょう。続編もあるみたいです。