カテゴリ:自作小説
こないだのことです。
朝7時ピンポーンとインターホンが鳴りました。 起き立ての私達。誰?! 「トラジロウです。」 うへぇっ!早過ぎないかい? いつもの待ち合わせは、7:50だ。 今、トラママは具合が悪くて寝込んでいる。 トラちゃん、早起きして、来ちゃったのかな? 私とパパはトラちゃんを招き入れた。 トラちゃんと面白がって、コリラックを起こす。 昔やってた、ドッキリカメラのアイドルの寝顔公開かのように、 コリラック、なかなか起きなかったけど、 目を開けるとトラちゃんがいることに、 軽くビビッていた。 (カワイイ) いつもなら、ダッコだの、オンブだの、 して~と言って起きるのに、 サッソウと立ち上がって居間へ行き、着替えをして、朝食。 (ママ、ちょっと淋しい) そこでトラママからメールが。 「ごめんなさい~。8時にしてね!」 8時までここにいろ?ってことか? 私は返事を返す。 「8時とは?トラちゃんならもう来てるよ。」 トラちゃんは、ポケモンの本を黙々と読んで待っている。 (子供二人産んだみたいだ。カワイイ) そこでまたトラママからメールが来た。 「ぎゃー!時間一時間間違えてた!」 (爆)!!! 「やっぱりな…。」 パパがクールに言った。 小説を褒められて、ついつい嬉しくて、またもや更新してまあす! 昨晩は、パパが新人歓迎会でいなかったので、 今日は久々二回目の更新でーす! ------------------- 「アイツとオレ5」 <前回までのお話> ようやく大学に行くようになったオレ(赤木)は、 アイツ(青山:アオヤン)に親しい友人感情を持ち始めた。 いっしょにツルむようになった、 同じクラスのイグチ(イグっちゃん)と、共に過ごすようになる。 夏休みに入った。 オレは、休んだ分の一ヶ月を取り返すために、 アオヤンの家でノートを取らせてもらうことにした。 「ついでに、泊まりに来ないか?」 アオヤンがそう言ったので、 オレとイグチはアオヤン宅にしばらく合宿することになった。 「いらっしゃい。あらあら、すごい荷物ねぇ。」 アオヤンの母親は優しげで上品な雰囲気がした。 なるほど、良家のお坊ちゃまである、アオヤンの母親っぽいな。 実際、アオヤンは会社社長の次男坊なのだが…。 「アオヤン婦人」、と、オレは密かに名前をつけた。 「さて、どうするよ?」 「早速ノートって言うのも何だし、まずは買出しに行こうぜ!」 オレたちは、近所のコンビニに行き、酒とつまみを買った。 そして、レンタルショップに行った。 「ボク、この辺は、顔が割れてるから、アダルトは勘弁してよ~!」 会員証を持ってるアオヤンがマジで言っていた。 「オレが借りてやるって!」 「じゃあ、変装してくるんだったな!」 オレとイグチがからかった。 ワザと、アダルトコーナーに行って、 パッケージやタイトルがドギツイのをアオヤンに渡すと、 アオヤンがワーワー慌てて元のところへ戻しに行った。 「オマエら~!勘弁しろよ~!」 オレたちはクククと笑った。 アオヤンが承諾してくれた普通の映画何本かをオレたちは借りて、 早速アオヤン宅で観賞し始めた。 オレたち位の歳のヤツが、 懸命に訓練して、一人前になっていく話だった。 「オレ、…こんな女がいるとこなら、行ってもいいな。」 イグチが映画を見てボソリと行った。 「ボクも~」 アオヤンが同意する。 「オマエら、結構年上好みかよ?」 オレが言った。 「見た目だって!見た目!」 「うおっ!こんな急にヤっちゃっていいのかよ?!」 「外人はデカいけど、柔らかいらしいぞ!」 「意外とすごいこと言うね~!」 「何の話だよーっ?!」 「そうだよ。意外とスゴいんだよ、オレ!」 「見たことあんのかよ~?」 「触ったのかよ~?」 「何想像してんだ?!このエロス!」 ゲラゲラ笑いながらのツッコミ観賞になった。 が、場面は一転して、主人公の親友が死んでしまった。 「マジかよ…。死ぬのかよ…。」 アオヤンがつぶやいた。 「青春映画のセオリーだろ。死ぬことで感動を呼ばないと。」 オレが言った。 「冷てぇ~!」 「クールだな!」 感動シーンなのに、みんなが吹き出し始めた。 「何だよ、そー思わねぇ?」 映画が終わると、話は、女の話になった。 「そう言えば、付き合ったことがあるのは、赤木くんだけじゃねぇ?」 「え?オマエら、無いの?」 「う~ん、無い!な!」 「どこまでが、付き合ったことになるんだ?」 痛い話になった。 「別れたよ。」 「ええっ!何で?」 「大学行かなくなったらさ、情けないだの、何だのって。 結局、オレが大学生ってブランドじゃなきゃ嫌だったみたいだな。」 空気がちょっと落ち込んだ。 「そっかぁ…」 「せっかく、どうやったら、女を口説けるのか聞けると思ったのになぁ~」 「そうだよ、どうやったら、ホテルに連れ込めるのかな?とかさ。」 落ち込んだのは、そういう話が聞きにくくなったから、 ヤツ等はそういう空気を作ってくれているようだった。 コイツ等、さりげなく話を逸らしてくれてる。 もしかしたら、ホントに聞きたいのかもしれないけど。 でも、そんなところがいい。 そんなコイツ等といられるのが、いい。 「何だよ、オマエらはどうなんだよ?聞いてどうかするアテでもあるのかよ?」 とりあえず、浮いた話なんてするわけないか?と思ったが、聞いてみた。 すると、意外な返事が帰ってきた。 「オレ、こないだ、バイトの飲み会で、女の手握った。」 うお~っ!と、オレとアオヤンが騒いだ。 「マジかよ?積極的じゃん!」 「意外だな。」 「そうだよ、意外なんだよ、オレ!」 もう、このフレーズは、オレたちのブームになっていた。 しばらく、イグチに突っ込みが続く。 「ボク、今、短期バイトしていて、そこで知り合ったおばさんが、優しくて…。 で…、その…、どこか行かないか?って。」 アオヤンが言った。 アオヤンもかよ?! 「やべぇ!大人の恋?」 「アオヤン、マダムキラー?!」 こりゃ参ったとばかりにオレとイグチが騒いだ。 やべぇ、ノートどころじゃねぇぞ。 そう思ったが、夜は飲みながら、オレだけがノートをチマチマ書き写していた。 まぁ、恋バナしながらだけど。 仕方ねぇ。夏休み明けには試験がある。 「赤木くん、ホントに意外と真面目なんだねぇ~。」 「だから、そうだって。意外と真面目なんだって、オレは!」 アオヤンとイグチがニヤニヤ笑っていた。 「赤木くんて、イイやつだよな~。」 何だそりゃ?訳わかんねーよ。 必死にノートを書き写し、 そんな下らないことばかりをしたアオヤン宅合宿が終わって、 オレたちは、ちょっと物足りない気持ちで別れた。 次回会った時には、何か進展があるかもしれない。 そんな楽しみを残して。 この夏は、バイト仲間とも盛り上がった。 そこには、サキもいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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